3/11 「東日本大震災から7年・次の大震災に教訓をどう生かすか」
関西大学と九州大学の共同研究グループとともに、復興にかかる費用に注目し、M9クラスの南海トラフ巨大地震が発生し、広範囲に津波が到達。238棟余の建物に被害が出たとの想定で試算を行った。大規模なかさ上げなど東日本大震災と同じ手法で町を再建した場合、災害発生から5年で必要になる費用は162兆円に及ぶ。国の年間の一般会計予算をはるかに超える金額だ。震災直後、国土交通省で被災地の街の再建に関わった日本災害復興学会理事・佐々木晶二は災害からの復興には新しい発想が必要だと主張する。...
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関西大学と九州大学の共同研究グループとともに、復興にかかる費用に注目し、M9クラスの南海トラフ巨大地震が発生し、広範囲に津波が到達。238棟余の建物に被害が出たとの想定で試算を行った。大規模なかさ上げなど東日本大震災と同じ手法で町を再建した場合、災害発生から5年で必要になる費用は162兆円に及ぶ。国の年間の一般会計予算をはるかに超える金額だ。震災直後、国土交通省で被災地の街の再建に関わった日本災害復興学会理事・佐々木晶二は災害からの復興には新しい発想が必要だと主張する。佐々木は「人口減少が厳しいところでは、大槌で起きたような問題が、よりシビアに出てくる可能性がある。5年6年かかって安全な土地を造るパターンしか復興の仕方がないというのが、今の東日本の復興のやり方。それ以外のバリエーションがあったほうが、被災者の気持ちに合う可能性がある」と力説した。
日本災害復興学会理事の佐々木晶二が提唱する選択肢の1つが、段階的な復興だ。まず住宅や店を再建する意向が強い所有者の土地だけ、かさ上げを実施し、その後は住民の意向に合わせ規模を広げていくのだ。だが、現在これを実現する制度はない。佐々木は「人口減少社会にふさわしい、よりコンパクトで被災者も生活しやすい、仕事や産業活動もしやすい町に、どう上手にまちづくり計画を誘導していくのか。それ自体が復興に含まれた意味であると、考え直さないといけない時代になってきている」と話した。
番組が次に着目したのは、自力では自宅を再建できない高齢者や、所得が低い人たちのために自治体が整備した「災害公営住宅」だ。3県で2万7000戸余が完成。これは既に計画の94%に達していて、仮設住宅などから4万6000人余が移り住んだ。復興期間10年のうち政府はこの段階を「復興の新たな段階」と位置付けている。仮設住宅を出た時点で避難生活という解釈がされなくなり、入居者はこれまで支払う必要がなかった家賃などを自ら負担していくことになる。「災害公営住宅」に移り住んだ被災者に求められるのは「自立」だ。
番組が行ったアンケートから、「災害公営住宅」に住むことで高齢者だけでなく、働き盛りの世代も追い詰められていると感じている実態が浮かび上がってきた。59歳以下で「生活に不安を感じる」と答えた人が83%。「家計が苦しい」と感じている人が85%にのぼった。宮城県気仙沼市の災害公営住宅で暮らす藤原武寛(52歳)震災後には復興工事を請け負う会社の正社員となって、年収は400万円ほどあった。だが復興需要が陰りを見せる中で、勤めていた会社が撤退。退職せざるを得なかった。その後、正社員の仕事が得られず、いまは段ボールの製造工場でアルバイトをしている。年収は140万円ほどしかなく、娘を県外の大学に通わせながら、ぎりぎりの生活を続けている。藤原は「経済的な不安が大きく、私がこけたら子どもはどうなるのかという思いがある。災害公営住宅に入ってみると、仕事で収入減になっても家賃は上がっていく。目標が定まらず夢もなくなってしまった」と話した。阪神淡路大震災の際に災害公営住宅で支援にあたってきた、NPO法人代表・牧秀一は「できることならば、各々の被災者が軌道に乗るまで行政が支援するということが必要なのではないか」と述べた。
理想と現実のズレが出始めている復興政策。番組は吉野正芳復興大臣の考えを聞いてみた。吉野大臣は「私にとって、震災前のレベルに戻すことは復旧で、それはいわばゼロレベルのものだ。私はむしろ震災前より経済的にも心の満足面でもプラスの世界を作っていきたいと考えている。復興庁は、支援を求めている方がいれば、支援をする役所だが、支援を求める人がいなくなる世界を作っていくのもまた、大きな目標だ」と話した。
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3/4 「河川津波・震災7年・知られざる脅威」
東日本大震災で川を逆流し、溢れた津波が内陸奥深くまでさかのぼり、大きな被害をもたらしていたことがわかってきた。さらに分析を進めると、全国各地に潜む“河川津波”のリスクが明らかになってきた。
河川の専門家は「海の津波とは違った危険性を川の津波は持っている。どこから津波が来るかわからないし、逃げる手段も逃げる時間もなくなってしまう。これが都市部での河川津波の怖さだ」と分析した。
河川津波が都市部で起きた場合にはコンクリートの建物の間や道路を津波が縦横無尽に流れて、激流となって住民を襲うことが懸念されている。...
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東日本大震災で川を逆流し、溢れた津波が内陸奥深くまでさかのぼり、大きな被害をもたらしていたことがわかってきた。さらに分析を進めると、全国各地に潜む“河川津波”のリスクが明らかになってきた。
河川の専門家は「海の津波とは違った危険性を川の津波は持っている。どこから津波が来るかわからないし、逃げる手段も逃げる時間もなくなってしまう。これが都市部での河川津波の怖さだ」と分析した。
河川津波が都市部で起きた場合にはコンクリートの建物の間や道路を津波が縦横無尽に流れて、激流となって住民を襲うことが懸念されている。
東日本大震災で、北上川は河口から49km上流まで津波が遡上し、その被害は河口から12km付近まで及んだ。宮城県石巻市北上総合支所では54人、石巻市立大川小学校では84人など、流域の犠牲者は600人を超えた。河川敷で草刈りをしていた高橋和也は、地震が起きると河口から3km離れた堤防に避難したが、この時、高橋は河川津波を目撃し、すぐ近くの高台に車で移動した。その後、津波は堤防をすぐに越えた。高橋は「走って逃げられるスピードじゃなかったですね。震えました」と当時の状況をふり返る。
番組では北上川の河川津波を、東北大学大学院工学研究科・田中仁教授と解析し、再現してみた。津波が河口に到達したのは、地震発生から約40分後で、押し寄せた大量の水が河口に集中し、流れ込んだ。その量は1秒間に13万立方メートル(北上川の平均的な量の600倍)。陸地を進む津波の1.5倍の速度である時速は40kmで遡上した。
被災した間垣地区は川が湾曲した外側に位置していた。このエリアの被災状況を解析した結果、水が速い速度で湾曲部に流れ込むと、遠心力で外側の水位が上がり、大量の水があふれるということがわかってきた。シミュレーションでは、対岸に比べ水位が約2m高くなっていた。津波が到達してから約10分で、地区には東京ドーム2杯分に相当する230万平方メートルの水が流れ込んだことになる。田中仁教授は「堤防は水が越えることに対して弱い構造物になっている。堤防が破壊されると、津波の水がすごい勢いで集落に流れこんでくる」と説明した。
都市部の河川津波は予想もしない姿で人々を襲うことになる。宮城県多賀城市のほとんどは震災前、津波による浸水が想定されていなかった。市の中心部を流れる砂押川は、幅約50mの小さな川で、住宅街のすぐそばを流れている。地震発生直後、住民の多くは海から離れた避難所に向かうため、川を渡ろうとしていたが、1時間10分後、砂押川から津波が町にあふれ出した。避難誘導にあたっていた消防団員たちは、慌てて歩道橋に住民らを避難させたが、川から溢れた水で歩道橋に近づけず、避難できなかった人もいた。川から津波があふれ出したのは、午後4時頃。やがて海からも津波が迫って来た。
多賀城市の河川津では特に砂押川流域の幹線道路で大きな被害が出た。一体何が起きていたのか。津波は建物に遮られると水位が上がる。建物の隙間に流れが集中し、一気に速度が上がるのだ。多賀城市のように頑丈な建物が並ぶ地区では、特に流れが速くなりやすく、最大で時速30kmを超えていた。津波は道路を水路のように伝い、市街地に侵入し、次々とコンクリートの建物にぶつかっては向きを変え、複雑な流れになっていった。
多賀城市の河川津波を解析した東北大学の今村文彦教授は「建物の密度が高い中、津波が非常に強くなるので、これは都市型激流と言える。逃げる手段、時間がない。これが都市部での河川津波の怖さ」と話した。多賀城市での死者は188人。このうち半数近くが、幹線道路沿いで犠牲になっていた。
地震国日本。我々には東日本大震災で起きた河川津波の経験をどう生かすべきかが問われている。日本列島を流れる河川は3万本余。南海トラフ巨大地震では、津波が各地の都市を襲うと考えられている。平野部に大規模な河川が集まる愛知県、海からの津波が川を伝って市街地に広がる高知県など、全国各地に同じような危険が潜んでいる。174の河川が流れている大阪府。大阪府危機管理室は、河川津波も考慮し被害想定を見直した。国が公表した想定では、浸水地域は海岸近くに限られていたが、大阪府は最悪の事態を想定し、浸水地域の面積を3倍以上に拡大した。
専門家が行った大阪府の河川津波のシミュレーションでは河口から2kmの場所では、2つの川から津波が遡上し、水位が上がり、商業施設が建ち並ぶ地域に流れ込む。勾配の緩い河川の場合、河口から12km地点にも津波が到達。堤防を越えれば低い土地の住宅街にも流れ込むという。府の想定では、最悪の場合、犠牲者は国の想定の10倍以上(13万人)になるとしている。大阪府は、川の堤防の耐震補強や水門の改修工事などを、急ピッチで進め、犠牲者を10分の1以下に抑えようとしている。2つの川に挟まれた佃地区では、地震のあと高い建物にいち早く逃げ込む「垂直避難」を目指している。避難ルートを考える際は、地域特性を考慮することが大切となるようだ。
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3/3 「マツコ×有働×AI・ニッポンの働き方に挑む!」
マツコと有働キャスターがAI「ひろし」を使って日本の働き方に切り込んだ。今回は2017年7月に続く第二弾となる。AIが導きだす突飛な提言にマツコと有働アナがどのようにリアクションするのかに注目が集まった。
一つ目のAIが導き出した提言は「お金にゆとりがなくても蛇口をこまめに閉めなければ仕事に満足できる!?」。ワークライフダイアグラムを作るためにAI「ひろし」が学習したのが、民間のシンクタンクが全国の20~69歳までを対象に行った膨大なアンケート結果から導きだされたデータだった。...
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マツコと有働キャスターがAI「ひろし」を使って日本の働き方に切り込んだ。今回は2017年7月に続く第二弾となる。AIが導きだす突飛な提言にマツコと有働アナがどのようにリアクションするのかに注目が集まった。
一つ目のAIが導き出した提言は「お金にゆとりがなくても蛇口をこまめに閉めなければ仕事に満足できる!?」。ワークライフダイアグラムを作るためにAI「ひろし」が学習したのが、民間のシンクタンクが全国の20~69歳までを対象に行った膨大なアンケート結果から導きだされたデータだった。
「結婚している」、「体を冷やさない」、「エコ家電を使う」、「1日に7時間以上働く」、「PTAに参加」、「暴飲暴食をしない」、「カロリーを意識」、「在宅勤務を希望」、「しっかりと寝る」、「マッコリが好き」で、仕事の満足率80.2%の人の中からこの提言を導き出した。
この提言にあてはまる「蛇口を閉めない人たち」には「ほとんどイライラしない」「寝つきが良い」「虫歯があっても治療しない」という共通の特徴があった。
「あたしはいろいろな人見てきたけど、歯のない人は幸せそうよ。歯を気にするっていうのは他者の視線を気にすることでもあるのよ。それっていろんなものを気にして生きているってことよ。歯のない人は他人からどう思われようが知ったこっちゃねーよみたいにして生きている方なわけよ。お強いオーラが出ているのよね。あなたも歯を抜いてみる?」と有働にむちゃぶりするマツコ。
「いやあ、それはちょっと…」とマツコの問いかけに当惑する有働だった。
NHK記者・大越健介はAI「ひろし」の提言について「お金とかではなく、精神的な自由があり、仕事なのかボランティアなのかわからないが、おじいさんのためにちょっとした小道具を作ってあげたりとか、それも自分の選択でやっている。お金と関係のないところで何かから解き放たれている感が強い人ほど仕事に充実しているのではないか」と独自の分析を披露した。いまひとつ「蛇口」の話はすっきりしないまま、この提言に関しての話は終了した。結局、この話は細かいことは気にせずに働くことが仕事の満足につながるという結論に落ち着いたようだ。
番組は一つ目の提言についてしっくりとしない感じが残ったものの次に進んだ。続いてのAIが導き出した提言は「仕事の効率を上げたいなら11時間54分以上働け!?」ということだった。マツコが「これは間違いなく炎上するわね」とリアクションしたが、これは一体どういうことなのか。
今回、ロボット開発会社の社員50人の仕事に2か月間密着し、没頭度を調査したデータをAIにインプットした。没頭している時というのは継続して素晴らしいパフォーマンスを仕事においては達成できる時間だといい、仕事においてはこの状況をいかに作り上げることができるかが重要になっている。
「この結果だと長く働けば、働くほど没頭度が高くなるということではないですか。そういう解釈でいいのでしょうか」と有働。
明治大学准教授・飯田泰之は「ある意味、日によって、その人の潜在能力も超えてエンジンがかかってしまう日があるが、そういう時は時間で仕事を区切ってしまうと効率が下がってしまうということがこの提言から言えるのではないか」と解釈した。
東京大学教授・坂田一郎は「創造的な仕事ではその人の気持ちの持ちようとかで仕事の成果がかなり変わってくる。毎日同じ調子でやれっていうのは無理で、一律で何時間しか働いてはいけないというのはこういう職種の人からすれば、逆にストレスになる場合もあるのではないか」と解釈した。
「夜型の人間が労働時間を短くしようと思ったら夕方出勤にして、夜中の2時ぐらいまでにしてくれれば、絶好調になると思うわ。あたしの場合むしろ2時ぐらいがピークなんで」とマツコ。
ここで、明治大学准教授・飯田泰之が「残業時間が月80時間を超えると過労死の可能性が高くなる。命にかかわる時間数は守るべきで、通勤時間もやや厳しめに考慮する必要がある」と提言した。
すると、マツコが「なんでみんな無理してあんな時間がかかる中央林間に住んで、亀戸に住まないのかが不思議よ」と思わずぼやくと、「住むところは別に自由でいいじゃないですか」と有働がマツコに反論。スタジオ爆笑。
これに対し、マツコは「勇気をもって亀戸に住んだ方が本当に楽だから、そうしなさいって話よ」と有働を諭した。
AIの分析結果から読み解いた最後の提言は仕事に対する満足度を高めるには「ストレスだらけの人は結婚・出産祝を贈れ!?」だった。
「これはあたし実践してるからすごいよくわかる。あんまりこの番組で出てくるAIの提言は実用性のないものばかりだけれども、これはものすごい参考になるわよね。だって、どんな人でもできるからね。自分のメンタルとか性格とかも関係ないしね」とマツコ。スタジオ爆笑。
命題と結論間の因果関係が明瞭にできないままにマツコと有働の個性的おしゃべりで「AI」の力というものが語られてしまいスッキリしない印象であった。
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2/19 「スピードスケート女子団体パシュート・五輪金メダルへ・究極の戦略」
ソチ五輪での歴史的大敗を喫したスピードスケート女子団体パシュート。メダル23個を獲得した絶対王者オランダに日本は12秒もの大差をつけられ屈辱を味わった。オランダで代表コーチを務めたヨハンデヴィットの教えの下、日本はナショナルチームを結成し、一から立て直しを図った。年間300日以上、過酷なトレーニングを積んできた。その結果、今シーズンW杯で3戦3勝。全てのレースで記録を更新し、オリンピック金メダルの最有力候補に躍り出た。...
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ソチ五輪での歴史的大敗を喫したスピードスケート女子団体パシュート。メダル23個を獲得した絶対王者オランダに日本は12秒もの大差をつけられ屈辱を味わった。オランダで代表コーチを務めたヨハンデヴィットの教えの下、日本はナショナルチームを結成し、一から立て直しを図った。年間300日以上、過酷なトレーニングを積んできた。その結果、今シーズンW杯で3戦3勝。全てのレースで記録を更新し、オリンピック金メダルの最有力候補に躍り出た。女子団体パシュート躍進の舞台裏を探る。
スピードスケート女子団体パシュートはスピードスケート唯一のチーム制。3人の選手が時速50kmの速度で、一列になって2400m(400m×6周)を疾走する。選手たちは隊列を組み、先頭を入れ替えながら滑る。なぜこんな滑り方をするのかといえば、競技中、選手を襲う強烈な風圧を先頭を入れ替えながら走ることで減らすことができるためだ。先頭の選手が大きな風圧を受ける一方で、後ろの選手は前の選手が壁となり風圧を抑えられ、空気抵抗が前を走る選手より20%以上少なくできる。
隊列を組む4人の1500mのベストタイムをオランダと比較してみると日本は高木美帆が世界歴代3位の1分51秒49、菊池彩花が1分54秒12、高木菜那が1分55秒25、佐藤綾乃が1分58秒25。オランダのレーンストラが1分52秒06、ビュストが1分52秒08、ファンピークが1分52秒95、デヨングが1分54秒51となっている。日本の武器は空気抵抗を極限まで抑える一糸乱れぬ隊列と高速の先頭交代。日本代表コーチ・ヨハンデヴィットはオランダに勝つという目標を達成するため高木美帆にさらに負荷をかける戦略に出た。
高木美帆のデビューは8年前のバンクーバー五輪。最年少、中学生で初出場した。銀メダルを獲得したパシュートのメンバーにも選ばれ、将来を嘱望された。だが、ソチ五輪の選考会で代表から外れた。当時を振り返って本人は「スケートに真剣に向き合う覚悟がなかった」と語った。ソチの屈辱から4年、飛躍的成長を遂げた高木。高木美帆を中心に考えられた新たな戦略の成功のカギを握るのが佐藤綾乃だが、スピードを上げられず隊列が詰まり、後ろの選手から背中を押されることもあった。この状況について佐藤は「先頭に出た時は全力でいくが、その後、疲れてしまい後ろにつけず隊列から離れてしまうという恐怖心があった」と語る。
2017年12月8日に行われたW杯ソルトレークシティー大会では高木美帆、高木菜那、佐藤綾乃の3人で挑み、2分50秒87と世界記録をさらに3秒縮めてみせた。日本代表コーチ・ヨハンデヴィットは「これで、どこの国よりも速く滑ることができると証明できた。平昌でも自分たちの力を出し切れば絶対に負けない」と選手にエールを送った。日本勢と平昌五輪で対決することになるオランダ代表コーチ・ヘルトカウパーは「オランダと日本の差はほとんどない。どちらが勝つか楽しみだ」と語った。
スピードスケート女子団体パシュート予選は2月19日、テレビ朝日で19時から、NHKBSでは20時20分からの放送になる。決勝は2月21日、日本テレビで19時55分から、NHKBSで20時00分から放送される。お楽しみに。
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2/12 「金メダルへの道・羽生結弦・連覇への苦闘」
ソチ五輪で金メダルを獲得して以来、4回転ジャンプを武器に世界最高得点を8回更新するなどフィギュアスケートの絶対王者として君臨してきた。だが、平昌五輪を前に右足首を負傷してしまった。羽生結弦は「悔しい思いはすごくあるが、今は一つ一つやっていくしかない」と現在の心境を話した。
自らが扉を開けたハイレベルな戦いの中で、若手が台頭し、羽生を脅かす存在になってきている。ネイサンチェンは「羽生選手はスケートの限界を押し上げ、モチベーションとインスピレーションをくれた。...
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ソチ五輪で金メダルを獲得して以来、4回転ジャンプを武器に世界最高得点を8回更新するなどフィギュアスケートの絶対王者として君臨してきた。だが、平昌五輪を前に右足首を負傷してしまった。羽生結弦は「悔しい思いはすごくあるが、今は一つ一つやっていくしかない」と現在の心境を話した。
自らが扉を開けたハイレベルな戦いの中で、若手が台頭し、羽生を脅かす存在になってきている。ネイサンチェンは「羽生選手はスケートの限界を押し上げ、モチベーションとインスピレーションをくれた。そのおかげで僕も成長できた」とした上で「五輪では金メダルを狙う」と話した。ネイサンチェンはフリーで史上最多の6本の4回転ジャンプを跳び、2017年の四大陸選手権では羽生選手に勝利した。この時、ネイサンチェンは羽生が飛んでいない4回転ジャンプを2種類成功させたが、出来栄え点で差をつけられた。そこで5種類飛ぶことで羽生を超えようとしている。また宇野も力をつけてきている。一方、羽生結弦は五輪で頂点に立つためのプログラムを明かした。
羽生の五輪で頂点に立つためのプログラムには合わせて7本の4回転ジャンプが組み込まれている。4回転ジャンプは踏み切り方の違いで5種類あり、中でも4回転ルッツは最も難しい。羽生は4回転ルッツをオリンピック連覇の切り札にしようとしている。このプログラムを成功させればこれまでにない点数が期待できる。去年10月、ロシア大会で羽生は4回転ルッツを試合で初めて成功させたが、優勝したのはネイサンチェンで羽生は2位に終わった。今回は4回転ルッツを目玉に絶対王者の意地を見せたい。羽生は「自分に限界はないと思っている。ずっと自分の限界というものを引き上げて、引き上げてこの構成をこなした上で自分の記録・記憶すらも超えたい」と勝利への意欲を見せた。
ネイサンチェンは「ユヅルが回復して最高の状態で頂点をめざし競い合いたい」と話し、宇野昌磨は「僕の中で一番の選手が羽生結弦。競い合うのが楽しみ」と話した。
台頭する若手、迎え撃つ絶対王者・羽生。熾烈な戦いが予想される。本番はもう目の前だ。
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