初夏を求めて新宿御苑に(その159)
7月1日、暦も変わり、梅雨も明けたその日の9時半頃、JR市川駅から緩行線に乗り、千駄ヶ谷駅で降り、新宿御苑に向かった。...
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7月1日、暦も変わり、梅雨も明けたその日の9時半頃、JR市川駅から緩行線に乗り、千駄ヶ谷駅で降り、新宿御苑に向かった。
中へ入ると、こんもりした森林が出迎えてくれた。
「初夏の見どころ」を入り口で手に取って、盛りだと書いてある「タイサンボク」を目指した。
レストハウスの裏側の大きな木に白い花が咲いている光景が見え、それが目当ての花であると感じた。
10時頃であったが、その辺りでは、散歩や体操をしている人々がちらほら見えた。
その向こうに、綺麗な花壇があるのを発見して、その方角に歩いて行った。
そこには、フランス式整形庭園と呼ばれ、色とりどりのバラが植えられていた。
周囲をプラタナスの並木に囲まれて、その色彩は更に鮮やかに引き出されていた。
真っ青の空には、白い綿雲が絵の様に浮いていた。
色とりどりの薔薇が所狭しと咲き誇り、初夏の風景の中に溶け込んでいた。
ふと気が付くと、欅林の片隅に、紫陽花の花も水みずしく咲いていた。
季節の移り変わりの実感が迫っていた。
暫らく、新宿門の方向へ歩いてゆくと、スズカケノ木や日本では珍しいラクウショウの並木があった。
ラクウショウの木の元には、タケノコのような気根が並んでいた。
新宿御苑には、何度も足を向けてきたが、季節ごとにその顔が変わっていた。
相当の年数を経た大木を基調に、和風庭園、フランス、イギリス庭園、台湾風の建物が織りなして、様々な趣を演出していた。
2時間ほど歩くと、初夏の真っ青な空とその日差しに煽られて、体全体がすでに汗ばんでいた。
新宿門辺りから、今度は千駄ヶ谷門に引きっ返し、その鬱蒼とした別世界から、JR千駄ヶ谷駅に辿り着き、そのまま自宅へ戻った。
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千葉公園では霧雨の中「大賀ハス」の美しさを…(その158)
6月24日、梅雨の季節に咲く花を求め、その日の9時ごろ、JR市川駅から快速線で、千葉駅まで行った。...
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6月24日、梅雨の季節に咲く花を求め、その日の9時ごろ、JR市川駅から快速線で、千葉駅まで行った。
千葉駅から10分ほど歩くと、モノレールの懸架が見える辺りに「千葉公園」の入り口があった。
入り口から公園内へとカラフルな「ビニール傘」の飾りつけが、木々の空間から迎えてくれた。
梅雨の日々の出迎えとしては、洒落ていると感じた。
係留されているボートを見ながら、池に沿って歩くと、人だかりが見られ、その一帯が「大賀ハス」の生息場所であることが、すぐに分かった。
緑色の大きな独特の形をしている葉っぱの間から、ピンクの大きな花が見えた。
花芯の丸く黄色い部分も大柄であった。
水に浮かんだ葉っぱや花に、多くの人々がスマホやカメラを向けていた。
葉っぱの中心には、水の雫が、水晶のように光っている様も綺麗な光景であった。
まだ蕾も残っており、係員が長い竿の先にカッターが付いた道具で、茎ごと切り取っている様を見つけた。
後ほど、それを販売しているコーナーも見かけた。
池の中にはカルガモも泳いでいた。
蓮池から離れると、ところどこに向日葵などこれからの季節に咲く花が少しずつ咲いていた。散策を続けると名前も知らない花も咲いていた。
その公園を一周し、又カラフルな雨傘の下を歩き、外に出た。
その日は、その後千葉駅から稲毛に向かいそこで下車し、三陽ミュージアムに寄った。
そこにはダリアの花やクレオメの花が満開状態であった。
クレオメの花は、淡い赤、白、ピンクの花が特徴で、白い蝶々が何匹も舞い、戯れていた。
その光景を目に焼き付けて、その日は市川駅まで帰宅した。時計を見るとほぼ12時だった。霧雨は止んで空は少し明るくなっていた。
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朝早く出発・「水郷佐原」に水の季節を求めて(その157)
6月17日、その日はJR市川から午前6時半の成田空港行の快速線に乗って、成田駅で銚子行きに乗り換えて、佐原駅を目指した。...
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6月17日、その日はJR市川から午前6時半の成田空港行の快速線に乗って、成田駅で銚子行きに乗り換えて、佐原駅を目指した。
佐原駅には、8時少し過ぎた頃着いたが、構内にはバスの姿が無く、タクシーに乗った。
ほんの15分ほど乗ると利根川を渡り「水郷佐原あやめパーク」に着いた。
園内に入ると、早速「菖蒲の花」の鮮やかさが目に入ってきた。
ふと右手を見ると、川のような大きな池があり、そこに舟が浮かび、女船頭さんが竹ざおで漕いでいた。
その時間には、舟の客はほとんどおらず、閑散としていた。私はその舟に乗り、菖蒲の花と蓮の葉が広がるその川を遊覧した。
船頭さんは、「蓮と睡蓮」の花の違いなど、盛んに説明してくれた。
その睡蓮の美しいピンクの花を横目で見ながら、どんよりとした空の下、華麗に咲き乱れる紫の菖蒲の花の優雅さを暫し堪能した。
舟から降りると、その菖蒲の花の園をスマホで撮りまくり、ふと見えた「十二橋めぐり」と書いてある看板に目を止めた。
昨年は、「潮来」で船に乗り、その一帯を楽しんだ思い出がふと蘇り、早速その船に乗り込んだ。
初老の船頭は、利根川から細い川に入り、辺りのことについて次のように説明をした。
昔は、各家に小さな細い橋が掛けられ、そこが生活道となっていたと張りのある声で、話してくれた。いつしか船のモーターは止まり、竹竿一本で船頭さんが漕ぎ始めた。
その細い川の向うから、同じような大きさの船がすれ違った。
川の両側には、団子などを売り子が、声をかけて盛んに売り込んでいた。今ではその一か所だけとなっていたが、過去には鈴なりに商店が並んでいたと懐かしそうに船頭が説明した。
コンクリートで作られている、川の壁に船がぶつかる様にして、船はすれ違い、暫らく船は走ったが、水門まで来ると、船頭が船の横の細い足場を器用に後ろから前にと「つっつ」と渡り、進路が逆に変わった。
川に架かった橋は、「面影橋」だとか「子育て橋」などと一本一本名前が付けられ、住民の思いが感じられた。
川の両サイドには、紫陽花が綺麗に咲き誇り、情緒を盛り上げてくれた。
あやめパークに帰ってくると、先ほどの川には4隻の舟が浮かび、女船頭さんが佐原音頭を吟じていた。
その頃、他の舟の上では、男衆が大きな太鼓に撥をあてていた。
そのお囃子を聞きながら、私は佐原の駅へと向かい、11時11分の千葉行きの電車で帰路に就いた。まだ肌寒く雲の厚い日であった。
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