【Globali】
米メディア;エボラ出血熱ウィルスの脅威(2015/05/11)
3月10日付「エボラ出血熱流行は完全には抑えられない?」の中で、“国連エボラ出血熱緊急対応局責任者は、仮に新たな感染者がゼロとなっても安心は禁物で、今夏に再流行するやも知れず、引き続き注力が必要と訴えた”と報じた。5月7日時点の世界保健機構(WHO)発表では、感染者数2万6,661人、死者数11,022人と、約2ヵ月前より感染者数で11%、死者数で13%増えており、今年初めに比べて流行に衰えが見えているとは言え、未だ完全に終息に向かっているとは言い難い。そうした中、エボラ出血熱に感染し、一度は快復した米国人医師が、“ポスト・エボラ症候群”を患ったと米メディアが伝えた。
5月8日付
『ABCニュース』は、「エボラ出血熱患者、快復後でも目に炎症」との見出しで、「今週発行の、“ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌”(注後記)にエモリー大学病院(ジョージア州アトランタ)の医師らが投稿した報告によると、昨年9月初めに、西アフリカのシエラレオネでエボラ出血熱と診断され、同病院に36日間入院して治療を受けた米国人男性医師(43歳)が、快復して退院してからおよそ9週間後、体内に潜伏していたエボラ出血熱ウィルスによって、“ポスト・エボラ症候群”の眼球炎を発症したという。...
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5月8日付
『ABCニュース』は、「エボラ出血熱患者、快復後でも目に炎症」との見出しで、「今週発行の、“ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌”(注後記)にエモリー大学病院(ジョージア州アトランタ)の医師らが投稿した報告によると、昨年9月初めに、西アフリカのシエラレオネでエボラ出血熱と診断され、同病院に36日間入院して治療を受けた米国人男性医師(43歳)が、快復して退院してからおよそ9週間後、体内に潜伏していたエボラ出血熱ウィルスによって、“ポスト・エボラ症候群”の眼球炎を発症したという。左の眼球組織からエボラウィルスが発見されたが、再治療の結果、現在は視力も回復した。専門家によれば、エボラウィルスは眼に障害を与えることが判っていて、アフリカのエボラ出血熱患者の中には、失明した人もいるという。」と報じた。
なおWHOは5月9日、西アフリカのリベリアでのエボラ出血熱の終息を宣言した。大流行した国の内で最も多くの死者を出したが(5月7日現在、4,716人。シエラレオネは3,904人、ギニアは2,387人)、終息の目安としている42日間、新たな感染者が確認されなかったためである。ただWHOは、再び感染が広がることを警戒し、今年末までは、リベリアへの要員派遣などを続ける。
一方、シエラレオネやギニアでも、5月3日までの1週間の感染者の確認件数が、それぞれ9件と、以前よりもかなり減ってきている。
(注)ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン:1812年創刊の、マサチューセッツ州内科・外科学会によって発行される、査読性の医学雑誌。継続して発行されている医学雑誌の内では、世界で最も長い歴史を誇り、また、世界で最も広く読まれ、引用され、かつ、影響を与えている一般的な医学系定期刊行物となっている。
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