【あの一言】
シリーズ「安全保障と外交を考える」
元内閣官房副長官補・兼原信克 2030年までに中国は米国の経済を抜く。米国はナンバー2になる。日本とあわせるとまだもうちょっとあり、ヨーロッパを合わせると中国が抜くことはない。西側が団結すれば中国が変わるまで待てるということ。団結をしっかりして中国が不安定化しないように支えていくべき。
2021/06/20 BSテレ東[NIKKEI 日曜サロン]
元内閣官房副長官補・兼原信克 台湾は日本に近すぎる。与那国島から100キロしかない。中国軍が台湾を攻撃する場合にどうしても通る場所がある。それが先島諸島。そこをよけて戦争することはできない。台湾は東側が山であり、中国軍は回り込む形になって攻撃するのでいきなり(日本は戦闘に)巻き込まれる可能性がある。そういう意味で朝鮮戦争とはまったく異なる。
2021/06/20 BSテレ東[NIKKEI 日曜サロン]
JR東海名誉会長・葛西敬之 戦域核分野における力の均衡が失われ、中国が圧倒的に強くなっている。米国は戦略核ではソ連とにらみ合っていたが、戦域核はINF条約でSS20とパーシング2をやめてしまったので中国だけが戦域核を持っている。
2021/06/13 BSテレ東[NIKKEI 日曜サロン]
JR東海名誉会長・葛西敬之 中国の状況を見ると、日本の国が歴史始まって以来直面している厳しい安全保障環境にある。1960年の日米安全保障条約以降、60年以上にわたり米国の絶大な核抑止力によって日本は平和を維持してきた。ソ連が崩壊し、中国が次のチャレンジャーとして出てきたが、中国は米国が期待していたように経済的に発展し強国になれば同じ価値を共有するとみていたが全く別の方向へ動いた。中国は核戦力を強化し、戦略核ではなく戦域核という中距離弾道弾を強化した。私は米国を狙う気はありません、私が狙っているのは台湾と日本ですといって、米国にある種の安心感を与えようとして米国もそれにのせられて容認してきた。習近平になって中国はがらっと変わった。彼らの目標は中華民族の夢で、製造業で米国を抜き、軍事力で米国と並び、一帯一路を推進し、その中に世界の国を包み込んでいくと宣言している。
2021/06/13 BSテレ東[NIKKEI 日曜サロン]
JR東海名誉会長・葛西敬之 習近平を支えている人民解放軍は、戦った経験がない軍隊。ソ連軍は第二次大戦で戦っていて戦争というのは厳しいものだと知っているが、人民解放軍は戦闘経験がないため、ソ連軍以上に危うく暴発、暴走する可能性がある。
2021/06/13 BSテレ東[NIKKEI 日曜サロン]
JR東海名誉会長・葛西敬之 台湾有事はまさに即日本の有事であり、日本の有事は即台湾の有事である、米国にとって台湾問題は米国の国益そのもの。米国、台湾、日本はひとつの皿の上にのっている。
2021/06/13 BSテレ東[NIKKEI 日曜サロン]
元外務大臣・岡田克也 私の念願は2つの大きな塊がお互い競い合う(2大政党による)政治だと30年間言ってきている。残念ながら、いまの野党は前回の選挙で分裂選挙をやったことも影響して、その力がだいぶ制限されている。もう一度お互い切磋琢磨できるところまで持っていくというのが次の選挙の目標。国民民主党は考えもそう違わないので大きな塊として選挙で戦わないといけないし、いろいろなことを乗り越えてやがてはひとつの党としてやっていくために執行部にはがんばってもらいたい。(共産党とは)政権を共にすることは残念ながらないと私はそう思っている。大きな問題に意図的にされてしまっている。その前提で是々非々で力を貸し借りしながらやっていく。
2021/06/06 BSテレ東[NIKKEI 日曜サロン]
元外務大臣・岡田克也 米軍の司令官の発言などもあり、台湾有事というのが議論されている。在日米軍基地から直接発進する米軍について日本は事前協議を受けるが、それにイエスというかノーというかという問題がある。日米同盟というのがある以上、有事にならないように最大限努力する必要がある。有事になった場合、基地を使わせないという選択はほとんどない。重要影響事態での後方支援にはいろいろなレベルがある。一番激しいのは攻撃している米軍機への空中給油とか弾薬補給。こうしたものに日本として簡単にNOとは言えない。存立危機事態は今の憲法に合っていない憲法違反の疑いがあり、そこまで日本は踏み込むべきではない。ある意味でこれはいざとなれば日本も一緒に武力行使をしてくれるんだという期待感を与えている。
2021/06/06 BSテレ東[NIKKEI 日曜サロン]
元駐中国大使・宮本雄二 2012年に習近平が政権を取った時に、中国は大きな曲がり角に来ていた。鄧小平のやり方でそれまで、ずっとやってきたが、未知の領域に踏み込んで、この世界をどういう風に生きていくかとなった時に習近平は自分の路線を出してきた。それを実現するためには、10年では足りないだろうということで、憲法の任期制を外し、さらに15年、その先を見れるように変えた。反腐敗闘争というものを使い、政敵と言われる人たちを排除していった。中国、党内においては正面から習近平にたてつく人はほぼいなくなった。
2021/05/30 BSテレ東[NIKKEI 日曜サロン]
元駐中国大使・宮本雄二 中国共産党は国民の反応を非常に心配している。日本のような民主国家は「国民から選ばれた」と胸を張って言えるが、中国ではそれができない。なんであなたは我々の上にいて、命令するのかと思っている。だから、中国共産党の統治の正当性(レジティマシー)を国民に納得させる必要がある。これはハードルが高く、どう訴えるかが課題で、国民の動向というものを非常に気にしないといけない。それでやり始めたのが社会保障。中国経済が順調に伸びていっても中国国内の社会保障費は増大し、高齢化社会が出現する。これによって、これまでは人口ボーナスで、経済発展してきたが、人口オーナスになり、これまでの楽観的な将来見通し、経済成長は期待できなくなる。中国の指導部はこれをわかっており、あと10年ぐらいで中国の黄金時代は終わる。
2021/05/30 BSテレ東[NIKKEI 日曜サロン]
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