米連邦最高裁は11日、南部のメキシコ国境から流入する中米からの移民による難民申請を事実上不可能とするトランプ政権の新たな規則について、下級審の差し止め命令を覆し、訴訟継続中は有効とする判断を下した。移民政策の厳格化を重要な政権公約とするトランプ大統領にとっては追い風となる。
『ロイター通信』や
『AFP通信』などのメディアは、同大統領が「最高裁での大きな勝利だ」とツイッターに投稿し、同裁判所の判断を称賛したと報じた。野党民主党は、連邦最高裁の判断は国民の生活を危険にさらすと批判している。
トランプ政権は7月、中米諸国からの移民の流入を制限するため、メキシコなどを経由して米南部の国境から米国に入国し、難民申請を希望する移民は、それまでに通過したいずれかの第三国で難民申請をしていなければ、その資格を得られないとする新たな規則の導入を発表。...
全部読む
『ロイター通信』や
『AFP通信』などのメディアは、同大統領が「最高裁での大きな勝利だ」とツイッターに投稿し、同裁判所の判断を称賛したと報じた。野党民主党は、連邦最高裁の判断は国民の生活を危険にさらすと批判している。
トランプ政権は7月、中米諸国からの移民の流入を制限するため、メキシコなどを経由して米南部の国境から米国に入国し、難民申請を希望する移民は、それまでに通過したいずれかの第三国で難民申請をしていなければ、その資格を得られないとする新たな規則の導入を発表。これによって、南部国境での難民申請はほぼ認められないこととなった。
米国自由人権協会(ACLU)などのトランプ政権の移民政策に反対する団体は、新規則は米国の移民法に違反しており、規則制定の法手続きにも従っていないとして、連邦裁判所に訴訟を提起した。下級審は難民申請の制限措置の差し止めを認めたが、最高裁は規則の合憲性を争う訴訟が決着するまでの間、下級審の差し止め命令の執行を停止した。
今回の判断では、最高裁の判事9人のうち、リベラル派のルース・ベイダー・ギンズバーグ判事とソニア・ソトマイヨール判事の2人が反対した。ソトマイヨール判事は、多数意見に異を唱え、「行政府は再び、迫害から逃れ安全な場所を求めようとする難民に関する長年の慣行を覆そうとする規則を発令した」と批判した。
ホワイトハウスのホーガン・ギドリー報道官は、最高裁判断は下級審の「誤った」判決を否定するものであり、トランプ政権は「満足している」と述べた。ギドリー氏は、「我々が南部国境の危機に対応し、達成してきた進展状況を強く後押しし、最終的には米国の地域社会をさらに安全なものとする」として、判断を歓迎した。
一方、ACLUのリー・ゲラーント弁護士は、「これは一時的な段階に過ぎない。我々は最終的には勝利するとの希望を持っている」と述べ、「数千世帯の家族の命が危機に瀕している」と声明で強調した。
閉じる