11月27日、その日は天気予報に反して、雨は降らず曇天の空模様だった。
支度を終えたのが、10時ごろになってしまった。すぐに江戸川を渡り土手を北上した。
頭にかぶったへルメットに入ってくる風で脳まで、痛くなるような感じだった。
少し前まで、あれほどいたクロスバイカーが数人しかすれ違わなかった。
今シーズンは、その日で終わりかも知れないと思った。それでも土手では、元気に野球に興じている少年や大人が沢山いた。
30分ほどで、水元公園に着き、その日は公園の外縁を走り、途中から湖畔に近づいた。
向かい側に見える、みさと公園の木々は、良い色に紅葉し、湖にその影を映していた。
水元大橋を渡り、紅葉に彩られた森林に入ると、寒さが増した。何か暖かい飲み物が欲しくなり、売店まで戻って「甘酒」を注文した。
その森林は、紅葉に染まり、路上は枯葉で埋まっていた。中から鳥たちの大きな鳴き声が聞こえてきた。
サンクチャリーの窓から見ると、深い紅葉を背景にし、鳥たちが水面で遊んでいる光景が目に入ってきた。
思わず、スマホをとりだし、その情景を記憶に残した。
更に進むと、紅葉に染まった木々が、広い池の水に投影している情景に出会った。
「深まる紅葉」を求めてここまで来たが、その答えを得たような心情が沸いてきた。
懐の深いその森林の「水と木々の彩なす美しさ」に、あらためて心が同化してゆくような気がした。
そのままそこにずっといたい気分を切り替えて、帰途に就いた。途中でみさと橋を渡り、みさと公園に寄って、反対岸から見たあの紅葉の美しさを確認した。
これも素晴らしい、晩秋の景色であった。そのまま江戸川を南下し、自宅に戻った。
自宅の時計は午後1時を指していた。寒かったという思いと深い紅葉を満喫したという満足感が入り混じった気分であった。
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