【タレコメ】
「台湾有事」はあるのか?
ジャーナリスト・野嶋剛 中国の台湾への軍事侵攻は容易ではないことは、軍事専門家の間でも共通した見方。1つの要因としては台湾と対岸の福建省までの距離は130キロあること。日本で言えば東京から沼津ぐらいの距離。これは短いようでいて実はすごく長い距離。ここに大部隊を派遣して上陸させてという軍事行動をとれば相当な準備と能力が必要になる。中国にはまだそこまでの能力はない。では、何ができるかと言えば台湾が実効支配しているいくつかの小さな島に軍事侵攻すること。こうした島々は簡単に占領できる。それをやって我々の台湾統一は近づいていると主張するかもしれない。
2021/12/13 BSテレ東[日経ニュースプラス9]
東京外国語大学教授・小笠原欣幸 米国、日本が特に台湾のサポートを背後からきちっとする必要がある。抑止が機能していれば、中国は台湾への侵攻はできないはず。一方で隙を見せれば(軍事侵攻の)可能性は広がっていく。中国は台湾に軍事侵攻するだけの十分な軍事力をまだ持っておらず、かなり強化されてはいるが、台湾に侵攻するには中国も相当犠牲を負わなければならなくなる。そこまでしてやった場合には、共産党の権威が揺らいでくる可能性があり、ここは慎重にならざるを得ない。中国としては台湾に対し軍事力を見せつけて「抵抗しても無駄である」と心理的に追い込んでいくだろう。強制的な平和統一が中国の狙い。
2021/12/13 BSテレ東[日経ニュースプラス9]
|