【あの一言】
<風をよむ>世界で問われる人権
法政大学前総長・名誉教授・田中優子 人権問題はきりがない。相互批判がとても大事で、そのためには情報収集も必要。アムネスティなども尽力しているが、情報収集する中でどこに人権問題が起きているのかということを知り、批判する。今度は批判されたら耳を傾けて改善するという繰り返しでしかない。これはずっと続いてきて明治時代にも「マリアルス号事件」というのが起き、多くの労働者が劣悪な環境下に閉じ込められ、強制労働をさせられていたが、それに対し日本は論陣を張って労働者達を開放した。それで日本は大変評価された。一方で日本には借金の質で働かされている遊女というのがいるではないかと逆に批判された。明治政府が偉かったのはそこで遊女解放令を出したこと。そうやって相互に批判し、迅速な対応ですこしでも改善していくという繰り返しが大事。
2021/11/14 TBSテレビ[サンデーモーニング]
造園家・東京都市大学教授・涌井雅之 厄介なのは富の偏在があり格差が差別を作り出しているという構造があること。格差を仕方がないと受け止めると、逆に自己肯定をするために自分の存在よりも弱い人たちをわざと作り出し、差別をし、自分を満足させるという構図がどんどん深刻になってくる。その現象が男女だとか、障害者、子ども、外国人などにつながってくる。中でも高齢者差別というのは深刻。こういう問題を考えていくためには多様性を認めて自由・平等・博愛という人間が生きている根源を原則として考えていくべき。
2021/11/14 TBSテレビ[サンデーモーニング]
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