8月16日付GLOBALi「中国IT大手アリババグループの共同創業者；中国共産党に迎合したトップは安泰で逆らったもう一人は自宅軟禁」の中で、ジョー・ツァイ副会長（57歳、蔡崇信）が今春、ニューヨーク・マンハッタンのセントラルパークサウス（東59丁目）に建つ2つの高級マンションを1億5,700万ドル（約172億7千万円）で買収したと報じた。そしてこの程、至近距離にある東56・57丁目に建つ超高層マンションのワンフロアが1億3,500万ドル（約148億5千万円）で売りに出された。相場の5～7割増しとなっているのは、日本の芸術家杉本博司氏（73歳、注１後記）デザイン監修でリノベーションが施され、また、京都から取り寄せられた樹齢千年の木や風雪に曝された石から作られた家具等が設置されているからである。

9月13日付『ザ・リアル・ディール』（2003年創刊の不動産情報刊行物）：「芸術家杉本氏デザイン監修のNYパーク街高層マンションのワンフロアが売りに」

NYマンハッタン区パーク街432号（注２後記）の高層マンションの79階（5室の居室）が9月13日、1億3,500万ドルで売りに出された。

オーナーは米国人夫妻（氏名非公開）で、今年1月にドイツ系不動産会社エンゲル＆ボルカーズ社メルセデス・バークチーム（NY市管轄）を販売代理店に起用し、主任担当者のノエル・バーク氏が非公開で買主を探していたが不調に終わったことから、この程、公に売り出したものである。...

9月13日付『ザ・リアル・ディール』（2003年創刊の不動産情報刊行物）：「芸術家杉本氏デザイン監修のNYパーク街高層マンションのワンフロアが売りに」

NYマンハッタン区パーク街432号（注２後記）の高層マンションの79階（5室の居室）が9月13日、1億3,500万ドルで売りに出された。

オーナーは米国人夫妻（氏名非公開）で、今年1月にドイツ系不動産会社エンゲル＆ボルカーズ社メルセデス・バークチーム（NY市管轄）を販売代理店に起用し、主任担当者のノエル・バーク氏が非公開で買主を探していたが不調に終わったことから、この程、公に売り出したものである。

バーク氏は、ワンフロアまとめての販売は特徴的であるが、新型コロナウィルス（COVID-19）感染問題の影響で海外渡航が困難となり顧客に直接マーケティングすることができなかったと説明している。

元々オーナーは当該フロアを2016年に5,900万ドル（約64億9千万円）で購入したが、その後、3年の間に数百万ドル（数億円）をかけてリノベーションを行っている。

例えば、著名な日本の芸術家の杉本博司氏にデザイン監修を依頼して、樹齢千年の木や風雪に曝された石を用いた家具等を京都から取り寄せて設置している。

バーク氏は、“美術品オークションに出品されるような逸品が居室内に置かれていることは、特別な価値がある”とし、“できるだけ多くの人達にその価値を知ってもらいたい”とコメントしている。

高級邸宅・マンション専門のマンション・グローバル社もこの程、当該物件を売り出し一覧に掲載した。

この3ヵ月前、サウジアラビアの不動産王ファワズ・アルホカィアー氏（66歳）が所有する、同じ高層マンション96階のペントハウス（最上階の邸宅）を1億7千万ドル（約185億9千万円）で売りに出している。

ただ、昨年8月に9千万ドル（約99億円）で売りに出された当該高層マンション82階のワンフロア物件は、今年初めに『ニューヨーク・タイムズ』紙が同マンションのデザイン・建築に欠陥があると報道したことから、4月には7,900万ドル（約86億9千万円）まで値を下げてしまっている。

なお、マンハッタンの不動産ニュースサイト『ストリートイージー』によると、同高層マンションの間口の狭い物件もあって、525万ドル（約5億7,800万円）から2,300万ドル（約25億3千万円）で売りに出されている。

（注１）杉本博司：東京都台東区出身の写真家・建築士で古美術商でもある。東京及びニューヨークを活動の拠点としている。作品は厳密なコンセプトと哲学に基づき作られている。8×10の大判カメラを使い、照明や構図や現像といった写真の制作過程における技術的側面も評価されている。 1976年に「ジオラマ」シリーズを制作して以降、「海景」「劇場」「ポートレート」「蝋人形/恐怖の館」「陰翳礼讃」「建築」など、今日まで制作が続くシリーズを発表し続けており、一貫して個人の存在を超えた時間の積み重なりや流れをとらえるためのコンセプトや方法を模索している。

（注２）パーク街432号：NYで著名だったドレイクホテル（1926～2006年）の跡地に建設された、高さ426メートル、96階建ての超高層ビル（ホテル及びマンション）で2015年春開業。セントラルパーク・NY摩天楼から大西洋まで一望できる景観を誇る。同ビル内の3万フィート（2,787平方メートル）の共同スペースには、居住者専用のラウンジ・プライベートレストラン・室内プール・フィットネスクラブ等の設備がある。