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2024年11月18日(月)
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【あの一言】
脱炭素電源「6割」国境炭素税と日本経済
ニッセイ基礎研究所・チーフエコノミスト・矢嶋康次
欧州がルール作りを主導している国境炭素税(2023年にも暫定的に導入予定)だが、日本も対岸の火事ではいられなくなってきている。これはEVを作る前に出したCO2に応じて税金をかけるべきだとする税で、電源構成が非常に重要になってくる。日本の場合は火力が8割ぐらい。一方フランスは原発国で火力が7~8%と低い。日本とは10倍違う。それに応じて税金をかけるということになれば日本からフランスに輸出した場合、日本製EVが数倍、高くなる。トヨタ自動車・豊田社長も春先に「国境炭素税が導入されるとトヨタは日本で作ってフランスに車を輸出することができなくなる」と明言している。そういう現状が起きつつある。
2021/07/26 BSテレ東[日経モーニングプラスFT]

ニッセイ基礎研究所・チーフエコノミスト・矢嶋康次
数年前までCO2はお金がかからないものだったが、急に環境問題でCO2はお金がかかるものになってきた。企業が将来的にコストがかかるとして排出権を安いうちに買っておこうという流れが出た。この3年間でその値段が3~4倍になった。1トン5000円ぐらい、燃費で考えると10キロぐらいの燃費のガソリン車が約400キロ走ると1トンぐらい排出するが、これが今まで0円だったものが、お金がかかることになる。欧州の国境炭素税に合わせて中国も国際ルールを作ろうとしている。日本では排出権の議論さえ始まっておらず、世界から見た場合、日本は積極性に欠けるとか実現性が疑問などと、評価を落とす方向に動き始めている。
2021/07/26 BSテレ東[日経モーニングプラスFT]

ニッセイ基礎研究所・チーフエコノミスト・矢嶋康次
環境問題に二面性がはっきりと出て来ている。ひとつは地球環境の問題、もうひとつは産業政策が競争政策になってきているという現実がある。日本が環境に積極的でない、あるいは(日本のエネルギー政策が)実現性がまったくない計画だと認定されてしまうと、世界から見る目が厳しくなり、それがいろいろな形で日本企業や日本に対してペナルティを科すという競争政策になってくる。
2021/07/26 BSテレ東[日経モーニングプラスFT]

ニッセイ基礎研究所・チーフ矢嶋康次エコノミスト・矢嶋康次
今回発表された新しいエネルギー計画は日本が劇的に変わらないとできないので相当厳しい。しかも2030年目標なので10年を切っていることを考えると実現性は低い。今回は菅首相が掲げた「2050年カーボンニュートラル」を前提に作っているため、トップダウンで下にいけば行くほどかなり矛盾が出て来る。原発の現行の水準は6%。これを3~4倍にするという話だが、原発は他のエネルギーと違って政治的な要因が非常に大きく、20~22%の比率にするためには日本で27機の原発すべてが動かないとだめ。2030年に向けてこれらが動くというのは実現性が低い。
2021/07/26 BSテレ東[日経モーニングプラスFT]

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