更新を終了しています
日米豪印・菅首相「クアッド」首脳会合出席へ(9月21日)
菅総理大臣は今週米国・ワシントンを訪れ「クアッド」と呼ばれる米国、オーストラリア、インドとの4か国の首脳会合に出席する。
会合では、新型コロナウイルス対策や気候変動問題で連携を確認し、共同文書を取りまとめる見通しである。
また、米国とオーストラリアがイギリスとともに設けた新たな安全保障の枠組み「AUKUS」の設立の経緯や今後の方針について情報を共有するほか、イスラム主義勢力タリバンが再び権力を握ったアフガニスタンをめぐって対応を協議するものとみられる。
オーカス創設と原潜技術移転から見るバイデン米大統領の戦略(9月20日)
バイデン大統領が15日、米英豪によるインド太平洋地域の安定に向けた新たな枠組み「AUKUS(オーカス)」を創設すると発表した。
米国は、安全保障色が強い「AUKUS(オーカス)」と、安全保障色が薄い、日米豪印による「クアッド」を両輪にして、中国包囲網を強化していきたい考えである。
「AUKUS(オーカス)」創設発表と同時に、米国は豪州の原子力潜水艦導入をサポートすることを決め、豪州は8隻の原子力潜水艦を建造することになった。...
全部読む
バイデン大統領が15日、米英豪によるインド太平洋地域の安定に向けた新たな枠組み「AUKUS(オーカス)」を創設すると発表した。
米国は、安全保障色が強い「AUKUS(オーカス)」と、安全保障色が薄い、日米豪印による「クアッド」を両輪にして、中国包囲網を強化していきたい考えである。
「AUKUS(オーカス)」創設発表と同時に、米国は豪州の原子力潜水艦導入をサポートすることを決め、豪州は8隻の原子力潜水艦を建造することになった。
米国の原子力潜水艦技術は厳しく管理されており、第三国に技術を移転することには非常に慎重である。それにも関わらず移転を行う背景には、豪州がファイブアイズのメンバーであるということだけでなく、米英に比べ、南シナ海に距離的に近い豪州を偵察活動に使いたいという思惑がある。
これに伴い豪州・モリソン首相は2016年にフランスとの間で結ばれていた原潜12隻の製造契約を破棄するという決定を下した。
この決定に日本円にして4兆円規模の収入を失うことになったフランスは猛反発している。マクロン大統領は数日中にもバイデン米大統領とこの件に関して電話協議するとしているという。既にフランスの新聞各紙は、米英の大使召還を超える報復措置についても言及し始めており、NATOの結束にも影響を与える可能性もある。
対中包囲網で欧米が結束すべき時に、逆に欧米内部で分断を招いているのは危惧すべきことである。引き金になっているのはバイデン政権の外交手法である。8月末に行われたアフガン撤兵でも米国はタイミングを見誤った。その上民間人を誤爆するなど、外交的に失敗続きである。その焦りからか、新たな枠組みを作ることで成果を出したいバイデン政権が、今度は原潜問題で本来不必要な内部対立を作り出してしまった。
米国が外交で失態を重ねていることは、同盟国・日本にとっては他人事ではない。9月24日に菅総理を交えて行われる「クアッド」で、どのような動きが出てくるのかに注目していきたい。
閉じる
日米豪印4か国・先端技術で連携強化を確認(7月14日)
クアッドと言われる日本と米国、オーストラリア、インドの4か国は、AIや5Gなどに関する国際会議で、先端技術の分野で影響力を増す中国を念頭に、連携を強化していく必要性を確認した。
「AIに関する安全保障委員会」がワシントンで開かれた。エリックランダー大統領科学顧問兼科学技術政策局長は「AIは変革をもたらす技術であり、科学や経済、人類への大きな期待を秘めている」、井上科学技術相は「米豪印を初めとした同志国とともに科学技術協力の強化を通じて自由で開かれたインド太平洋を実現していきたい」と述べた。
米国ホワイトハウス高官“日米豪印首脳会合・秋に開催目指す”(6月9日)
米国のバイデン政権が中国と対抗していくうえで重視する日本と米国、オーストラリア、インドの4か国による枠組み「クアッド」について、ホワイトハウスのNSC(国家安全保障会議)でアジア政策を統括するキャンベルインド太平洋調整官は、対面では初めての首脳会合をことし秋にワシントンで開催することを目指す考えを示した。
そのうえで、首脳会合では新型コロナウイルスのワクチンの供給態勢やインフラ整備での連携の強化などを議論したい考えを示した。
インドとの関係を強化する日本(4月10日)
菅総理は米国訪問後、4月下旬に新型コロナウイルスの感染状況を見極めた上でインドを訪れ、モディ首相と会談する予定となっている。
クアッドの中でも存在感が大きいインドであるが、近い将来、人口でも経済でも中国を脅かす可能性があると言われている。2028年にGDPで日本を抜き、世界第3位になるとみられている。中国の人件費の高騰や、中国と競い合う風潮もあり、多くの外国籍企業が中国ではなくインドを製造拠点として考えるようになってきている。...
全部読む
菅総理は米国訪問後、4月下旬に新型コロナウイルスの感染状況を見極めた上でインドを訪れ、モディ首相と会談する予定となっている。
クアッドの中でも存在感が大きいインドであるが、近い将来、人口でも経済でも中国を脅かす可能性があると言われている。2028年にGDPで日本を抜き、世界第3位になるとみられている。中国の人件費の高騰や、中国と競い合う風潮もあり、多くの外国籍企業が中国ではなくインドを製造拠点として考えるようになってきている。
インドには日本企業が持つ高い技術力が欠けている一方で多くの若い優秀な人材がいるなど、日本との嚙み合わせもよい。
ただ、インドは付き合いが難しい国であることも確かである。その理由がこれまでインドが掲げてきた非同盟主義の存在である。
非同盟とはいずれの陣営にも加わらない外交姿勢を取ることで、第2次世界大戦後の冷戦の中で、インドのネルー首相が「我々は東西いずれの陣営にも加わらない」と主張したことに端を発したものである。
50年代の国際政治に大きな影響を与えたが、非同盟主義を主導した指導者の多くが1970年代までに亡くなり、またネルー首相自身も非同盟主義を毀損する動きをとったことも影響し、かつてのような勢いは失っている。
当のインド自身も変わってきており、フランスに海軍基地を提供する協定を結んだり、日本が主導するクアッドにも参加したり、ゴリゴリの非同盟主義ではなくなってきている。
クアッドを契機に日本は今後、インドをより深く研究し連携を強化していくことが急がれる。
閉じる
「クアッド・日米豪印」内の検索