イギリス、新型コロナウイルスによる医療従事者の欠勤が1カ月で倍増(2022/01/02)
新型コロナウイルスを理由に隔離された医療従事者の欠勤は、11月末の1万2千人弱に対し、12月末は2万4千人強を記録し、一カ月で倍増した。
仏誌
『レゼコー』の電子版によると、NHSイングランドは31日、11月末の1万2千人弱に対し、12月26日時点で2万4千人以上の欠勤が記録されていると発表した。欠勤者は、新型コロナウイルスに感染または接触者となったため、隔離状態に置かれている。一方、新型コロナウイルスに関連する入院患者数が12月29日に1万1千人を超え、3月以来の高水準となっており、英国の医療制度におけるスタッフ不足が懸念されている。...
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仏誌
『レゼコー』の電子版によると、NHSイングランドは31日、11月末の1万2千人弱に対し、12月26日時点で2万4千人以上の欠勤が記録されていると発表した。欠勤者は、新型コロナウイルスに感染または接触者となったため、隔離状態に置かれている。一方、新型コロナウイルスに関連する入院患者数が12月29日に1万1千人を超え、3月以来の高水準となっており、英国の医療制度におけるスタッフ不足が懸念されている。
国家統計局の最新推計によると、英国での感染者数は12月23日の週に230万人と記録的な数に達している。イングランドでは25人に1人、ロンドンでは15人に1人の割合が感染していることに相当する。
『MSNニュース』によると、医療団体NHS コンフェデレーションの責任者であるマシュー・テイラー氏は、オミクロン株が医療サービスに圧力をかけていると述べ、「今後数週間」はこうした状態が続くと警告している。テイラー氏は、医療サービスは冬が最も忙しい時期で、1月中旬に需要のピークが来るが、パンデミックによる影響で蓄積されてきた「2年間延期されてきた治療」が更なる圧力を加えていると指摘している。「さらに、新型コロナウイルスが加わり、この2週間で入院患者数が2倍になっただけでなくNHSの職員もコロナに感染している。これらの要素をすべて合わせると、ここ数日、多くの病院が、通常診療やサービスを縮小せざるをえない状況に陥っている」と語った。
しかし、医療サービスが直面している課題にもかかわらず、サジド・ジャヴィド保健大臣は、さらなる規制は「絶対的な最後の手段」でなければならず、英国は2022年にウイルスと「共存」することを考えなければならないと述べている。テイラー氏は、人命と医療サービスを守ることと、企業活動や人々の社会活動を認めることとは「難しいバランス」であると述べている。
またテイラー氏は、オミクロン株は症状が軽いとされているものの、その本当の影響は高齢者に届くまで分からないと指摘している。「多くの点で、この第3波はこれまでの波よりも深刻ではない。オミクロンは症状が軽いようだ。しかし、これまでのところ、この感染症にかかった人のほとんどが若い人たちであることを忘れてはならない。高齢者やより弱い立場の人々に影響が出始めたら、本当の意味で正しい姿が見えてくるはずだ。」と述べている。
NHSプロバイダーズ最高責任者のクリス・ホプソン氏は、医療制度が「潜在的な緊急事態」に直面していると警告しており、「患者に治療を施さないままにするか、一時的に医療サービスを補強するかという選択を迫られる可能性がある」と述べた。ホプソン氏は一連のツイートで、職員の「山のような仕事量」を警告し、すべての医療サービスが「キャパを超えて対応している」状態であると述べている。
オミクロン株の爆発的な感染拡大は、イギリスの医療サービスだけでなく、交通機関や消防など多くの分野に混乱を招いている。
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ロシアのサンクトペテルブルク市議会議員選挙にほぼ同姓同名の3人が出馬(2021/09/07)
ロシア第2の都市、サンクトペテルブルクの野党の候補者が、自分と同姓同名で似たような外見を持つ2人の候補者が、自身の地方議会の議席を奪うために選挙に参加したとして、ツイッターで非難している。
露メディア
『ロシアトゥデイ』によると、ボリス・ヴィシネフスキー氏は、2011年から同市議会の野党「ヤブロコ」の党首として議席を保持している。今月末に予定されている選挙を前に、ヴィシネフスキー氏は7月に、2人の候補者が自分と同姓同名で立候補していることに気が付き、自身の再選を「妨害するための候補者」が立てられたとして非難の声を上げた。選挙が近づいたことで、その2人の写真が選挙ポスター掲示板で公開されたところ、驚くほど現職に似ていることも明らかになった。...
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露メディア
『ロシアトゥデイ』によると、ボリス・ヴィシネフスキー氏は、2011年から同市議会の野党「ヤブロコ」の党首として議席を保持している。今月末に予定されている選挙を前に、ヴィシネフスキー氏は7月に、2人の候補者が自分と同姓同名で立候補していることに気が付き、自身の再選を「妨害するための候補者」が立てられたとして非難の声を上げた。選挙が近づいたことで、その2人の写真が選挙ポスター掲示板で公開されたところ、驚くほど現職に似ていることも明らかになった。
ボリス・ヴィシュネフスキー氏は5日、自身のツイッターアカウントに投稿し、2人の対戦相手達が名前を変えたり顔の毛を伸ばしたりして、投票者たちを混乱させようとしていると非難した。「私と瓜二つの2人は、名字と名前を変えて、さらには外見を変えた。髭を生やしたり、口ひげを生やしたり、顔写真に修正も加えたりしているようだ」と書いている。
ロシア語圏の人名は「名前・父称・姓」からなっているが、3人の違いを見分ける最も簡単な方法は、それぞれの異なった父称を確認することだという。なお、対戦相手達は、もともとはビクトール・ビコフとアレクセイ・シュメレフという名前であったことが分かっている。
こうした戦術は、サンクトペテルブルクをはじめとするロシア政界に長く存在してきたものだという。2015年に、市の立法議会で「成長」党の党首であるベテラン政治家オクサナ・ドミトリーヴァに対して同じ戦術が使われた。ドミトリーヴァは3万1千票を獲得し、2人の妨害候補者たちは合わせて9千票近く獲得した。その結果、連合ロシア党のミハイル・ロマノフが40834票で勝利した。
英『ガーディアン』によると、ヴィシネフスキー氏と瓜二つの対戦相手達は、どちらも公にキャンペーンを行っておらず、いまだに公の場に姿を現していない。選挙ポスターが掲示された今週までは、どのような外見であるのかは不明であった上、実物がどうなのかという点でも、誰も確認が出来ていないという。
ヴィシネフスキー氏は、対戦相手達達が自分に対抗して出馬した動機はわからないとしながらも、「彼らは何の見返りも無しにこのような恥ずかしい思いをすることに同意したとは思えない。」と述べている。
『MSNニュース』によると、中央選挙管理委員会の責任者であるエラ・パンフィロワ氏は、この状況を「不名誉なこと」であり「有権者を馬鹿にしている」としながらも、ほとんど何もできないことを示唆した。ロシアの選挙法は「非常にリベラル」であり、ボリス・ヴィシュネフスキー氏という名前で誰でも立候補できてしまうという。
ロシア当局は、野党や独立メディアに対する弾圧を強めており、2月にはプーチン大統領の批判者であるアレクセイ・ナヴァルニー氏を投獄し、その後、同氏の組織を非合法化した。
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