薫風そよぐ・臨海公園・湾岸新風景(その48)
その日は、朝から天気が良く、江戸川を南下し東京湾岸巡りをしようと考え8時に家を出た。
江戸川を都側に渡り、旧江戸川沿いに葛西臨海公園を目指した。
臨海公園に着いたのは、9時ごろだった。...
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その日は、朝から天気が良く、江戸川を南下し東京湾岸巡りをしようと考え8時に家を出た。
江戸川を都側に渡り、旧江戸川沿いに葛西臨海公園を目指した。
臨海公園に着いたのは、9時ごろだった。
やっと鳥獣観察所のシャッターが開いた頃だった。
ここにくると、東京湾が広く臨め開放感があった。
そこから荒川河口の巨大な橋を渡り、新木場の駅を通過し、こんもりした林の状態になった夢の島の中を走った。
荒川の土手に出たいのだが、ここらは運河が多く、やたら遠回りをしないと直ぐには出られなかった。
ジグザグと走り、気が付いたら深川の住所になっていた。「潮見」という住所も通過した。この辺りは橋と川が多かった。
豊洲も近いようで、高層マンション群が直ぐそこに見えた。やっと四つ目通りに出た。
更に走ると、東西線・東陽町の駅に出た。永代通りを見つけ、東方向に走った。明治通りを横切り向こうに大きな鉄橋が見え、その下を通ってなんとか荒川に辿り着いた。
荒川の河原では、多くの人がマラソンに興じていた。
ふと見ると、深い緑色になった桜の長い並木道が見えた。「千本桜」だった。バーベキューの匂いを嗅ぎながら、旧中川のカヌー乗り場に入った。
カヌーに混じって白鷺が、餌を啄ばんでいた。その白鷺をしばし動画に収めた。
その公園には、花畑があり、季節が変わる毎に、それに相応しい華麗な花が咲いていた。この季節は「ポピー」が中心だった。見事であった。
美空ひばりの歌声が聞こえてきた。その畑に手入れをしている親父さんの腰にぶら下がったラジオからのものだった。
前回来た時も、同じような光景に出会った。毎日花を小まめに植えて、手入れをしているのだった。
その日は、それから一目散に荒川の河原を走った。河原はサイクリングをする人々と、マラソンをする人々で混雑していた。
荒川から、蔵前橋通りに出て、自宅まで走った。帰宅したのは12時ごろだった。
それにしても、この4時間は心を開放してくれた。「自然」「変わる景色」「綺麗な花」「水と鳥」「人の賑わい」「初夏の薫風」どれをとっても満喫できた。感謝しかない。
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初夏に乗って杉戸まで(その47)
5月15日、その日は前の週に到達できなかった「関宿」まで、行くことにし、江戸川を渡り東京都側を北上した。7時半ごろであった。
その日も、天気は良かったが、空には白い綿雲が散らばっていた。風は逆風だったがそれ程強くはなかった。...
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5月15日、その日は前の週に到達できなかった「関宿」まで、行くことにし、江戸川を渡り東京都側を北上した。7時半ごろであった。
その日も、天気は良かったが、空には白い綿雲が散らばっていた。風は逆風だったがそれ程強くはなかった。
前の週の到達点である、三郷市には、小じゃれた休憩所があった。
そこには、このロードは、日本一長いコースであると記されていた。
吉川市を過ぎると、サイクリングロードは少し狭くススキと見られる草が覆いかぶさり走り難いところもあった。
河原では、Uコンの飛行機を飛ばしたり、犬の競技会が行われたり、川面では無人の小さい高速艇をラジコンで走らせたり、野球やサッカー以外の遊びも活発に行われていた。
三郷から吉川に架けては、広い河原にゴルフ場が展開されていた。時折見える池が綺麗に整備されていた。
吉川辺りからは、左手の街並みが、水田に変わった。
のどかな田園風景と巨大な送電線が目立った。
春日部市に入ると、田園風景一色となった。
右手の対岸の河川敷には、グライダーの駐機が見えた。
宝珠花の橋のところで、エンジンのついた小型機に引っ張られたグライダーが空を飛んでいたが、そこから飛び立ったと想像した。
走りながら聞こえてくるのは、鳥たちの合奏であった。
ピーチク、パーチクとそこら中から聞こえてきて、中には鶯の声も時折聞こえた。
場所によっては、カラスが大挙し、不気味な集団を形成していた。
サイクリング道路から、少し外れた土手では、ぼんやり景色を眺めている人もいた。中には夫婦、恋人と思われるカップルもいたが、男同士で会話をしている様子も垣間見られた。
自然の中に作られた、道路からは様々な利用形態で、気ままに自然の中で時間を使っている様子が、見てとれた。
結局、その日は春日部市の宝珠花橋まで行って、そこから引き返してきた。自宅に戻ってきたのは午後1時近かった。
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強風にあおられながら「水と緑」へ(その46)
5月8日、その日は7時半に江戸川に出て、東京都側の土手を一気に北上した。
快晴ではあったが、強い向かい風に見舞われ、ギアを2段落として「ふうふう」言いながら、埼玉県の三郷市から吉川町辺りで、その日は引き返すことにした。...
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5月8日、その日は7時半に江戸川に出て、東京都側の土手を一気に北上した。
快晴ではあったが、強い向かい風に見舞われ、ギアを2段落として「ふうふう」言いながら、埼玉県の三郷市から吉川町辺りで、その日は引き返すことにした。
風は強かったが、その一帯は「江戸川に形成された緑と自然の宝庫」であった。
三郷辺りは、川が大きく曲がり、排水場もあり、小鳥たちのさえずりを聞きながら、開放感のある情景を楽しんだ。
帰りがてら、通りがかりの水元公園に足を向けた。
公園周辺の道路が豊富な木立に導かれ、陽の光が木立の影を道に映し出していた。
園内に入ると、新鮮な深い緑に染まった森林に眼を奪われた。
その日は、水元公園から「ふなはし」を渡り、「三郷公園」に入った。また埼玉県に戻ったようなことになった。
奥行きの深いその公園は、子供の遊び場や大人の釣り場など豊かな自然に囲まれた避暑地のような風合いを感じた。
「おっ・・・」と思ったのは、まだ季節としては早い菖蒲の花が、一角に咲き誇っていたことだった。なぜか石灯籠がその中に溶け込んでいた。
湖が見えた時、心に新鮮な衝撃が走った。
水と緑が余りにも贅沢に調和していたからだった。
日常生活の激しさが、そこには全く感じられず、水と自然の別世界に辿り着いた思いだった。
「うーん」心の中で、その贅沢さが大きく増幅された。
もう一度、その橋を渡り、水元公園に戻ったが、広い菖蒲畑にはまだ花は咲いていなかった。
その日は、「水と緑」の印象を胸に、そのまま帰宅へと急いだ。自宅に着いたのは11時だった。
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