『フランス国際ラジオ局』3月29日付けによると、ロシアは、3月28日木曜日、北朝鮮に対する国連の制裁と核開発の監視システムの継続に関して拒否権を発動した。国連安保理事会でのロシアの拒否権発動については、‘無責任’だとして韓国により反発され、米国と同盟国からも非難された。

北朝鮮に対する国連の制裁監視団の今後の活動については見通しが暗くなった。3月28日木曜日、ロシアは、国連監視団活動の1年間の期間延長については拒否権を発動して反対した。今回の事例は、国連安保理事会で、緊張が高まっていることの証となった。すなわち、国連監視団は、2009年に北朝鮮の政策を明らかにするためと、北朝鮮が制裁をかいくぐるために講じている手口を封じるために有効な機関であったが、これからは、この機関が使えないリスクが生じる。...

北朝鮮に対する国連の制裁監視団の今後の活動については見通しが暗くなった。3月28日木曜日、ロシアは、国連監視団活動の1年間の期間延長については拒否権を発動して反対した。今回の事例は、国連安保理事会で、緊張が高まっていることの証となった。すなわち、国連監視団は、2009年に北朝鮮の政策を明らかにするためと、北朝鮮が制裁をかいくぐるために講じている手口を封じるために有効な機関であったが、これからは、この機関が使えないリスクが生じる。

北朝鮮は2006年以来、国連により核開発に関連した制裁を受けており、さらに2016年と2017年には数回にわたって制裁が強化されている。しかし、2019年からは、ロシアと中国が、貧困に喘ぐ北朝鮮の国民の人道支援を理由に、北朝鮮に対する制裁を軽減することを訴えていた。

なお、決議案に対しては13カ国が賛成したが、中国は棄権票を投じている。

ところで、北朝鮮での国連監視団委員会の報告書は、年間2回発刊されるが、3月初めに本年度の1回目が発刊されたが、これが最後となる可能性があるという。この報告書では、北朝鮮政権における’ハッカー‘の役割を明確にしている。さらに、外国で活動している北朝鮮人の人数や、海上輸送の制裁違反や石油製品の輸入量の限度や、北朝鮮が制裁を逃れて外貨を稼ぐために使用している種々の方法について言及している。国連監視団委員会は、さらに北朝鮮による通常兵器や弾薬のロシアへの輸出に関する情報も調査し始めていた。これらの輸出はもちろん制裁違反となる。

国連の英国大使バーバラ・ウッドワード氏は、「今回のロシアによる拒否権発動は、ロシアがウクライナ戦争での重要な武器調達先にしている北朝鮮に、国連制裁から逃れやすくさせるための手立てとしている。」と警告を発している。