イランでは、今年6月の大統領選で対米強硬派の新大統領が誕生した。そこで、これまで以上に対米強硬路線を進めていくべく、同じく米国と対立する中国・ロシアとの連携強化を図る一環で、年末から年始の間に三ヵ国共同海上演習をペルシャ湾で実施すべく計画している。
8月23日付米
『ニューヨーク・ポスト』紙:「イラン、数ヵ月内に中国・ロシアと共同海上演習を実施」
米国の大敵となる中国・イラン・ロシアの三ヵ国は年内か来年初めに、ペルシャ湾で共同海上演習を実施する。
レバン・ジャガリャン在イランロシア大使(63歳)が8月23日、ロシアのRIAノーボスチ(1941年設立)とのインタビューで語ったもので、三ヵ国の共同海上演習は、“国際航海上の安全と海賊対策を確かなものにするための具体的訓練になる”と言及している。...
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8月23日付米
『ニューヨーク・ポスト』紙:「イラン、数ヵ月内に中国・ロシアと共同海上演習を実施」
米国の大敵となる中国・イラン・ロシアの三ヵ国は年内か来年初めに、ペルシャ湾で共同海上演習を実施する。
レバン・ジャガリャン在イランロシア大使(63歳)が8月23日、ロシアのRIAノーボスチ(1941年設立)とのインタビューで語ったもので、三ヵ国の共同海上演習は、“国際航海上の安全と海賊対策を確かなものにするための具体的訓練になる”と言及している。
三ヵ国の共同演習は2019年に初めて実施されていて、また、イランとロシアによる合同海上演習が今年2月、インド洋北部で行われている。
同大使によれば、当該三ヵ国共同海上演習が今後年中行事になると思われるという。
この報道は、米軍がアフガニスタンからの完全撤退を決めた後、イスラム原理主義グループのタリバン(1994年設立、「求道者」の意)が電光石火の勢いで同国を掌握する事態となったばかりのタイミングで明らかになっている。
その関連で先週、イランのエブラーヒーム・ライースィー新大統領(60歳)が習近平国家主席(68歳、シー・チンピン)と電話会談を行い、アフガニスタン問題を協議している。
イラン政府発表によると、同新大統領は、アフガニスタンの安定と平和を確立するため、中国に協力していく用意があると表明したという。
同新大統領は、“外国勢力が去ったということは、アフガニスタンの安全保障と発展を確かなものにしていくため、今こそアフガニスタン人全員の参加と支持が必要だということを改めて認識させたものだ”と言及している。
なお、同新大統領は別途ウラジーミル・プーチン大統領(68歳)とも電話会談し、“アフガニスタンの安定と平和の確立はかねてよりイランが強調してきたものだ”とした上で、“米軍が撤退したことを契機に、今こそアフガニスタンの主要勢力が一致して同国の安寧を一日も早く達成する必要がある”と表明している。
同日付イラン『テヘラン・タイムズ』紙(1979年創刊の英字紙):「ロシア・イラン・中国がペルシャ湾で共同演習を計画」
ジャガリャン在イランロシア大使は、ロシアメディア『スプートニク』(2014年設立の政府系メディア)のインタビューに答えて、航海の安定と海賊退治を目的とした三ヵ国共同海上演習が計画されていると表明した。
同大使は更に、ロシアとイラン両政府が、国連安全保障理事会の対イラン武器禁輸制裁(注後記)が解除されている以上、二国間での軍事関連物資の取引について建設的な対話を進めていく意向であるとも言及した。
(注)国連安全保障理事会の対イラン武器禁輸制裁:2010年6月に理事会で可決された、イランの弾道ミサイルに関する活動を禁止し、武器禁輸措置を強化する等の制裁。2015年に成立した「イラン核合意」に基づき、2020年10月解除。ただ、同合意から離脱を宣言したトランプ政権(当時)は、対イラン武器禁輸制裁継続を宣言し、同合意に関わった英・仏・独・中・露はもとより、他の多くの国からの反発を招き孤立。
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6月17日付英国
『ガーディアン』(ロイター通信引用)は「ウラジミール・プーチンをコロナウィルスから守る消毒トンネル設置」との見出しで以下のように報道している。
ロシアのウラジミール・プーチン大統領を新型コロナウィルス感染から守るため、モスクワ以外からの官邸訪問者全員を通すための特別な消毒トンネルが設置されたと、国営RIAノーボスチ通信社が伝えた。
この特殊なトンネルは、ペンザにあるロシア企業が製造、モスクワ郊外のノボ・オガリョの大統領官邸に設置された。...
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6月17日付英国
『ガーディアン』(ロイター通信引用)は「ウラジミール・プーチンをコロナウィルスから守る消毒トンネル設置」との見出しで以下のように報道している。
ロシアのウラジミール・プーチン大統領を新型コロナウィルス感染から守るため、モスクワ以外からの官邸訪問者全員を通すための特別な消毒トンネルが設置されたと、国営RIAノーボスチ通信社が伝えた。
この特殊なトンネルは、ペンザにあるロシア企業が製造、モスクワ郊外のノボ・オガリョの大統領官邸に設置された。
公開された映像によると、マスクをした人がトンネルを通るよう促され、天井やサイドから消毒液の噴射を受けている。この消毒剤は、服の表面や露出した上半身の肌を覆う安全な液体だと説明している。
ドミトリー・ペスコフ報道官は4月、プーチン氏に直接面会する人は皆、ウィルス検査を受けたと述べており、また5月には自身の感染を発表していた。
ロシアの感染者は50万人、検査体制が整っている事もあり、ブラジル、米国に次ぎ3番目に多い。
6月16日付米国『ニューヨークポスト』は「コロナウィルスから身を守るウラジミール・プーチンの独自の消毒トンネル」との見出しで以下のように報道している。
プーチン大統領がコロナ対策で官邸訪問者が通るための消毒トンネルを設置したという。RIAがツイッターに投稿した映像を公開。
しかし、WHOは5月、人への消毒剤噴霧はどんな場合でも推奨しないとしている(トンネルや部屋、ホールなど)。身体的にも心理的にも害となり、感染者からの感染拡大リスクを下げる効果はない」としている。
プーチン大統領がモスクワの病院からコロナ患者治療の様子を中継した際に同行したロシア人医師も3月に感染が判明していた。
今週初め、プーチン氏が国営放送に出演し、「我々はかなり手際よく、この新型コロナウィルスから立ち直りつつあり、死者数は最小限に留めている。だが、米国では状況が違う。」と、コロナ対策で米国より上手く対処したと自負していた。
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