シャープ(1935年創業)の親会社の鴻海精密工業(ホンハイ、Foxconn、1974年設立、2016年シャープ買収)がこの程、インドの電子機器製造工場で雇用差別を行ってきたと糾弾されている。
6月25日付
『ロイター通信』は、世界最大の電子機器受託生産企業のFoxconnが、インドの電子機器製造工場で既婚女性を雇用しないとする不公平労働慣行を敷いていると詳報した。
世界最大の電子機器受託生産企業のFoxconnは、米アップル(1976年設立)の主要サプライヤーとしてスマートフォン等電子機器の旺盛な需要に応えるため、インドにおいても複数の製造工場を保有し、また、新設している。
ところがこの程、同社タミル・ナードゥ州(インド南東端)のスリペルブドゥール工場で、既婚女性を雇用しない慣行が取られていることが判明した。...
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6月25日付
『ロイター通信』は、世界最大の電子機器受託生産企業のFoxconnが、インドの電子機器製造工場で既婚女性を雇用しないとする不公平労働慣行を敷いていると詳報した。
世界最大の電子機器受託生産企業のFoxconnは、米アップル(1976年設立)の主要サプライヤーとしてスマートフォン等電子機器の旺盛な需要に応えるため、インドにおいても複数の製造工場を保有し、また、新設している。
ところがこの程、同社タミル・ナードゥ州(インド南東端)のスリペルブドゥール工場で、既婚女性を雇用しない慣行が取られていることが判明した。
同社の行動規範は、「違法な差別のない労働力にコミットし、会社とそのサプライヤーは、雇用において婚姻状況、性別、その他の要因を差別してはならない」と記載されていて、更に、委託元のアップルにおいても、「サプライヤーとその子会社、および下請け業者は、年齢、性別、婚姻状況、その他の事項に基づいて労働者を差別してはならない」と規定されているにも拘らず、である。
『ロイター通信』は、2023年1月から今年5月までの間、20回以上も同州スリペルブドゥールを訪れ、同社工場への求職者や、同社が人材派遣を委託している人材派遣業者等に取材した結果、以下のような証言を得ている。
● 2人の20代の姉妹は、2023年3月に同社工場に赴いたところ、「既婚」であることを理由に門前払いされたと証言。
● 別の3人の女性も、人材派遣業者に求職申し込みを行ったところ、採用条件に「未婚」と謳われていたため断念せざるを得なかったと証言。
● Foxconnインディアの元人事担当幹部のS・ポール氏(昨年8月退社)は、同社が、未婚女性よりも家庭の事情で勤務状況がより制約されることや、出産して長期休業する可能性等から、既婚女性の雇用を見合わせており、その旨人材派遣業者にも通知済みと証言。
● ポール氏の証言は、インド国内のFoxconnの人材派遣会社12社以上の従業員17人と、同社の現、元人事幹部4人によっても裏付け。
● 更に、多くの別の証言者は、ヒンドゥー教徒の既婚女性が、南インドでメッティとして知られる金属製のつま先リングや、結婚の絆を示すターリと呼ばれるネックレスを身に着けていることが問題であるとし、何故なら、かかる装飾品は製造工程の妨げになる可能性があると指摘。
● すなわち、既婚女性は通常、装飾品を外さないため、これら装飾品の金属が万一スマートフォン部品に接触したときに静電気放電が発生し、損傷する恐れがあるため。
『ロイター通信』の取材に対して、米アップル及びFoxconnは、2022年における雇用慣行の誤りを認め、問題への対処に取り組んできたと回答してきたものの、上述するどおり、『ロイター通信』の調査結果では、スリペルブドゥール工場での差別的慣行はすべて2023年から2024年の間に行われていることが分かっている。
なお、ナレンドラ・モディ首相(73歳)は2014年就任以来、インド繁栄の一環で女性を所得増加政策の中心に据えてきており、昨年8月の閣僚会議においては、“女性が繁栄すれば、インドも世界も繁栄する”とした上で、“我々は、市場、グローバル・バリューチェーン、適正な金融への女性のアクセスを制限する障壁を取り除く必要がある”と強調している。
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