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【Globali】
ウクライナ戦争:地球温暖化への影響が著しい(2024/06/19)
『フランス国際ラジオ局(RFI)』6月16日付けによると、ウクライナ戦争が地球温暖化にも少なからず影響を及ぼしていることが、今週発行された学術研究報告書で明らかにされた。2年以上の戦闘状態で、1.75億トンの炭酸ガスを大気中に放出しているという。この炭酸ガス量は、オランダのような国の年間の炭酸ガス放出量の相当し、気候温暖化には多大な影響を及ぼしている。
ウクライナ戦争での炭酸ガス放出の第1の原因は、軍用車両で使用されている数十億リッターにも及ぶ化石燃料で、全体の約1/3の寄与割合となっている。
次に、他の1/3は、数百kmに至る防御設備の建設や修復に使用された、鋼鉄とセメントの生産に使用された化石燃料から炭酸ガス放出に依っている。
報告書の著者の1人であるクラーク氏は、「破壊された学校や住宅の再建には多大な鋼鉄とセメントが必要になり、これらの材料の生産により、多大な温室効果ガスが発生した。...
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ウクライナ戦争での炭酸ガス放出の第1の原因は、軍用車両で使用されている数十億リッターにも及ぶ化石燃料で、全体の約1/3の寄与割合となっている。
次に、他の1/3は、数百kmに至る防御設備の建設や修復に使用された、鋼鉄とセメントの生産に使用された化石燃料から炭酸ガス放出に依っている。
報告書の著者の1人であるクラーク氏は、「破壊された学校や住宅の再建には多大な鋼鉄とセメントが必要になり、これらの材料の生産により、多大な温室効果ガスが発生した。」と説明している。
さらに、民間の航空機がロシアやウクライナの上空を避けるために遠回りの空路を取ったことで、フライトの所要時間が遠回りにより著しく長くなっている。報告書によると、「欧州と米国の航空会社は、ロシアの上空を通過することが禁止されており、オーストラリアやアジアの多くの航空会社も、万が一の場合を考えて、ロシア上空を避けて、遠回りとなる、北側の航路を使用している。」と説明している。報告書を作成した研究者たちによると、民間航空機の定期便が、遠回りしたことで増加した化石燃料の増加量は、2400万トンのCO2量に相当し、ウクライナ戦争による全CO2放出量の14%になる。
一方、衛星画像によると、戦闘現場では約100万ヘクタールの耕地や森林が爆弾により燃やされ、これが炭酸ガスの放出源となり、全CO2放出量の13%に至っているという。同時に、数百か所の石油、ガス関連設備が爆撃で火災を起こしたのに加え、ノール・ストリームのガスパイプラインが破壊され、温室効果ガスとして炭酸ガスの80倍の効果を有するメタンガスが大気中に漏れて、事態を悪化している。
なお、報告書によると、2年間以上のウクライナ戦争での全炭酸ガス放出量は、1.75トンと算定された。これは、9000万台の化石燃料車が年間に排出する炭酸ガス量、もしくはオランダが年間に放出する炭酸ガス量に相当する。
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