【あの一言】
徹底分析・中国情勢・日本はどう向き合う?
日本国際問題研究所客員研究員・津上俊哉 最近の中国では「寝そべり族」という新しいバズワードが生まれている。未来に対する希望を失い、無気力になっている若者のことだが、十年前は生活が目に見えてよくなっていくという実感をかなり多くの国民が持っていた。そうした感覚が急速に今の中国では消えつつある。彼らは一生働いても家が買えないと思っている。
2021/07/04 NHK総合・東京[日曜討論]
東京大学大学院教授・阿古智子 格差の問題もものすごく大きい。余裕のある層が増える一方で、ものすごく貧しくて必死に働いても貧困状態から抜け出せない人たちも今の中国にはたくさんいる。
2021/07/04 NHK総合・東京[日曜討論]
東京大学大学院教授・阿古智子 中国では権力の監視ができていない。言論の自由が保障されていない中で、新疆の人たちが例えメディアの取材を例え受けていたとしても、それが本心かどうかはわからない。中国の経済の影響力があまりにも大きい中で、人間性が破壊されていかないのかはしっかりと見ておく必要がある。
2021/07/04 NHK総合・東京[日曜討論]
東京大学大学院教授・藤原帰一 人権を理由に中国政府に対し批判を行う場合は、「相手の政治体制が変わらない限り、状況は打開されない」という批判に変わる可能性は避けられない。つまりレジュームチェンジが必要だという批判になり、かえって事態の膠着状態を生み出す可能性がある。
2021/07/04 NHK総合・東京[日曜討論]
日本国際問題研究所客員研究員・津上俊哉 心配なのは半導体などが絡んだハイテク冷戦。情報を中国政府に抜かれそうなところは全部カットしていかなくてはならないという動きが強くなっている。これをやっていくとこれまでのような自由貿易というものがどんどん経済安全保障という形で上書きされて適用範囲が狭まることになる。
2021/07/04 NHK総合・東京[日曜討論]
元中国大使・宮本アジア研究所代表・宮本雄二 中国はこれまでの状況を続けたかったが、経済安全保障分野でのデカップリングを含めて、それができなくなった。米国がこれを全面的にやってきて、連動する国が世界中に増えてきたために、できなくなった。今度は中国自らデカップリングをやり始めたが、デカップリングの動きが双方で加速されることが心配。
2021/07/04 NHK総合・東京[日曜討論]
東京大学大学院教授・藤原帰一 西側サミット参加国の中で中国の軍事進出への懸念が共有されたことは間違いない。専制支配に対する批判も共有された。ところが、その先に香港をNATOが武力で解放するかとかは全然言っていないし、台湾の危機についても、どれだけ関与するかは書いていない。抑止力強化という枠、同じ考え方を共有する諸国の国際的な連携の範囲での合意が作られたに過ぎない。
2021/07/04 NHK総合・東京[日曜討論]
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