中国がバチカンと関係改善・米台関係が動く(2月24日)
(中国がバチカンと関係改善・その思惑は?)
中国共産党・習近平政権は台湾を中国に組み込もうと躍起になっており、そのための布石を次々と打ってきている。18日にイタリア・コリーレ・デラ・ソレ紙は中国とバチカンが早ければ3月末にも司教任命に関する協議で合意すると伝えている。バチカンは欧州で台湾と外交を持つ唯一の国で、中国はバチカンに中国国内でのカトリック教会司教の独自の任命を認める代わりに台湾との断交を要求しているものとみられ、台湾の孤立化を図っている。...
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(中国がバチカンと関係改善・その思惑は?)
中国共産党・習近平政権は台湾を中国に組み込もうと躍起になっており、そのための布石を次々と打ってきている。18日にイタリア・コリーレ・デラ・ソレ紙は中国とバチカンが早ければ3月末にも司教任命に関する協議で合意すると伝えている。バチカンは欧州で台湾と外交を持つ唯一の国で、中国はバチカンに中国国内でのカトリック教会司教の独自の任命を認める代わりに台湾との断交を要求しているものとみられ、台湾の孤立化を図っている。
(対米関係強化路線へ舵を切った台湾)
これまでその対中融和政策が中国に譲歩し過ぎているとの批判にさらされてきた台湾の蔡英文総統が、ここにきて国防・外交・中台関係担当閣僚を親米派に変え、対米関係強化路線へ舵を切った。この背景には台湾を国家として承認する国が激減し、台湾周辺海域で軍事訓練を頻繁に実施する中国・習近平政権への反発がある。
(米国下院で「台湾旅行法案」が通過)
現在、米下院議会で、中国への配慮からこれまで実現しなかった米台高官の相互往来を可能にする「台湾旅行法案」が通過し、現在は上院で議論が進んでいる。さらに台湾が米国に接近していくことになれば、中国が台湾に対し武力で威嚇行動に出てくる可能性もないとは言い切れず、米中関係、日中関係にも影響が及んでくる可能性がある。中国、台湾、米国の動きをさらに注視していく必要がある。
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米国内部にも中国の影が(2月17日)
15日、東アジア・太平洋担当の国務次官補に指名されたスーザンソーントン次官補代行が「米国の政策では以前から中華民国を独立国家として承認しておらず、米国と公式な関係を持つ国と認めていないため、政府機関のウェブサイトに中華民国の国旗を掲載しないことになっている」と説明し、政府関連のサイトから次々と台湾の旗が削除されている。
その一方で米国太平洋軍・ハリーハリス司令官は、下院軍事委員会の公聴会で、「米国は引き続き台湾の防衛を継続し、台湾に統一を強制する中国のいかなるふるまいも容赦しない姿勢を示していかねばならない」「中国は法の支配に基づく国際秩序を地球規模で崩そうとしており、中国の急速な軍拡はあらゆる領域で米国を脅かしかねず、これに対し米国が後れを取れば、将来的に米国太平洋軍は人民解放軍との競合に苦しむことになるだろう」と中国に最大限の懸念を示している。...
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15日、東アジア・太平洋担当の国務次官補に指名されたスーザンソーントン次官補代行が「米国の政策では以前から中華民国を独立国家として承認しておらず、米国と公式な関係を持つ国と認めていないため、政府機関のウェブサイトに中華民国の国旗を掲載しないことになっている」と説明し、政府関連のサイトから次々と台湾の旗が削除されている。
その一方で米国太平洋軍・ハリーハリス司令官は、下院軍事委員会の公聴会で、「米国は引き続き台湾の防衛を継続し、台湾に統一を強制する中国のいかなるふるまいも容赦しない姿勢を示していかねばならない」「中国は法の支配に基づく国際秩序を地球規模で崩そうとしており、中国の急速な軍拡はあらゆる領域で米国を脅かしかねず、これに対し米国が後れを取れば、将来的に米国太平洋軍は人民解放軍との競合に苦しむことになるだろう」と中国に最大限の懸念を示している。
実はハリス司令官は米国太平洋軍を退任し5月にも駐オーストラリア大使に就任することになっている。
ハリス司令官の退任の背後には対中国強硬派の頭目としてハリス氏を快く思っていなかった中国の圧力があるのではないかと言われている。米国国内にもひたひたと中国の影が忍び寄っているのかもしれない。
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米国と中国は対立路線に向かうのか?融和路線に向かうのか?(2月3日)
習近平国家主席の懐刀である王岐山が国家副主席に就任するという噂が流れている。一方で胡春華が国家副主席に就任するという説もあり、今のところこの話は下馬評の域を出るものではない。米国国内に知人も多い親米派の王岐山を国家副主席にすえる場合は米国との融和路線に中国が舵を切る場合とみていいだろう。しかし現時点では南シナ海やインド洋、東シナ海、宇宙空間、サイバー空間などにおける安全保障分野や、一帯一路構想、AIIBなどの経済分野などで米国主導の国際秩序に挑戦的な姿勢を示す中国の動きが際立っている為、米国との融和路線に中国が舵を切るとは考えにくい。...
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習近平国家主席の懐刀である王岐山が国家副主席に就任するという噂が流れている。一方で胡春華が国家副主席に就任するという説もあり、今のところこの話は下馬評の域を出るものではない。米国国内に知人も多い親米派の王岐山を国家副主席にすえる場合は米国との融和路線に中国が舵を切る場合とみていいだろう。しかし現時点では南シナ海やインド洋、東シナ海、宇宙空間、サイバー空間などにおける安全保障分野や、一帯一路構想、AIIBなどの経済分野などで米国主導の国際秩序に挑戦的な姿勢を示す中国の動きが際立っている為、米国との融和路線に中国が舵を切るとは考えにくい。中国がロシアと共同で米国の偵察衛星を撃ち落とす兵器を開発しているといったニュースすらある。米国側もティラーソン国務長官がテキサス州で行った講演で「中国モデルは中国経済を潤すためにその土地の法律や人権を無視し貴重な資源を搾取しており、中国は金の力で地域を自らの勢力圏に引き込もうとしている」などと中国との対立路線を打ち出してきている。さらにここにきて軍事的に米国を脅かしかねない驚くべきニュースが飛び込んできた。
中国がレールガン艦載に成功した可能性
レールガンは大電流によって実体弾をマッハ6以上(音速の7倍)で発射できる未来兵器。これまで米国が中心となって開発を進めてきた。しかし国防総省の予算の問題やテクニカルな問題などにより2017年末にその実用化を断念したばかりで、今回はそれをあざ笑うかのように中国がレールガン艦載に成功したとみられる証拠写真がリークされた。全長119.5メートルの揚陸艦は中国人民解放軍海軍所属で1996年就役した072型揚陸艦「海羊山」を改造したものとみられる。写真からはレールガンに必要な電力を生み出すための電力システムやコンテナなどが配置されているのが見て取れる。ただ、レールガン発射のためには相当な電力が必要とされ、米海軍のツムワルトクラスの駆逐艦クラスでなければレールガンに必要な電力を供給することはできないと言われている。中国は5年前からレールガンの開発に着手したと言われているが、はたしてそこまでの能力を獲得したのかを写真だけから全て推し量るのは難しい。いずれにしても軍事力でも中国は米国を脅かす存在になろうという意思を持っていることは間違いなさそうだ。
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香港・民主派の立候補届け出・無効に(1月28日)
香港の議会にあたる立法会では中国に反発する議員4人が議員資格を失ったことを受けて、再来月に補欠選挙が行われる。
4年前、民主的な選挙の実現を求める大規模な抗議活動「雨傘運動」に参加し、現在は香港の将来の政治体制を住民投票で決めるべきだと主張する政党「香港衆志」の幹部を務める女子大学生・周庭も立候補の届け出を行っていた。
しかし、香港当局は周庭の届け出について、無効とする決定を下した。
周庭は記者会見し「無効とされたのは私個人の立候補だけではない。...
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香港の議会にあたる立法会では中国に反発する議員4人が議員資格を失ったことを受けて、再来月に補欠選挙が行われる。
4年前、民主的な選挙の実現を求める大規模な抗議活動「雨傘運動」に参加し、現在は香港の将来の政治体制を住民投票で決めるべきだと主張する政党「香港衆志」の幹部を務める女子大学生・周庭も立候補の届け出を行っていた。
しかし、香港当局は周庭の届け出について、無効とする決定を下した。
周庭は記者会見し「無効とされたのは私個人の立候補だけではない。香港人の政治的な権利を永久に奪ったようなものだ」と述べて非難し、中国に批判的な民主派の反発が一層強まりそうな情勢である。
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北極にまで進出する中国(1月27日)
東シナ海、南シナ海、インド洋、宇宙空間、サイバー空間とありとあらゆる方面へと触手を伸ばし強硬姿勢を強める中国だが、今度は北極にも進出する。
中国政府の発表によると、地球温暖化によって氷が溶けた北極を天然資源の採掘や新航路の開発に利用する計画で、ロシアとも協力するのだという。
中国政府はこの計画を「一帯一路」構想にからめ「氷上のシルクロード」計画と位置付け、中国の資金や技術、市場が沿岸国の発展に役立つものだとしている。...
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東シナ海、南シナ海、インド洋、宇宙空間、サイバー空間とありとあらゆる方面へと触手を伸ばし強硬姿勢を強める中国だが、今度は北極にも進出する。
中国政府の発表によると、地球温暖化によって氷が溶けた北極を天然資源の採掘や新航路の開発に利用する計画で、ロシアとも協力するのだという。
中国政府はこの計画を「一帯一路」構想にからめ「氷上のシルクロード」計画と位置付け、中国の資金や技術、市場が沿岸国の発展に役立つものだとしている。
軍事利用の懸念については「国際法に従う」と明確に否定しているが、ストックホルム国際平和研究所は「中国海軍の能力が増強され、北極地域で中国の利益がさらに強化された場合、北極圏での中国のプレゼンスがさらに拡大する可能性が高い」と分析している。
また中国とロシアは近年、より大きな軍事協力を進めており、経済面だけでなく軍事面でもこのエリアにおいて協力していくものとみられる。
中国は北極海沿岸国ではないが、2013年からオブザーバーとして北極評議会(カナダ、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、ロシア、スウェーデン、および米国)に参加している。
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