李強首相のオーストラリア訪問に先立って、中国は2009年からアデレード動物園に貸し出している2匹のジャイアントパンダの将来について考えを巡らしていたが、かなりの確率で、貸出期間を延長するか、もしくは、もっと繁殖力のあるカップルと交換する案を提案するものと予想される。
中国は、パンダ外交を復活させて、パンダをオーストラリアとの緊密な関係や中国の友好的なイメージを植え付けるのに役立てさせようと目論んでいる。...
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李強首相のオーストラリア訪問に先立って、中国は2009年からアデレード動物園に貸し出している2匹のジャイアントパンダの将来について考えを巡らしていたが、かなりの確率で、貸出期間を延長するか、もしくは、もっと繁殖力のあるカップルと交換する案を提案するものと予想される。
中国は、パンダ外交を復活させて、パンダをオーストラリアとの緊密な関係や中国の友好的なイメージを植え付けるのに役立てさせようと目論んでいる。とりわけ、2020年から2022年の間での両国間の関係悪化を一時的でも修復したいと考えている。
2023年の11月に、7年ぶりにオーストラリアのアンソニー・アルバ二ージー首相を中国に迎えた際に、習近平主席は、中国とオーストラリア両国は信頼関係のあるパートナーになりたいと確約している。アルバ二ージー首相は、「私が中国を訪問して7か月後に、中国のNo.2と称される李強首相が、オーストラリアを訪問することは、両国関係の新たなステップに入ったことを意味している。」と言明した。
ところで、2020年4月、コビッド19感染源についてオーストラリアが中国に対して独自調査を要求して以降、中国がその報復として、オーストラリアワインを含む輸出品10品目に対して、最大、218%の関税をかけたことで両国の関係が悪化した。その後、2022年にアルバ二―ジー首相が政権を取ると、中国との対話と和解を意図した外交を開始した。その成果により、中国の報復による関税は、ほとんどのオーストラリア輸出品目で撤廃されている。
しかし、オーストラリアは、中国に関しては、安全保障の観点から、中国軍の南太平洋への軍事的な海洋進出に対して、米国や英国との軍事同盟(AUKUS)の下で、目を光らせていく必要がある。
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