菅義偉新首相(71歳)は、就任後初の外遊先であるベトナム、インドネシアを訪問している。同首相訪問に反対した訳ではないだろうが、日本含めた海外メディアによる注目を狙ったためか、偶然にも同首相一行到着の10月20日に、ジョコ・ウィドド政権が制定した新労働法(オムニバス法、注後記)に抗議するデモが発生している。
10月20日付
『ロイター通信』:「インドネシア首都で数千人が新労働法への抗議デモ」
数千人の学生や労働者が10月20日、インドネシア首都ジャカルタ市街で、ジョコ・ウィドド政権が制定したオムニバス法に抗議するデモを行った。
デモに参加した学生らは、所属する大学のカラーを示す黄色、青、緑のジャケットを着用して、口々に同法の廃棄を訴えた。
同法反対派によれば、同法によって労働者の権利も、また環境保護も悪影響を受けるという。...
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10月20日付
『ロイター通信』:「インドネシア首都で数千人が新労働法への抗議デモ」
数千人の学生や労働者が10月20日、インドネシア首都ジャカルタ市街で、ジョコ・ウィドド政権が制定したオムニバス法に抗議するデモを行った。
デモに参加した学生らは、所属する大学のカラーを示す黄色、青、緑のジャケットを着用して、口々に同法の廃棄を訴えた。
同法反対派によれば、同法によって労働者の権利も、また環境保護も悪影響を受けるという。
2週間前に同法が成立して以来、多くの抗議活動が実施されてきていて、一部が暴徒化し数千人が逮捕されている。
なお、ジョコ大統領(59歳)は昨年4月、56%の得票率で2期目の当選(任期5年)を果たしている。
しかし、日刊紙『コンパス』(1965年創刊)が10月20日に発表した世論調査の結果では、同大統領の2期目1年の成果に不満と回答した人が46.3%と、満足と回答した39.7%を上回っている。
同日付『ジャカルタニュース.ネット』:「数千人が新労働法反対デモ」
数千人がオムニバス法に抗議するデモを実施した同日の10月20日、日本の菅新首相が来訪し、ジョコ大統領と、経済連携や安全保障関連について協議することになっている。
しかし、同大統領が主導して制定したオムニバス法については、海外投資を促進しやすくする規定も挿入されていることから、反対派は、安易な外資導入によって環境保護に悪影響を与えかねないと非難している。
また、労働者の最低賃金、退職金、出産・育児給付等の権利が侵害されるとも訴えている。
(注)オムニバス法:雇用創出や海外からの投資促進を目的とした法律で10月5日にインドネシア国民議会で可決成立。同法は、70余りの現行規制を簡素化、ないしは改正するもので、労働基準の見直しや外資規制の要件緩和が含まれる他、事業認可の取得がより容易になる。法案成立により、キャピタルゲイン税の税率が20%となるほか、一部の配当税が免除される。なお、同法案は当初、10月8日に本会議にかけられる予定であったが、同法案に反対する労働組合が、10月6日から3日間、200万人が参加する大規模ストライキを計画していたことから、急遽直前に採決が強行されている。
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