【タレコメ】
ウクライナ危機・ロシア軍侵攻に国際社会は
笹川平和財団主任研究員・畔蒜泰助 ロシアは中国を相当頼りにしている。長期的にみるとロシアが中国への依存度を高めるという結果に確実になるが、こういうようにロシアの望んでいる結果にはならないということを伝えることが大事。
2022/02/27 NHK総合・東京[日曜討論]
東京大学大学院教授・鈴木一人 このままいくと2036年までプーチンが大統領に居座り続ける可能性がある。そういう状況、中ロが存在する中でどうやって国際秩序を作っていくのか。そのためには武力を使わずに共存すること、もし使えばそれなりの罰を受けることを知らしめることが何よりも重要となる。
2022/02/27 NHK総合・東京[日曜討論]
政策研究大学院大学教授・岩間陽子 (ロシアが制裁を)乗り切るのにあたり中国がどの程度の立ち位置に来るのかがものすごく大きい。中国は国連安保理決議も棄権している。中国自身もすごく揺れているだろう。北京五輪前に中ロ会談をやり、中国がロシアのガスを買うと言ったが、こういうことになるということを中国に伝えるべき。
2022/02/27 NHK総合・東京[日曜討論]
東京大学専任講師・小泉悠 ロシアの軍事計画は非常に巨額であり、全部国家予算では出せない。一部保証をつけて政府が銀行からクレジットを貸与させている。今回ロシア軍に資金を提供している銀行に対する米国の制裁はおそらくその部分を狙い撃ちにしている。日本はエネルギーではロシアに多少依存しているが、軍事面ではまったく依存していないのでロシアの軍需産業に中長期的にダメージを与えることができる制裁をやるべき。ロシアもデュアルユース技術には非常に弱いので、欧州からの制裁で打ちあげられなくなっている衛星とかミサイルとかがいっぱいある。何を止めたら効くのかということをきちんと検討してやるべき。これから先、日本が率先して制裁をやる局面が出てくると思うが、その時のためにも何をやれば効くのかというのをリスト化しておくべき。
2022/02/27 NHK総合・東京[日曜討論]
笹川平和財団主任研究員・畔蒜泰助 決定的に効果がある制裁はエネルギー取引制限。しかし欧州、特に40%以上の依存度があるドイツには厳しくなる。エネルギーの取引を含めてどこまで制限がかけられるのが焦点。
2022/02/27 NHK総合・東京[日曜討論]
政策研究大学院大学教授・岩間陽子 エネルギー取引制限などの制裁を行えば当然ロシアからの報復措置がくる。欧州では国によっては4割から6割ロシアからのガスに依存しており、ガスの供給が減り値段が上がる可能性がある。すでにかなりのインフレになっており、その上にさらにエネルギー価格が上がるのは相当つらい話。ここまで来たら政治リーダーの方々が国民に対し「我々の国際秩序を守るためにどうしても必要な措置であり、ウクライナの国民と痛みを分かちあって欲しい」という呼びかけを国民に対して行い、制裁を行うべき。
2022/02/27 NHK総合・東京[日曜討論]
東京大学大学院教授・鈴木一人 SWIFTも含め、ロシアにかける制裁はまだ十分ではない。ロシアに効く制裁は何なのかを考えると、エネルギーで外貨を獲得できない状態を作ること。ロシアの中央銀行が一番の本丸になる。SWIFTはあくまでもメッセージを交換する仕組みなのでそれをしなくても国際的には送金が可能(になる)。SWIFTを止める以上に米国の経済制裁は非常に効果がある。
2022/02/27 NHK総合・東京[日曜討論]
前駐米大使・杉山晋輔 看過できない明らかな国際法違反、国連憲章違反をやめさせ、非軍事的手段で制裁するのが経済制裁(である)。色々なやり方があるが、貿易、金融になるとこちら側の痛みも伴う。制裁の結果、こちらがものすごく痛みを感じ、向こうが感じないという制裁はナンセンスであり、本末転倒となる。そのあたりをよく考え、決定的に相手が困ることをすべき。
2022/02/27 NHK総合・東京[日曜討論]
林芳正外務大臣 (制裁については)G7をはじめとする国際社会と連携しながらG7だけがやり、日本だけがやらないというような穴に日本がならないようにしっかりと連携し、米国や欧州と足並みをそろえながら総合的に判断し、決定した。SWIFTについてはこれまでも議論になってきたが、英仏、米国さらにウクライナからも、そういう制裁をやってもらいたいという話が出ている。金融市場への影響など注視しながら対応していきたい。
2022/02/27 NHK総合・東京[日曜討論]
東京大学専任講師・小泉悠 CNNの世論調査で米国が軍事介入すべきという意見が結構増えてきている。これに対しロシアがどこかの時点で核の脅しをさらにしてくる可能性がある。
2022/02/27 NHK総合・東京[日曜討論]
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