新たなPCR検査体制(5月16日)
安倍首相は「6月には1日あたり2万~3万人分の(抗原)検査キットを供給できる見込みだ。PCR検査と組み合わせながら検査体制を強化していく」と述べたが、この同じタイミングで厚生労働省は、PCR検査だけで1日2万件を超える検査体制が整ったと発表した。
抗原検査キットは精度に難があると言われている。陽性は100%の精度で割り出すことができる一方、陰性については偽陰性が出るマイナス面が存在する。...
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安倍首相は「6月には1日あたり2万~3万人分の(抗原)検査キットを供給できる見込みだ。PCR検査と組み合わせながら検査体制を強化していく」と述べたが、この同じタイミングで厚生労働省は、PCR検査だけで1日2万件を超える検査体制が整ったと発表した。
抗原検査キットは精度に難があると言われている。陽性は100%の精度で割り出すことができる一方、陰性については偽陰性が出るマイナス面が存在する。この欠点を政府は陰性者をPCR検査にかけることによって補おうという思惑があるようだ。
両者がそれぞれ補い合うことによって逆にPCR検査のマイナス面(検査に6~7時間ともかかる上に医療関係者の感染リスクがある)もカバーでき、早く広く陽性者を割り出し隔離・治療につなげることが可能となり、PCR検査の人的・時間的負担を減らすことにも寄与できる。
このPCR検査については感染のリスクの少ない「唾液」を使ったPCR検査に変えていく動きが出てきている。実は新型コロナウイルスは唾液に多く潜んでいるということが判明しており、鼻の奥から検体を採取するより簡単で効率がよく、医療関係者の感染リスクを減らし患者にも負担をかけない方法と言われている。現在、国立感染症研究所で精度を確認中で、この検査の実用化が待たれるところである。
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新型コロナウイルス・出口戦略は(5月14日)
血しょう抗体療法は健康な人に行えばワクチンのように感染を予防することが確認され、臨床試験も始まっている。安全性についてはさまざまなリスクがあり、あくまでも緊急的な措置としての活用にとどまっている。
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議副座長・尾身茂(長年にわたりWHOで感染症対策に携わる)は「第2、第3の波がくることは覚悟しておいた方がよい。5月の末から6月にかけてそれでも少し、希望の光が見えつつあると思う。...
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血しょう抗体療法は健康な人に行えばワクチンのように感染を予防することが確認され、臨床試験も始まっている。安全性についてはさまざまなリスクがあり、あくまでも緊急的な措置としての活用にとどまっている。
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議副座長・尾身茂(長年にわたりWHOで感染症対策に携わる)は「第2、第3の波がくることは覚悟しておいた方がよい。5月の末から6月にかけてそれでも少し、希望の光が見えつつあると思う。この2か月、3か月で日本人は多くのことを学んだと思う。どういうところどういう場所が感染のリスクが高いのかということや迅速な抗原の診断キットがうまくいく可能性が出てきた。期待できる薬がこの臨床試験の結果がそろそろ出る。大きなオーバーシュートにならないでこのコロナとともに生きていくことができればと思う」と述べた。
ニッセイ基礎研究所チーフエコノミスト・矢嶋康次(新型コロナウイルスが経済に与える影響を分析)「感染防止と経済活動がトレードオフの関係だったと思うが、同じ方向をできるだけ向けるようにすることが非常に重要。第2波が出たとき休業と補償の問題だと思う。第2波に備えて政治的には動いていただかないといけないと思う」と述べた。
WHOシニアアドバイザー・進藤奈邦子(医師。感染症危機に携わる)「この病気はトップダウンだけではだめ。ボトムアップをしっかりやっていただきたいと思う。1人1人が責任を持って行動し、それを支えるコミュニティーが存在する」とコメントした。
東京大学教授・牧原出(政治学、行政学が専門)「国民の間に自粛疲れとか不満とかが相当たまっているのは事実。これに対して政治がもう少し信頼を取り戻す必要があって、そういう不満や非難を政治が受け止める、透明な中で意思決定をしていくということ」だと述べた。
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注目される「抗原検査」と「PCR検査」(5月13日)
(注目される抗原検査)
東京・「富士レビオ」が開発した「抗原検査」が13日にも薬事承認され、保険適用となる見込みである。「抗原検査」は鼻の奥の粘液を綿棒などで採取し、ウイルス特有のたんぱく質(抗原)に反応する物質を利用し、患者の検体に含まれるウイルスを発見する方法で、インフルエンザの検査にも既に導入されている。デメリットとしてウイルス量の少ない患者が陰性とされる可能性などがあり、DNAを使う「PCR検査」と比較した場合、かなり精度が落ちる。...
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(注目される抗原検査)
東京・「富士レビオ」が開発した「抗原検査」が13日にも薬事承認され、保険適用となる見込みである。「抗原検査」は鼻の奥の粘液を綿棒などで採取し、ウイルス特有のたんぱく質(抗原)に反応する物質を利用し、患者の検体に含まれるウイルスを発見する方法で、インフルエンザの検査にも既に導入されている。デメリットとしてウイルス量の少ない患者が陰性とされる可能性などがあり、DNAを使う「PCR検査」と比較した場合、かなり精度が落ちる。一方で「PCR検査」による検査は結果を得るまで装置のある地方衛生研究所などに送るなどし、数時間から数週間かかるのに対し、「抗原検査」は短時間での判定が可能であり、その場(病院)で調べることができるというのが大きなメリットである。「PCR検査」と組み合わせで使用すれば、大きな効果が期待でき、救急医療や手術前など、隠れ陽性患者による院内感染を防ぎたい医療現場とっては希望の光である。
(「PCR検査」の問題点)
一方「PCR検査」の問題点を見てみる。「PCR検査」には、時間がかかること以外にもいくつかの難点がある。例えば検体採取者・検査技師の人員不足の他、マスクやゴーグル、防護服などの感染防護具の不足、検査に使うRNA試薬や綿棒なども大幅に不足している。検体採取者は感染を恐れているためなり手が見つからないという。さらにPCR機械自体が不足しているということもある。大規模に検査を行うためにはPCR機械の大幅な導入が不可欠だが、現在はコロナ渦で部品を海外から取り寄せることが難しい状況にあることがネックとなっている。
(注目される「唾液によるPCR検査」)
今、検体採取者・検査技師の人員不足や感染防護具の不足を補えるのではないかと期待されているのが「唾液によるPCR検査」である。唾液中には多くのウイルスが含まれており、ここから採取することで検査がよりスピーディーに行えると共に検体採取者・検査技師の感染のリスクも減らすことができ、採取される側の負担も大幅に減らすことができる。米国や香港ではすでに「唾液によるPCR検査」が開始されているという。同キットはカナダのDNAジェノテック社の製品で日本では協同インターナショナルが研究用試薬として販売しているが、導入することができれば、抗原検査と組み合わせて大きな力を発揮することが期待できそうである。
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「抗原検査」承認される・検査件数増加に期待も(5月13日)
新型コロナウイルスの感染を短い時間で調べることができる「抗原検査」が厚生労働省から承認された。検査件数の増加につながると期待されている。「抗原検査」は、新型コロナウイルスに感染しているかを調べる簡易検査キッドである。
インフルエンザの検査のように鼻の奥を拭った検体を含む液をキットに垂らして線が浮かび上がるかを確認する。
現在行われているPCR検査と違い特別な技術は必要なく、30分ほどで結果が得られる。...
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新型コロナウイルスの感染を短い時間で調べることができる「抗原検査」が厚生労働省から承認された。検査件数の増加につながると期待されている。「抗原検査」は、新型コロナウイルスに感染しているかを調べる簡易検査キッドである。
インフルエンザの検査のように鼻の奥を拭った検体を含む液をキットに垂らして線が浮かび上がるかを確認する。
現在行われているPCR検査と違い特別な技術は必要なく、30分ほどで結果が得られる。厚生労働省は「抗原検査」の検査キットを今日付けで承認した。インフルエンザの検査のように一般の診療所で広く受けられるわけではない。
当面は、東京、神奈川、大阪、北海道など感染の多い地域の「帰国者・接触者外来」などを中心に使用される見通しである。
検査件数の増加につながると期待されているが、PCR検査に比べて精度が低く感染している人でも陽性にならない場合もあるため「抗原検査」で陰性だった人には、再度PCR検査を行う方針だった。
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PCR検査・だ液認める方針・抗原検査・あす承認へ(5月12日)
新型コロナウイルスの国内初の治療薬、レムデシビルについて、加藤厚生労働大臣は、きのうから医療機関への配送を始めたことを明らかにし、投与が必要な患者の情報を調査し、適切に供給していく考えを示した。
厚生労働省は、レムデシビルについて、米国で緊急的な使用が認められたことを受けて、審査を大幅に簡略化する特例承認の制度を適用し、先週、申請から3日という異例の早さで、国内で初めての治療薬として承認した。...
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新型コロナウイルスの国内初の治療薬、レムデシビルについて、加藤厚生労働大臣は、きのうから医療機関への配送を始めたことを明らかにし、投与が必要な患者の情報を調査し、適切に供給していく考えを示した。
厚生労働省は、レムデシビルについて、米国で緊急的な使用が認められたことを受けて、審査を大幅に簡略化する特例承認の制度を適用し、先週、申請から3日という異例の早さで、国内で初めての治療薬として承認した。
記者会見で加藤厚生労働大臣は、開発した米国の製薬会社からの供給を受けて、きのうから医療機関への配送を始めたことを明らかにした。
厚生労働省は、重症患者に限定して投与する方針を示している。一方、感染の有無を判断するPCR検査について、厚生労働はだ液を検体として採取する方法を追加で認める方針である。
そして厚生労働省は抗原検査をあす承認することとなった。
インフルエンザのように鼻の奥を拭った検体を含む液をキットに垂らして、線が浮かび上がるかを確認するもので、特別な技術は必要なく、30分ほどで結果が得られる。
厚生労働省は、検査キットの承認後、保険適用のうえ、速やかに実用化する方針で、当面は感染者が多い地域の専門外来などを中心に使われる見通しである。
ただ、PCR検査に比べて精度が低く、感染していても陽性とならない場合もあるということで、厚生労働省は、検査の方法や対象者などについて、ガイドラインを示すことにしている。
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