日本は、北京で開かれるＡＰＥＣ首脳会議において、日中首脳会談の開催を希望しているが、中国側は水面下で日本に尖閣問題、靖国参拝問題などで譲歩するよう迫っているという。こうした中、ケリー国務長官が、ヨウケッチ国務委員をボストンの自宅に招いて、アットホームな非公式会談を行った。これは昨年、オバマ大統領が、習近平国家主席を西海岸の保養地に招き、食事をしながら８時間にわたりカジュアルな会談をしたことを想起させる。この時、習主席は「太平洋は両国を受け入れる十分な空間がある」と発言したとされるが、今回もヨウケッチ国務委員が、それに近い発言をした模様だ。日本が政局に揺れ動いている間にも、米国と中国は着々と信頼関係を強化している。各国メディアは、「ケリー国務長官とヨウケッチ国務委員の会談」について、以下のように報じた。

10月18日付『ガーディアン』(英国）は、「ジョンケリー、アットホームな関係が米中相互の関係を促進する」との見出しで、「２か国の意見の相違を埋める話し合いをする機は熟した」として、「ジョンケリー国務長官が、米中相互の信頼関係を深めるため、中国のヨウケツチ国務委員をボストンの自宅に２日間にわたって迎え入れた」と報じた。同紙によると、このミーティングの目的は来月、北京で開かれるＡＰＥＣ首脳会議に向けた環境整備にあるとしており、ケリー長官とヨウケツチ国務委員は、北朝鮮の核問題、イスラム国や気候変動問題、エボラ出血熱問題などで、協力していく方向性を確認したという。...

10月18日付『ガーディアン』(英国）は、「ジョンケリー、アットホームな関係が米中相互の関係を促進する」との見出しで、「２か国の意見の相違を埋める話し合いをする機は熟した」として、「ジョンケリー国務長官が、米中相互の信頼関係を深めるため、中国のヨウケツチ国務委員をボストンの自宅に２日間にわたって迎え入れた」と報じた。同紙によると、このミーティングの目的は来月、北京で開かれるＡＰＥＣ首脳会議に向けた環境整備にあるとしており、ケリー長官とヨウケツチ国務委員は、北朝鮮の核問題、イスラム国や気候変動問題、エボラ出血熱問題などで、協力していく方向性を確認したという。また、「今月はじめ、オバマ大統領と王外相との間で、物別れに終わった香港情勢についても話し合いを持った」と報じている。
一方、10月19日付『ボイスオブアメリカ』（米国）は、「前例のない自宅での米中非公式会談」との見出しで、「ジョンケリー国務長官が、中国のヨウケツチ国務委員を自宅に招きいれて、前例のない非公式会談が行われた」と報じた。同紙は会談の中で、ヨウケツチ国務委員が「中米の偉大な未来のために、アジア太平洋地域は、堅実な経済発展と革新的な開発を、中米で共に進めていける非常に重要な地域だ。（同地域で）中米による多くの協力が期待されている」と発言したことを報じた。また、「カジュアルな雰囲気の会談ではあったが」とした上で、「ケリー長官は、”米国の懸念をある程度払拭する成果が得られた”としている」と報じた。