【あの一言】
暮らしは?日本経済は?“賃上げ”の実現は
日本経済団体連合会・十倉雅和会長 一番大きな原因はデフレが続いたこと。日本企業は円高デフレの中、海外に出て行った。日本企業の利益の大半は海外から出てきている。それでいいというわけではない。国を強くするためにはGDP的な観点でこれを上げていく必要がある。そういう意味では日本の国内経済を強くすることが必要。
2022/02/13 NHK総合・東京[日曜討論]
山際経済財政政策担当大臣 デフレが相当長く続いているので投資にも積極的にならない。しかしデフレではない状況までもっていった。次にやるのはイノベーション。どこに投資するのかということを企業だけでなく、国としてこういう方向に進みたいというところを示していくべき。
2022/02/13 NHK総合・東京[日曜討論]
経営共創基盤・冨山和彦 理想形は米国と同じぐらいの平均でかつ格差がなかったら一番いいが、この賃金の上がらなさは異様。日本の産業構造の転換が決定的に遅れたことが大きい。大方の製造業は大量生産、下請け、孫請けの構造で来てしまった。直接包摂される労働者は2割しかいない。8割の人はその外側にいる。産業構造が地球集約型・イノベーション型に既に変わってしまった。サービス業が中心となってきて中堅・中小企業が中心になってきている。サプライチェーンでカバーできない人も増えている。そこのほとんどは中小企業であり非正規。そこをどうするかという話にしないと、いくら春闘で頑張っても結果的に2割の人しか賃金が上がらないことになる。産業構造の転換をどう促すかが本質的な議論。
2022/02/13 NHK総合・東京[日曜討論]
経営共創基盤・冨山和彦 マクロ的に言うとコストが上がっていき、結果的にインフレになる、コストプッシュインフレになりかかっている。この状況で仮に賃金が上がらないとすると典型的なスタグフレーションにはまっていく。一番よくないインフレのパターンで、賃金を上げないとまずい状況。業績が回復したら賃金を上げるというのは30年間ずっと言ってきたが結局上がらなかった。
2022/02/13 NHK総合・東京[日曜討論]
日本経済団体連合会・十倉雅和会長 企業も月例賃金は7年間2%上げてきたが、統計的に上がっていないのは非正規雇用、有期雇用が増えたから。経団連も物事の考え方を変えることにしている。
2022/02/13 NHK総合・東京[日曜討論]
日本労働組合総連合会・芳野友子会長 日本経済を再生し好循環実現のために今年、春闘において賃金引き上げを確実に行うのがポイント。賃上げは今年だけで終わるものではなく来年以降も続いていく。5年後、10年後も見据えて未来を作るというスタートとして考えていきたい。産業別組織からの意見に基づき要求を組み立てているが、4%を目標にしていくというのがここ数年掲げている目標。
2022/02/13 NHK総合・東京[日曜討論]
山際経済財政政策担当大臣 名目成長率を中長期で3%程度を目指すという大目標を立てている。一方、コロナ問題などで賃上げのスピードが落ち込んでいるので上向かせたいという思いもあり3%を目標にした。まず公的部門の賃上げ、その後、民間にできればやって欲しいと期待する。
2022/02/13 NHK総合・東京[日曜討論]
日本経済団体連合会・十倉雅和会長 持続的な賃上げは今後の日本の社会を規定する非常に大事な問題で、経団連ではサスティナブルな資本主義を掲げた企業も社会的な存在で社会の構成要員であると考えている。社会には様々なマルチステイクホルダーがおり、働き手従業員は企業にとって最も大切なステイクホルダーのひとつだと考えている。企業が業績を上げればその成果を働き手・従業員に還元するのは当然のことだと考えている。賃上げについては2つのことを訴えている。一つはK字回復の中で賃上げは一律ではないということ。回復した企業は3%にこだわらずもっと上げるべき。賃金のレベルについては賃金決定の大原則に従うべきと考えている。
2022/02/13 NHK総合・東京[日曜討論]
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