【あの一言】
ウクライナ侵攻・ロシアへの経済制裁・効果は
双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦 ドイツがロシア以外の国から天然ガスを輸入することができればいいが、今すでにロシアとの間がパイプラインでつながっている。これをLNG液化天然ガスにして他から買ってこようとすると、そもそもコストが全然違う。液化して冷却し船で運んで持って来る必要がある。米国はLNGの余力があるが、液化するインフラを持っていない。そうすると間に合わない。そもそもドイツが55%もロシアに天然ガスを依存していたということが一番の問題。
2022/04/16 NHK総合・東京[サタデーウオッチ9]
双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦 日本がLNGの輸入を止めないのは余り(備蓄)があまりないということが大きい。長期契約になっていて、 “テークorペイ”になっている。つまり、「商品が入ってこなくてもお金は払わなくてはいけない」というルールになっている。仮にロシアからのLNGを止めたとしても日本は代金を払い続けなければならない。そうするとロシアは、日本に売る予定だったガスを他に売って一粒で二度おいしいということになるので、これは得策ではない。
2022/04/16 NHK総合・東京[サタデーウオッチ9]
双日総合研究所チーフエコノミスト・吉崎達彦 開戦直後の状態はかなり思い切った手を打ったので、ロシアに対して相当効くのではないかと思われていた。3月末ぐらいから効いていないことがわかり始めた。SWIFTは金融決済システムだが、ここからロシアの金融機関を切り離すということだった。最大手のズベルバンク、ガスの決済のガスプロムバンクには実は2か所ほど抜け穴が作ってあって、そこから実はロシアにお金がどんどん入るようになっていた。ロシアは、石油、ガスの収入だけで1日12億ドル、日本円で1400億円ぐらい入ってくる国であり、これではなかなか戦争遂行能力を断つというわけにはいかなくなる。
2022/04/16 NHK総合・東京[サタデーウオッチ9]
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