【Globali】
フィリピン新大統領にドゥテルテダバオ市長を選出(2016/05/10)
アキノ現大統領の任期満了に伴うフィリピン大統領選挙が5月9日行われ、ダバオ市長のドゥテルテ氏が当選確実となった。ドゥテルテ氏はダバオ市長として犯罪の街として知られたダバオ市の犯罪を大きく減少させたことで強いリーダーシップを評価されて当選したものと思われるが、「犯罪者は殺す」などの暴言を繰り返しており、米国大統領候補のトランプ氏を思い出させるキャラクターの持ち主である。現アキノ大統領の下でフィリピンは高い経済成長を達成したが、その恩恵は富裕層に留まっており経済格差についての一般大衆の不満が高まっている。大衆が求める荒っぽいが強力なリーダーシップを誇示するポピュリストへの支持が拡がるという風潮が世界のあちこちで発生しているようだ。
5月9日付
『ニューヨークタイムズ』は、「フィリピンで聞くロドリゴ・ドゥテルテ氏の声に聴きなれた傾向」という見出しで、フィリピン大統領選挙開票でドゥテルテ氏がリードしているが、同氏はこれまで国政の経験はなく個別の政策を中心に選挙運動を進めたり、暴言を吐くなどトランプ候補に類似していると報じている。同氏は選挙期間中過去にダバオであったオーストラリア人美人女性宣教師強姦殺人の犯人を羨ましがったり、妻二人とガールフレンドが二人いると精力絶倫を誇示したり、犯罪者を殺せと発言したりしており、非合法の殺人団への関与の疑いもある。...
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5月9日付
『ニューヨークタイムズ』は、「フィリピンで聞くロドリゴ・ドゥテルテ氏の声に聴きなれた傾向」という見出しで、フィリピン大統領選挙開票でドゥテルテ氏がリードしているが、同氏はこれまで国政の経験はなく個別の政策を中心に選挙運動を進めたり、暴言を吐くなどトランプ候補に類似していると報じている。同氏は選挙期間中過去にダバオであったオーストラリア人美人女性宣教師強姦殺人の犯人を羨ましがったり、妻二人とガールフレンドが二人いると精力絶倫を誇示したり、犯罪者を殺せと発言したりしており、非合法の殺人団への関与の疑いもある。アキノ現大統領の控えめな姿勢とは対照的で支持を得ているが、アキノ大統領はドゥテルテ大統領が独裁政権の再来となるかもしれないと警告していると報じている。
5月10日付フィリピンの
『マニラブレティン』(ロイター通信引用)は、「異端市長ドゥテルテ氏、フィリピン大統領選勝利」という見出しで、扇動的市長であるドゥテルテ氏が犯罪を撲滅するという公約に対する支持を得て次期大統領の地位を確実なものにしたと報じた。ドゥテルテ氏は南シナ海における中国との紛争については、日本、オーストラリア、米国を巻き込んで中国との交渉を進めると述べている。また犯罪と麻薬の撲滅以外には具体的な政策が明確ではないが、外国資本規制の緩和や農業や地方の開発を優先すると表明していると報じている。
5月10日付香港の
『サウスチャイナモーニングポスト』は、「開票率90%で硬派ドゥテルテ氏5百万票の差でフィリピン大統領選勝利の見込み」という見出しで、犯罪の増加と非効率な公共サービスに不満を持つ中間層の支持を受け硬派ドゥテルテ氏が大統領選勝利の見込みと報じた。並行して行われた副大統領選挙では過去の独裁者マルコスの息子が優勢であり、フィリピン政界には非正統派のドゥテルテ、マルコス政権誕生の衝撃が走っていると報じている。
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マニラでAPEC首脳会議開催(2015/11/19)
11月18日と19日の二日間の予定でフィリピンのマニラにおいてAPEC(アジア太平洋経済協力)の首脳会議が21カ国首脳により開催される。15日、16日に開催されたG20サミットに続く会議であり、11月30日から12月11日まではパリ気候変動会議も開催予定である。安倍首相のみならず多くの首脳が外交日程に忙しく国内政治から遠ざかることになる。また、13日に発生したパリ同時多発テロの影響で警備体制は従来にも増して厳しいものにならざるを得ない。APECでは当初予想された通り、南シナ海とTPPを巡って米中両巨頭が対峙する様相を呈している。参加国のメディアはどのように報道しているのであろうか。
開催国フィリピンの
『マニラブレティン』は、11月19日付で「首脳会議当地開催 世界の希望はAPEC首脳とともに」と題する社説を掲載した。数ヶ月に亘る計画と準備、何千人もの通勤者に長距離の徒歩通勤を強いる交通規制に対する抗議と批判、何百という航空便の欠航や航海、飛行禁止区域の布告、パリ同時テロを受けての警備強化の後、昨日APEC首脳会議はフィリピン国際会議場で開幕に漕ぎつけた。米国のオバマ大統領と中国の習近平主席に多大な注目が集まる。...
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開催国フィリピンの
『マニラブレティン』は、11月19日付で「首脳会議当地開催 世界の希望はAPEC首脳とともに」と題する社説を掲載した。数ヶ月に亘る計画と準備、何千人もの通勤者に長距離の徒歩通勤を強いる交通規制に対する抗議と批判、何百という航空便の欠航や航海、飛行禁止区域の布告、パリ同時テロを受けての警備強化の後、昨日APEC首脳会議はフィリピン国際会議場で開幕に漕ぎつけた。米国のオバマ大統領と中国の習近平主席に多大な注目が集まる。米国のTPP(環太平洋経済連携協定)と中国のFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)で両者は経済を主導するために覇を競う。しかし、南シナ海での米中間の抗争が経済問題を脇へ押しやるかもしれない。最近のパリ同時多発テロが議論になるやもしれない。この会議に対する警備の強化は被害妄想のレベルとまで言われているが、万一のことがあってはならない。社説は、今回の首脳会議のテーマである「開放経済とより良い世界の構築」達成のために合意がなされることを期待すると結んでいる。
11月19日付シンガポールの
『ストレートタイムズ』は、「オバマ大統領 環境協定と貿易協定を推進」という見出しで、オバマ大統領が、パリ気候変動サミットでの協定合意とTPPの早期批准を訴えたと報じた。一方で中国の習近平主席がFTAAPについてTPPと違って、世界経済のブロック化を進めるものではないと売込んでいることも伝えている。
11月18日付のカナダの
『グローバルアンドメール』は、「APEC首脳会議 政府TPP約束せず」という見出しで、TPPの合意は前ハーパー政権時代になされており、11月4日に成立したばかりのトルドー新政権はTPPに対し中立的立場であると表明していると報じている。合意されたTPP協定では、自動車の関税撤廃にアメリカが25年の猶予期間を勝ち取ったのに対しカナダの猶予期間は5年であり、カナダの自動車業界が反発している。カナダの外相と貿易相は、カナダの新政権は貿易賛成派ではあるが、TPPの批准には議会での審議が必要であるとして、TPPに対する支持、不支持の表明を控えていると伝えている。
11月18日付英文版
『上海日報』は、「習主席 FTAAPの早期構築を求める」という見出しで、APEC首脳会議における習主席の演説を報じた。習主席は演説で、TPPは(世界の)ブロック経済化に繋がる恐れがあるが、自由貿易協定では、平等な参加と十分な協議に基づき、開かれた誰でも参加出来ることを重視すべきであるとし、保護主義に対抗し、公正な競争に資するものである必要があると訴えた。
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