【あの一言】
冨山和彦の発言まとめ
超・人手不足時代・危機を乗り越えるには 一番いい労働移動はM&A。M&Aというのは集団転職で、生産性向上効果は統計的にもあるはずで、それをもっと進めることが大事。そういう意味で中小企業経営者は事業継承の時にあまり頑張らない方がよい。
2023/11/05 NHK総合・東京[日曜討論]
超・人手不足時代・危機を乗り越えるには ホワイトカラーの仕事は今後、生成AIとかでもっと減ってくる。分厚い中間層の話ではみなさんホワイトカラーをイメージしているが、それは幻想にすぎず、どんどんそういう仕事は減っていく。むしろエッセンシャルワーカーのゾーンに労働移動が起きる。エッセンシャルワーカー、観光業、製造業の現場の仕事の方に労働移動を起こさないとだめで、ここをもっとディセント(きちんとした)で、ホワイトで賃金の高い仕事にしていくことが必要。
2023/11/05 NHK総合・東京[日曜討論]
超・人手不足時代・危機を乗り越えるには 最低賃金を含めて8割の世界の人たちの賃金を上げていく必要がある。これは急ぐ必要があり、日本は先進国で一番人手が足りない国であるにも関わらず、インフレの方が先行しており賃金が追い付かないから実質賃金がマイナスになっている。これは異常な状態で、構造に欠陥がある。急いでやっていかないと、この逆転現象はなかなか収まらない。
2023/11/05 NHK総合・東京[日曜討論]
超・人手不足時代・危機を乗り越えるには 春闘というのは政治的に大事なイベントではあるが、基本的には大企業・正社員の世界の話であって、勤労者の2割しかカバーしていない。残り8割の議論が大事で中小企業あるいはサービス業とか非製造業の世界。ここの人たちの賃金が上がっておらず、苦しい生活をしている人が多い。ここの賃金が上がっていかないと消費も盛り上がらない。お金持っている人にお金出しても預金になってしまうだけ。
2023/11/05 NHK総合・東京[日曜討論]
深刻化する人手不足・暮らしは・対策は 物流は今、非常にブラックな状況で厳しい状況にある。賃金は高くない、労働条件は厳しい、だからドライバーが増えないという悪循環にあるので時間外労働への規制はやむをえない。問題は規制強化を供給側がどう乗り越えていくかということ。日本の物流はかなりの高頻度物流をやっており、生産性の改善余地がものすごくある。そっちに向かえばCO2の問題も含め、いい方向に循環できる。
2023/06/18 NHK総合・東京[日曜討論]
深刻化する人手不足・暮らしは・対策は 企業も個人も劇的な転換が10年ぐらい前から始まっていたのに気がつかなかった。デフレ下ではどんどん値段が下がってくるので頑張って賃金を下げていく、コストを下げてという競争をこの30年ぐらいずっとやってきた。ここにきて構造がまったく変わってしまった。
2023/06/18 NHK総合・東京[日曜討論]
深刻化する人手不足・暮らしは・対策は 実は日本では2000年代から運転手の数が足りなかった。少子高齢化で労働生産人口が減っている。エッセンシャルワーカーの需要はシニア層が生んでいる場合が多く、そうすると完全に需給バランスが崩れてくる。これが地方から段々広がってきている。
2023/06/18 NHK総合・東京[日曜討論]
暮らしは?日本経済は?“賃上げ”の実現は 理想形は米国と同じぐらいの平均でかつ格差がなかったら一番いいが、この賃金の上がらなさは異様。日本の産業構造の転換が決定的に遅れたことが大きい。大方の製造業は大量生産、下請け、孫請けの構造で来てしまった。直接包摂される労働者は2割しかいない。8割の人はその外側にいる。産業構造が地球集約型・イノベーション型に既に変わってしまった。サービス業が中心となってきて中堅・中小企業が中心になってきている。サプライチェーンでカバーできない人も増えている。そこのほとんどは中小企業であり非正規。そこをどうするかという話にしないと、いくら春闘で頑張っても結果的に2割の人しか賃金が上がらないことになる。産業構造の転換をどう促すかが本質的な議論。
2022/02/13 NHK総合・東京[日曜討論]
暮らしは?日本経済は?“賃上げ”の実現は マクロ的に言うとコストが上がっていき、結果的にインフレになる、コストプッシュインフレになりかかっている。この状況で仮に賃金が上がらないとすると典型的なスタグフレーションにはまっていく。一番よくないインフレのパターンで、賃金を上げないとまずい状況。業績が回復したら賃金を上げるというのは30年間ずっと言ってきたが結局上がらなかった。
2022/02/13 NHK総合・東京[日曜討論]
展望・2020年の経済・世界は・日本は 根本問題は会社の中においても外においても新陳代謝が全然進んでいないこと。日本の会社の形で新卒一括採用でずっと同じメンバーでやってきて、経営陣を見たら日本人の中高年の男の人しかいないという極めて同質的で固定的な社会で戦ってきた。これでは労働生産性が上がるわけがない。会社の数の多さも異常に数が多い。産業構造が変わっていない。問題は新陳代謝、多少の痛みを堪えて進めなければだめ。
2019/12/22 NHK総合[日曜討論]
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