江戸川・矢切の渡し・野菊の墓・里見公園(その31)
12月6日、その日私は、千葉街道を突っ切り、江戸川の市川側土手を北上した。
8時頃だったが、向かい風で、その上冷たかった。
この道をサイクリングするのは、初めてであった。
最初に目に入ってきたのが、「市川関所跡」であった。...
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12月6日、その日私は、千葉街道を突っ切り、江戸川の市川側土手を北上した。
8時頃だったが、向かい風で、その上冷たかった。
この道をサイクリングするのは、初めてであった。
最初に目に入ってきたのが、「市川関所跡」であった。
長く市川に住んでいるが、市川に関所があったことは今まで知らなかった。
土手に上がったり、下ったりしながら、寒気の中ひたすら走ると、河原にミニゴルフ場が見えてきた。
そのゴルフ場の間に小道があり、分け入ると「矢切りの渡し」があった。
無人の船着場の案内には、土曜と日曜は船の行き来があるように記してあったが、その気配は無く、渡しの運行時刻も明記していなかった。
今日は、日曜だが、風が強いので舟は運行しないのかも知れないと思った。
土手上に戻ると、そこには「矢切りの渡し」と「野菊の墓」等の案内板があった。
この辺の観光スポットと思われた。
その辺で、その日は引き返した。
今度は、追い風で漕がなくても前に進んでくれるような状態であった。
江戸川の向こうには、スカイツリーが見え、その上空では鳥たちが群れをなして飛んでいた。
暫らく戻ると、里見公園に入る急な坂があり、ギア比を落としてそこを上った。
里見公園に入ると、二体の女性像が中央に位置し、その周りには赤や白のバラが咲いていた。
その背景には紅葉した楓や銀杏の木々が鬱蒼と茂っていた。
その公園は、すっかり晩秋の景色になり、紅葉の紅が目立った。
帰り道、川ではこの寒さの中、モーターボートに引っ張られながら水上スキーを楽しむ様子も見られた。
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江戸川・荒川・隅田川そして汐入公園(その30)
11月29日、その日、私は江戸川を渡り、荒川のサイクリングロードを一目散に北上し、千住から荒川区の汐入公園まで走った。
8時30分頃に家を出たが、外気は冷たかった。
スカイツリーを左手に見ながら、荒川の河原を野球場やサッカー場の喧騒を聞きながら暫らく走った。...
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11月29日、その日、私は江戸川を渡り、荒川のサイクリングロードを一目散に北上し、千住から荒川区の汐入公園まで走った。
8時30分頃に家を出たが、外気は冷たかった。
スカイツリーを左手に見ながら、荒川の河原を野球場やサッカー場の喧騒を聞きながら暫らく走った。
今回も面白い現象に遭遇した。先週JR総武線鉄橋の辺りできれいさっぱりなくなっていたコスモスの花が、少し先の四つ木の花畑で咲き誇っていたのである。
「うーむ」私は、唸った。頭の中の季節感が歪んでしまったのだった。
そのまま走ると、隅田川と直結している水門に差し掛かった。そのすぐ先の京成線の堀切駅は、荒川の土手に面していた。そこから314号線に入り、10分ほど行くと、隅田川に辿り着いた。
その景状は、見事に美しいものだった。
その美しさに惹かれるように、その川に架かる汐入橋を渡った。
そこは都立汐入公園であった。
手入れが良く、紅葉する木々が遠くまで綺麗に並んでいた。
太陽の光が、秋の隅田川とスカイツリーを情緒的に浮かび上がらせていた。
見るとその公園の中心には、木製の高さ10メートルぐらいの塔があった。
中に入り、昇ってゆくと隅田川などの眺望が一段と良くなった。
アートサーカスの総合ディレクターを務めた川俣正氏の作品で、来年で取り壊す予定だと表記されていた。
細長い公園では、子供たちが大勢でドッチボールをやっていた。
その日、江戸川を渡って、自宅に帰ってきたのは、12時少し前であった。
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枯れ葉の静寂(その29)
11月22日、その日、8時15分頃自宅を出発し、市川橋で江戸川を渡り一目散に荒川を目指した。
平井大橋を渡り、荒川の土手を「大島・小松川都立公園」に向かった。
そこは、10月18日の葛西臨海公園からの帰りに、通りかかった「千本桜」と銘打たれた並木道が妙に綺麗だった記憶があったからだった。...
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11月22日、その日、8時15分頃自宅を出発し、市川橋で江戸川を渡り一目散に荒川を目指した。
平井大橋を渡り、荒川の土手を「大島・小松川都立公園」に向かった。
そこは、10月18日の葛西臨海公園からの帰りに、通りかかった「千本桜」と銘打たれた並木道が妙に綺麗だった記憶があったからだった。
その長い並木道から、一歩入ったところに公園の入り口があった。
入ると、広々とした草むらが目に入り、子供たちがボールゲームに勤しんでいる様子が見えた。
少し走ると、今度は見慣れないスキー場のようなスロープが見えてきた。
そこまで行ってみると、二つの大きな橋が架かっていた。
行ってみるとそのスロープは、「もみじ大橋」と「さくら大橋」というアーチ型の橋だったのだ。
その橋から下を見ると、カヌーや6人乗りボートなどが何隻も見えた。
その川が、旧中川であった。ここで江戸川区と江東区に分かれる境であった。
橋を渡ると、野球場があった。その川に下りてみると紅葉の並木が美しかった。
荒川に戻り、更に南下してみると、公園の飛び地があった。
荒川と旧中川に挟まれたその公園は少し高台になっていた。そこに入ると、山奥に入ったような静けさがあった。
紅葉した欅の木が、旧中川に面して斜面に林立し、地面は落ち葉で埋まっていた。
その時は、私までもが秋に染め抜かれたような心境になっていた。
千本桜並木を引き返す途中で、荒川のススキ林を分け入りながら、水辺に降りると老人と子供が寒々とした川をひたすら眺めていた。
JRの鉄橋をくぐり、今月の1日にきた時には、咲き誇っていた赤とピンクのコスモスの群生が、綺麗に無くなっていた。
その時、私は季節の移り変わり目は、あっという間にやって来て、その景色を完全に塗り替えてしまうものなのだなということを強烈に感じた。
先週は、JRに乗って7分でやってきたこの旅をその日は、30分かかって市川まで引き返した。
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