【あの一言】
兵庫県立大学理事長・五百旗頭真
兵庫県立大学理事長・五百旗頭真 人類史上、大国の興亡というのがいくつもあったが、中国の軍拡というのは、その中でも、ものすごいレベルにある。冷戦終結後から今まで中国が発表している国防費だけで42倍。計算の仕方にもよるが、50倍以上になるかもしれない。それに負けまいと日本が軍拡競争をやることは、ほぼ不可能。日本としての知恵は(中国の軍事力とは)対等にはならないかもしれないが、例えば中国が尖閣に手を出してきた時に、相手の指にスッポンのようにかみつき、手を引かせる程度の力が必要。つまり下手に手を出したら恥をかくというレベルの拒否力を持つことが重要である。これに加え米国に抑止力の傘を提供してもらうこと。さらに世界の世論、友好国を多く作ることが重要となる。
2022/08/07 BSテレ東[NIKKEI 日曜サロン]
兵庫県立大学理事長・五百旗頭真 ペロシ下院議長が台湾に行った時に中国はものすごく怒ったが、演習程度で収めており、本当に危ないことはしていない。中国は米国の力をまだまだ侮りがたいとみている。もし日本だけであれば中国は台湾侵攻にしても尖閣上陸をやっていたかもしれないが、日米同盟というのは常に軍事演習を一緒になって行っていて、ある意味、NATOよりも緊密。毎年軍事レベルで共同演習をやっているので、米国の大統領が東京に来て「尖閣は安保第5条のもとにある」と言うだけでも強いメッセージとなる。
2022/08/07 BSテレ東[NIKKEI 日曜サロン]
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