中国による治安維持方針・香港で数千人デモ・180人逮捕(5月25日)
抗議活動が続く香港の治安維持のため中国が直接法律の制定に乗り出す方針を打ち出したことを受けて、香港ではきのう数千人の市民がデモ行進を行い、少なくとも180人が逮捕される事態となった。
デモは中国が全人代(全国人民代表大会)で香港について治安維持のための法律を中国政府主導で制定するとともに中国の関係機関による取り締まりを認める方針を打ち出したことを受けて行われた。
地元メディアによると、数千人が参加したということである。...
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抗議活動が続く香港の治安維持のため中国が直接法律の制定に乗り出す方針を打ち出したことを受けて、香港ではきのう数千人の市民がデモ行進を行い、少なくとも180人が逮捕される事態となった。
デモは中国が全人代(全国人民代表大会)で香港について治安維持のための法律を中国政府主導で制定するとともに中国の関係機関による取り締まりを認める方針を打ち出したことを受けて行われた。
地元メディアによると、数千人が参加したということである。
警察は開始直後から催涙弾を発射するなど厳しい取り締まりに乗り出し、違法な集会に参加した疑いなどで少なくとも180人を逮捕したと発表した。
また、40代男性がデモ参加者に傘などで殴られて頭や背中にけがをしたということである。
中国の方針を巡っては米国が強く反対しているが、中国の王毅外相は「内政不干渉だ」と反発し、法整備を急ぐ姿勢を示した。
香港ではあさって審議が行われる中国の国歌を侮辱する行為を禁止する条例案に対し、抗議しようという呼びかけが行われていて、法律制定に抗議する動きが活発化するものと見られる。
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香港の治安法・米国など反対に中国反発(5月24日)
抗議活動が続く香港の治安維持のため、中国が直接法律の制定に乗り出す方針を打ち出したことを受けて、米国などが強く反対していることに対し、中国外務省の香港の出先機関は内政干渉をやめるべきだと反発した。
中国ではおととい開幕した全国人民代表大会で、香港について治安維持の法律を中国政府主導で制定すると共に、中国関係機関による取り締まりを認める方針を打ち出した。
米国政府が強く反対する声明を打ち出した他、英国、オーストラリアなどの外相も共同で声明を出し、深い懸念を表明した。...
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抗議活動が続く香港の治安維持のため、中国が直接法律の制定に乗り出す方針を打ち出したことを受けて、米国などが強く反対していることに対し、中国外務省の香港の出先機関は内政干渉をやめるべきだと反発した。
中国ではおととい開幕した全国人民代表大会で、香港について治安維持の法律を中国政府主導で制定すると共に、中国関係機関による取り締まりを認める方針を打ち出した。
米国政府が強く反対する声明を打ち出した他、英国、オーストラリアなどの外相も共同で声明を出し、深い懸念を表明した。
中国共産党・最高指導部のメンバーはきのう北京で香港代表団と会談した。“法律制定により国家分裂、外国勢力の干渉を防げる”との認識を示している。
一方、香港では民主派議員や団体などが強く批判している。
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なぜ「香港版国家安全法」なのか(5月23日)
5月22日午前、中国の全国人民代表大会で、全人代常務委の王晨副委員長は『全国人民代表大会が香港特別行政区で国家安全を擁護する法律制度と執行するメカニズムを制定することに関する決定(草案)』について説明を行った。
いわば香港版「国家安全法」が今なぜ中国の全人代で持ち出されたのか。
そもそも香港の「国家安全法(条例)」は、香港の憲法ともいうべき基本法の23条で香港政府に制定を求めているものであった。...
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5月22日午前、中国の全国人民代表大会で、全人代常務委の王晨副委員長は『全国人民代表大会が香港特別行政区で国家安全を擁護する法律制度と執行するメカニズムを制定することに関する決定(草案)』について説明を行った。
いわば香港版「国家安全法」が今なぜ中国の全人代で持ち出されたのか。
そもそも香港の「国家安全法(条例)」は、香港の憲法ともいうべき基本法の23条で香港政府に制定を求めているものであった。2002年に意見聴取をはじめた「国家安全法」の草案では「反逆」「政府転覆」「国家分裂」などが違法行為とされているが、表現は曖昧で、恣意的な解釈が下されるおそれがあり、人権が侵害される恐れもあった。このため条例案が提案されるや2003年7月には50万人規模のデモが発生し、香港政府は条例案を撤回せざるを得なくなったことがあった。
2019年に「逃亡犯条例」の改正案がでた際に、条例案に対する激しい反対運動が起こったのも、「逃亡犯条例」が安易に成立してしまったならば、次は「国家安全条例」の成立を香港政府が目論む、即ち当然のことながら中国政府がそれを強く要求してくるだろうことを、香港市民たちが恐れていたからであった。
北京としては「逃亡犯条例」にすらてこずっている香港政府が生ぬるい、いつまでたっても埒があかない、と思ったに違いない。さらには「統一」にノーと言い続ける台湾に対する苛立ちもあって、一層香港に強い圧力をかけているようである。
香港で「国家安全条例」が成立したならば、香港に対する北京の介入は容易になる。1997年に中国に返還された香港に対し、中国は「一国二制度」や「港人治港」を約束し、50年間は現状を変えないと約束したのであったが、50年たたずして、その約束は反故になりそうである。
人権がからめば米国をはじめとして、英国などもだまっていないだろう。国際社会のなかで、貿易やコロナウィルス問題など、多くの大きな問題を抱えている中国は、また自ら新たな火種を作り出そうとしている。
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感染拡大で延期・中国全人代・きょう開幕(5月22日)
中国で新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延期されていた全人代(全国人民代表大会)が、きょう北京で開幕する。
経済の立て直しに向けて、具体的にどのような経済対策を示すのかが焦点となっている。全人代に先立って北京ではきのう、国政の助言機関「政治協商会議」が開幕。冒頭、新型コロナウイルスに感染して亡くなった人たちに黙とうをささげた。
全人代初日のきょうは李克強首相が政府活動報告を行い、感染拡大の影響で落ち込んだ経済の立て直しに一層軸足を移す姿勢を強調するものとみられる。...
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中国で新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延期されていた全人代(全国人民代表大会)が、きょう北京で開幕する。
経済の立て直しに向けて、具体的にどのような経済対策を示すのかが焦点となっている。全人代に先立って北京ではきのう、国政の助言機関「政治協商会議」が開幕。冒頭、新型コロナウイルスに感染して亡くなった人たちに黙とうをささげた。
全人代初日のきょうは李克強首相が政府活動報告を行い、感染拡大の影響で落ち込んだ経済の立て直しに一層軸足を移す姿勢を強調するものとみられる。
また全人代の張業遂報道官は昨夜に記者会見し、抗議活動が続く香港の治安維持のための法整備について、今回の全人代で審議すると発表した。
張報道官は詳しい内容を明らかにしなかったが、香港市民の間では「中国政府が直接法律を制定すれば1国2制度が失われる」として警戒感が強まっている。
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混乱・香港民主派と親中派議員がもみ合い(5月9日)
香港の議会にあたる立法会で中国の国家を侮辱する行為に刑事罰を科す条例案をめぐって対立する民主派と親中派の議員が激しくもみ合いケガ人が出る事態となった。
今の立法会の会期は今年7月までの予定で条例を速やかに成立させるよう中国政府が圧力を強めている。
香港では新型コロナウイルスの影響で今年初め以降大規模な抗議活動は行われていなかったが新たな感染者が抑えられていることから再び抗議活動が呼びかけられるようになっている。
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