【あの一言】
COP26合意は・どう進める?“脱炭素社会”石炭火力めぐる意見の対立は
国立環境研究所・江守正多 化石燃料の延命であるというふうに見られているが、ゼロエミッション火力というのがうまく行くのであれば、一理ある。ゼロエミッション火力を実現させる目標年限というのを宣言してそれが日本の脱石炭火力目標になれば理想的。仮に2030年より遅くなっても日本の事情を説明し、CO2を出さないで作った再エネやCCS、水素やアンモニアなどが安く大量に手に入ればそれは1つの戦略として考えられる。
2021/11/28 NHK総合・東京[日曜討論]
元経済産業省審議官・有馬純 原発の再稼働がなかなか進まない中で、石炭火力は日本のベースロード電源の役割を果たしてきた。日本のエネルギーコストは世界の中で最も高いが、さらなる上昇を防ぐために石炭火力を一定程度使ってきた。日本の産業電力料金は米国の3倍で、中国・韓国の2倍以上。これがさらに上昇すると日本の産業競争力に甚大な影響が出かねない。欧州はエネルギー危機に瀕しているが、石炭火力を排除して変動性のある再エネに依存してバックアップは天然ガスに一方的に依存してやってきた結果、ああいうことになっている。エネルギー事情が脆弱な日本が石炭火力を放棄してしまうのは愚策。
2021/11/28 NHK総合・東京[日曜討論]
経済同友会副代表幹事・石村和彦 日本はエネルギーセキュリティ上、いろいろなエネルギー源に頼らざるを得ないが、そういう中で石炭というのは重要なエネルギー源になっている。そこで2030年までに例えばアンモニアを20%ぐらいまで石炭火力に混ぜて燃やせるようにしてやっていこうとしている。元々、日本の石炭火力は非常に高効率でCO2を出しにくい。そういう技術をさらに高めていき非効率な石炭火力は廃止していく。2050年まではさらにそれを進めていき、アンモニアで100%燃やせるガスタービンの開発が進んでいる。
2021/11/28 NHK総合・東京[日曜討論]
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