8月3日付米
『ロイター通信米国版』:「米国連大使、北朝鮮に対抗する手段の意義を再度説明」
「●米国のサマンサ・パワー国連大使は8月3日開催の国連安保理で、北朝鮮が8月3日朝に再度実施したミサイル発射を非難して、米国が韓国にミサイル防衛システム配備を決定した背景がここにあると再度強調。
●一方、北朝鮮の同盟国である中国の劉結一(リウ・チェイイ)国連大使は、米国が7月に配備を決定したTHAADシステムは、朝鮮半島の緊張を悪戯に高めるだけだと改めて非難。
●また、別所浩郎国連大使は、今回のミサイルが日本の排他的経済水域に着弾しており、日本にとって最大級の安保危機だとアピール。
●更に、韓国の呉俊(オー・ジュン)国連大使は、今年に入って北朝鮮は計13度もロケット弾や弾道ミサイルの発射実験を行っているが、これらは全て武器の精度を上げるための計画的なもので、北東アジア地域の安全保障を脅かすものだと主張。
●米大使は、安保理が北朝鮮の非難決議を採択するよう要求しているが、全会一致が条件であることから、今のところ成り行きは不透明。」
8月4日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』:「北朝鮮のミサイル発射実験でアジア諸国間に亀
裂」
「●日米要請で8月3日に緊急招集された安保理事会で、北朝鮮の再度のミサイル発射を非難する決議の採択が討議されたが、アジア諸国間の意見に食い違い。
●日米韓は北朝鮮の脅威を理由に、厳しい非難決議の採択を要請したが、中国の反発に遭って、何ら進展なし。
●韓国が、米国の説得を受けて、THAAD配備を受け入れたことから、中国が北朝鮮擁護に回り、また、韓国との経済連携を弱める恐れ。
●更に、安倍政権の内閣改造で、タカ派右翼とみられる稲田朋美氏が防衛相に就任したことから、中韓メディアは、同氏が侵略戦争や従軍慰安婦の歴史を否定する意見を述べていたとし、また、戦争犯罪人を合祀した靖国神社参拝も行っており、中韓にとっては要注意人物と報道。」
8月5日付韓国
『聯合ニュース』:「日米韓、北朝鮮からの攻撃を防ぐ対策協議」
「●韓国国防部は8月5日、8月3日の北朝鮮の再度のミサイル発射実験を受けて、日米韓高官の間でテレビ会議を行い、防衛策について協議したと発表。
●北朝鮮は7月19日、米軍が2017年までに韓国にTHAADを配備することを決定したことに対抗して、ロドン中距離弾道ミサイル2発とスカッド短距離ミサイル1発を発射。うち2発は500~600キロメーター飛翔。
●更に、8月3日に発射したロドン2発のうち1発は、約1,000キロメーター飛翔して、秋田県の約250キロメーター沖の日本の排他的経済水域に初めて着水。
●従って、3ヵ国は北朝鮮の周辺地域に対する脅威が増々高まっていることを警戒して、3ヵ国の共同防衛対策を再確認。」
一方、8月4日付中国
『新華社通信』:「中ロ、安全保障問題で共通認識確認」
「●中ロ両国は、米軍が韓国に配備すると決定したTHAADシステムが両国の安全保障を脅かし、東アジア地域の戦略バランスを崩すものとして、断固反対することで一致。
●特に、THAAD付帯のXバンド・レーダーは、中ロ領域内の情報探知が容易となることから、これがTHAAD配備の主目的だとして非難。
●中ロ両国は、これまで朝鮮半島の平和と安定に寄与すべく努めてきているが、これに反する米国の愚行によって、反って朝鮮半島に緊張をもたらすものと批評。」
また、8月5日付英
『デイリィ・スター』紙:「北朝鮮の核開発危機:ヴラジミール・プー
チンが金に忠告」
「●ロシアのプーチン大統領は、9月に韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領をウラジオストックに招待し、北朝鮮の核開発危機に対抗する措置を両国間で討議すると、同大統領府が発表。
●これに対し、韓国大統領府も、両首脳が北朝鮮の核開発問題について討議する予定だと追認。
●かつてロシアと北朝鮮は親密な関係にあったが、ロシア大統領府は今年初め、金正恩(キム・ジョンウン)委員長の核兵器開発は“重大な懸念”だと表明。
●今年3月もロシアは、北朝鮮が何度も実施した核実験やミサイル発射は明確な安保理制裁決議違反であり、このままいくと国連軍による制圧の可能性も出てくると忠告。
●ただロシアとしては、米国のTHAAD配備が新しい冷戦の種となると不快感を表明。
●なおロシア・韓国両国は、その他経済連携や国際協調などについても討議予定。」
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