中国、台湾総統選関連で親中政策に転じつつある豪州に脅し【豪州・フランスメデイア】(2024/01/14)
既報どおり、2022年の総選挙に勝ち、9年振りに政権返り咲きの豪州労働党は、中国との関係を修復して経済連携強化を図ろうとしてきている。そうした中、駐豪州中国大使がこの程、1月13日の台湾総統選で与党・民進党候補が勝利する直前、中国との連携強化を望むならば、反中政策を取る同候補を支援することは控えるべきだと、脅しともとれる発言をしている。
1月13日付豪州
『ジ・オーストラリアン』紙、フランス
『AFP通信』は、駐豪州中国大使が、台湾総統選に関して豪州政府に対して、対中関係改善を望むなら、現与党・民進党候補を支援したり迎合したりすることは控えるべきだと発言したと報じている。
『ジ・オーストラリアン』紙は台湾総統選の直前、駐豪州中国大使の肖謙氏(シャオ・チャン、59歳、2022年就任)の単独インタビューを行った。
その際、同大使は、豪州の対台湾政策を制御するような脅しとも取れる発言をしていた。...
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1月13日付豪州
『ジ・オーストラリアン』紙、フランス
『AFP通信』は、駐豪州中国大使が、台湾総統選に関して豪州政府に対して、対中関係改善を望むなら、現与党・民進党候補を支援したり迎合したりすることは控えるべきだと発言したと報じている。
『ジ・オーストラリアン』紙は台湾総統選の直前、駐豪州中国大使の肖謙氏(シャオ・チャン、59歳、2022年就任)の単独インタビューを行った。
その際、同大使は、豪州の対台湾政策を制御するような脅しとも取れる発言をしていた。
発言骨子は以下のとおり。
● 頼清徳候補(ライ・チンテ、64歳)を立てている民進党は、一連の挑発的行動で外部勢力と結託し、台湾海峡の現状を変えるという罪を犯した。
● もし豪州が、このような台湾分離主義者と連携しようとするならば、豪州国民は崖っぷちに立たされることになる。
なお、頼候補は総統選を迎えるに当たって、“台湾の民主主義の強さを示すため、投票に行って欲しい”と訴えた上で、“苦労して勝ち取った民主主義を守るため、私たち全てが熱心な行動を示すべきだ”と強調した。
また、強力な対抗馬となっている侯友宜候補(ホウ・ヨウイ、66歳)率いる野党・国民党は、“民進党は、「台湾は独立している」との詭弁を弄している”と非難した。
その上で侯候補は、米国を含む国際的なパートナーとの強固な関係を維持しながら、経済的繁栄を促進すると主張している。
一方、豪州のアンソニー・アルバニージー首相(60歳、2022年就任)は、“誰もが、民主的な選挙の結果を尊重することが重要だ”とした上で、“それは台湾市民が決めることだ”とコメントしている。
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豪州首相、バイデン大統領不参加で初主催のクワッド会議開催断念【米・豪州メディア】(2023/05/18)
既報どおり、豪州は5月下旬、クワッド会議(注1後記)サミットをシドニーのオペラハウスで開催する意向であった。しかし、米大統領が、米債務上限問題で議会側との交渉継続のため、主要7ヵ国首脳会議(G-7サミット)のみへの出席に止めることとした。そこで豪州首相は止む無く、シドニー開催を断念し、代わって日本で同会議を主催する意向としている。
5月17日付米
『AP通信』、豪州
『ジ・オーストラリアン・ヘラルド』オンラインニュース等は、5月24日にシドニーで開催予定だったクワッド会議が、米大統領不参加との決定を受けて、急遽G-7サミットの機会を捉えて同会議を開催することになる見込みだと報じている。
アンソニー・アルバニージー首相(60歳、2022年就任)は5月17日、翌週シドニーで主催するとしていたクワッド会議サミットの開催を見送ると発表した。...
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5月17日付米
『AP通信』、豪州
『ジ・オーストラリアン・ヘラルド』オンラインニュース等は、5月24日にシドニーで開催予定だったクワッド会議が、米大統領不参加との決定を受けて、急遽G-7サミットの機会を捉えて同会議を開催することになる見込みだと報じている。
アンソニー・アルバニージー首相(60歳、2022年就任)は5月17日、翌週シドニーで主催するとしていたクワッド会議サミットの開催を見送ると発表した。
この直前、ジョー・バイデン大統領が懸案となっている米債務上限問題で議会側との交渉継続が必須となり、G-7サミットのみの出席に止め、南太平洋で初となる太平洋諸国フォーラム(PIF、注2後記)首脳らとの国際会議も、クワッド会議も欠席せざるを得なくなったと表明していた。
同首相は記者会見で、“バイデン大統領が抱える債務上限問題は国内問題ではあるが、もし6月1日までに合意できなければ、米経済のみならず世界経済にも深刻な影響を及ぼしかねず、従って、同大統領のクワッド会議欠席は止むを得ないことで十分理解する”とコメントした。
同首相は更に、“バイデン大統領から本日(5月17日)朝、自身に対して、今回の欠席を残念だとの話があった”とした上で、岸田文雄首相(65歳、2021年就任)もナレンドラ・モディ首相(72歳、2014年就任)も広島で5月20・21日に開催されるG-7サミットに出席するので、その機会を捉えて現地でクワッド会議を開催することを考えたい“とも付言している。
なお、岸田首相も訪豪を中止したが、モディ首相は予定どおり5月22日から訪豪予定で、アルバニージー首相は、“モディ首相は5月23日、豪州在住のインド系移民に対する講演会を予定していて、収容人数2万人のスタジアムは既に満席となる見込みである”と述べている。
(注1)クワッド会議:日・米・豪・印4ヵ国でつくる連携や協力の枠組み。メンバー国は、民主主義等の価値観を共有していて、それぞれ連携を強めることで、インド太平洋地域で影響力を高める中国の行動を抑えたい狙いを持つ。特に米国は、中国に対抗する上で価値観を共有する同盟国や友好国との連携を重視していて、クワッド会議を首脳レベルに引き上げて、2021年3月にオンラインの首脳会議を主催。同年9月には対面での首脳会議を初めて開き、今後は毎年開催することで合意。2022年5月には日本が主催。
(注2)PIF:米・英国・フランス等の旧宗主国主導の南太平洋委員会(1947年設立の地域協力機構)に対抗して、島嶼国の主体性を堅持し、結束を図ることを目的として1971年創設。加盟国は、パプアニューギニア・フィジー・ソロモン諸島・ツバル・サモア等16ヵ国に援助供与国の豪州・NZを加えた18ヵ国。
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