トランスジェンダーのスポーツ参加に関する英国の包括的な報告書によると、トランスジェンダーの女性は、テストステロンのレベルを抑制しても、女性カテゴリーで競技する際に身体的な優位性を保つことが判明した。
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『BBC』と英
『スカイニュース』によると、英国のスポーツ評議会平等グループ(SCEG)はアマチュアスポーツ界におけるトランスジェンダーの受け入れについて、広範な調査を行った結果、現行のガイドラインは見直しが必要であると結論づけた。「多くのスポーツにおいて、トランスジェンダーの参加と、公平性と安全性は、共存できない」とし、国内のアマチュアスポーツを対象に、新たなガイドラインを作成した。
この新しいガイダンスは1年半にわたり300人の関係者と175の組織を取材し、既存の研究の見直しを経て作成された。...
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『スカイニュース』によると、英国のスポーツ評議会平等グループ(SCEG)はアマチュアスポーツ界におけるトランスジェンダーの受け入れについて、広範な調査を行った結果、現行のガイドラインは見直しが必要であると結論づけた。「多くのスポーツにおいて、トランスジェンダーの参加と、公平性と安全性は、共存できない」とし、国内のアマチュアスポーツを対象に、新たなガイドラインを作成した。
この新しいガイダンスは1年半にわたり300人の関係者と175の組織を取材し、既存の研究の見直しを経て作成された。その結果、「ジェンダーの影響を受けるスポーツにおいて、テストステロンを抑制しても、女子スポーツにおけるトランス女性の身体的優位性を無くすことはできない」と結論付けた。そして、特に接触や衝突を伴う競技に置いては、男性と女性のカテゴリーに、「ユニバーサル」や「オープン」といった新たなカテゴリーの追加を検討することを奨励している。
国際オリンピック委員会(IOC)は2015年に、トランスジェンダー女性は競技前に少なくとも12カ月間、テストステロンレベルを抑制しなければならないというガイダンスを発表している。これに対しスポーツ評議会は、「最新の研究と証拠を調査した結果、平均的な女性と、テストステロン抑制の有無にかかわらず、出生時に男性と登録された平均的なトランスジェンダー女性またはノンバイナリーの女性とでは、強さ、スタミナ、体格に違いが保たれていることが明らかになった」と報告している。
ガイドラインによると、成人男性のアスリートは、水泳やランニングの競技において、平均して10-12%のパフォーマンスの優位性があり、ジャンプ競技では20%、ウェイトリフティングなどの筋力系スポーツでは同程度の体格のアスリートでも35%のパフォーマンスの優位性があるとされている。「男女間のギャップを理解するには、近年、各国のシニア女子サッカーチームが未成年の男子チームと練習試合を行った結果を見ればよい」と指摘している。オーストラリア、アメリカ、ブラジルの女子代表チームは、14歳と15歳の少年たちで構成されたクラブチームに、それぞれ7-0、5-2、6-0で完敗した」という。
『ザ・ワールド・ニュース』によると、スポーツを専門に扱う弁護士、クリス・レイビー氏は、「テストステロンを抑制する治療を受ける前のトランス女性は、事実上、生物学的には男性であり、XY染色体、精巣、高レベルのテストステロンを持ち、その結果、男性が女性に対して持つすべての身体的優位性を持っている。そして、成長期にテストステロンの濃度が高いことで得られる身体的優位性の一部が持続する。男性のまま思春期を経験していれば、より身長が高く、心臓と肺も大きく、これらはテストステロンを抑制しても影響を受けない。」という。
スポーツ界は今後、トランスジェンダーの参加を優先するのか、オープンカテゴリーや「女性専用」カテゴリーを設けて女性のカテゴリーを保護するのか、あるいは、誰もがプレーできるように非接触型の新しいルールのチームスポーツを取り入れて新しいやり方を確立するのかを選んでいかなければならない。
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