【あの一言】
特集・有識者に聞く・円安の是非
一橋大学名誉教授・野口悠紀雄 企業の利益が増えるから円安は日本にとっていいとよく言われる。なぜ企業の利益が増えるかというと消費者物価が上がることで、消費者が犠牲になり、実質所得が減ることによって企業の利益が増えるというメカニズムがあるから。そのメカニズムは円安になると、ドル建ての価格は変わらなくても輸出業者にとっての円建ての売り上げは増える。同時に輸入物価も上がり、原価も上がる。この原価が上がった部分を企業は価格に転嫁していき、それは消費者の負担になる。企業としては円安になると何もしなくても利益が増えていくので技術革新とか新しいビジネスモデルを導入する努力を怠る。過去からの長い円安が日本経済の衰退をもたらした根本的原因。
2024/03/30 BSテレ東[日経プラス9サタデー]
武者リサーチ代表・武者陵司 日本は需要が足りない国であるからこそ、世界中から需要をかき集めないといけない。需要は水と同様に、高いところから低いところに流れる。値段の高いところから逃げて値段の低いところに需要が集まる。円安というのは日本を極端に安くするバーゲン状態にすることで、世界の需要が日本に集まる。おそらく今後、円安が加速度的に起こるだろう。
2024/03/30 BSテレ東[日経プラス9サタデー]
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