英国:政府機関は、人工知能(AI)を行政業務に広く活用する(2023/10/26)
『フランス国際ラジオ局(RFI)』は10月25日付けで、英国では多くの官庁業務をAIに委ねていることを報じた。少なくとも8省庁で行政的な決定に関して、AIによるアルゴリズムを利用しているという。例えば、給与の割り当てや警察業務など、疑問を挟む余地のない分野にAIが広く活用されている。
英国の日刊紙、
『ガーデイアン紙』の調査によると、8省庁で管轄業務の一部をAIに委ねているという。多くのケースでは実質的な業務で、AIに委ねることに問題のない、空港におけるパスポートの自動確認業務や挙げられる。
しかし、AIはさらにもっと重要な決断を要する業務にも活用されている。
労働省では、給付金に対する過剰な請求を排除するためにAIが使用されている。警察では、監視カメラに映った容疑者の顔認識によるデータ化にAIが利用されている。...
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英国の日刊紙、
『ガーデイアン紙』の調査によると、8省庁で管轄業務の一部をAIに委ねているという。多くのケースでは実質的な業務で、AIに委ねることに問題のない、空港におけるパスポートの自動確認業務や挙げられる。
しかし、AIはさらにもっと重要な決断を要する業務にも活用されている。
労働省では、給付金に対する過剰な請求を排除するためにAIが使用されている。警察では、監視カメラに映った容疑者の顔認識によるデータ化にAIが利用されている。内務省では結婚申請を承認するための審査をAIで行い、偽装結婚を未然に防いでいる。
AIを利用した活用のうち、ある種のものは手が込んでおり省庁の職員にもすべては理解されていないという。その意味で、『ガーデイアン紙』は、AI活用に歯止めがかからないことを警告している。
独立系の法学者団体によると、英国は官庁業務へのAIシステムによって国家的なスキャンダルに巻き込まれかねない、と警鐘を鳴らしている。なぜなら、AIシステムが社会的差別を増長する傾向があるという。AIシステムは、前もって‘人為的’に選ばれた多量のデータから学習を行う。このAIによる学習過程での結果、社会に存在している社会的差別が増長される可能性があるという。
福祉手当を例に挙げれば、国会議員の指摘によると、自分の選挙区の10人以上の住民が福祉手当を受給されない事態が発生したという。これらの住民の共通点は、ブルガリアからの移民であったという。
英国のリシ・スナク首相は、医療診断の正確さや迅速さなどの長所を挙げて、AIシステムの活用を奨励しているが、専門家によるとリスクが皆無ではないという。来週、スナク首相が主催する‘AIとセキュリティ’と題する国際会議が、ロンドン北部で開催される。
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ロシア:セロ奏者セルゲイ・ロルドージンがプーチン資産の金庫番を務める(2023/04/02)
3月31日付け
『フランス24 TVチャンネル』は、スイスの裁判所が3月30日木曜日、4人のロシア人銀行員を検証無しで、セロ奏者に数千万ユーロの現金を口座に預金させた容疑で有罪判決したことを伝えている。一介の著名なセロ奏者が扱う預金金額としては、あまりにも巨額であった。
なお、このセロ奏者は、以前からプーチン大統領と親しい間柄にあるとして、当局からは大統領の資産の金庫番ではないかと疑われていた経緯がある。
陪審員の評決は、ありふれたものであった。3月30日のチューリッヒの裁判所の一審では、4人のロシア人銀行員が、ロシアのセロ奏者が2014年と2016年に2つの口座に預金する際に、資金元に関して充分な検証を行わなかった罪状に関して立件した。
4人のロシア人銀行員に対して、裁判で宣告された罪状は比較的軽く、投獄は免れ、今後2年間に罪を犯さなければ、罰金を払う義務のみが科される。...
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なお、このセロ奏者は、以前からプーチン大統領と親しい間柄にあるとして、当局からは大統領の資産の金庫番ではないかと疑われていた経緯がある。
陪審員の評決は、ありふれたものであった。3月30日のチューリッヒの裁判所の一審では、4人のロシア人銀行員が、ロシアのセロ奏者が2014年と2016年に2つの口座に預金する際に、資金元に関して充分な検証を行わなかった罪状に関して立件した。
4人のロシア人銀行員に対して、裁判で宣告された罪状は比較的軽く、投獄は免れ、今後2年間に罪を犯さなければ、罰金を払う義務のみが科される。
しかし、『南ドイツ新聞』が論説しているように、今回の裁判での評決は、スイスの銀行にとって痛いところを突かれている。すなわち、スイスは国として、ロシアの富裕層の資金元が不明な金を預金できる評判に値しないのかが問われていることになる。
さらには、プーチン大統領の資産額 (これに関しては不明となっている。) に関する憶測がこの裁判を契機に行われている。
セルゲイ・ロルドージンは4500万ユーロ(=約63億円)をスイスの2つの口座に何食わぬ顔で預けたという。彼は、プーチン大統領直属のセロ奏者と言われており、英国の『ガーデイアン紙』によれば、プーチン氏の最も親しい友人と言われている。なお、2人の交友関係は、40年前の兵役を務めていた時期に遡るという。
なお、2016年にパナマで弁護士事務所が、脱税した資産家をリストアップした‘パナマ・ファイル’の事件が発覚して以来、セルゲイ・ロルドージンは、プーチン大統領の資産隠しの作業に専念するようになったという。
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