【あの一言】
<風をよむ>~“ワクチン後進国・日本”~
番組ナレーション 2007年若者を中心にはしかが流行した。はしかは先進国では既にワクチンによって抑制されていた。海外から日本は世界一の「はしか輸出大国」と非難された。厚生労働省は2007年「ワクチン産業ビジョン」を公表。企業と連携し、世界に挑む体制を目指した。しかし国内ワクチン市場規模は未だに約1400億円規模で、医薬品全体のわずか約1.4%にとどまっている。そうしたワクチン後進国・日本を襲った新型コロナウイルス。実はファイザー製ワクチンに使われているメッセンジャーRNAという新技術の研究は日本国内でも既に行われていた。
2021/02/07 TBSテレビ[サンデーモーニング]
大阪大学・宮坂昌之名誉教授(VTR) メッセンジャーRNAをワクチンになんとか用いようという動きは日本でも一部で行われていた。結構進んだ研究もあったが、日本の製薬メーカーがワクチンになかなか手を出さなかった。政府にしろ、製薬メーカーにしろ、日本はどうしても目の前の儲かりそうなものやお金になりそうなものしか飛びつかない。科学立国と言いながらリスクのあるものにはなかなかお金を出さない。
2021/02/07 TBSテレビ[サンデーモーニング]
フリージャーナリスト・浜田敬子 日本ではワクチンを打つことによるベネフィットとリスクの議論が不十分。歴史的にワクチンによる副反応で重篤な健康被害があったこともあるが、打つことによる効果、打たなかったことによるリスクの議論がなかなか届かない。ワクチンを打つ方がいいのか打たない方がいいのかというのが個人の判断に委ねられてしまっている。赤ちゃんには何種類もの予防接種が必要だが、何人もの専門家の方がワクチンの危険性を書いており、打つかどうか個人では迷ってしまう。そうした方々は今回のコロナワクチンでも少なくないとみられる。
2021/02/07 TBSテレビ[サンデーモーニング]
大阪大学・宮坂昌之名誉教授(VTR) いくつかのワクチンで思わぬ副反応が出たが、政府としての対応が日本は遅く、不十分だった。どのくらいのリスクがあって、どのくらいのベネフィットがあるのか、厚労省が分かりやすい形で伝えないといけなかったが、問題があった。その結果、ワクチンに対する不信感が生まれてしまった。
2021/02/07 TBSテレビ[サンデーモーニング]
番組ナレーション 2月6日の時点で世界で既に1億回を超えたとされる新型コロナのワクチン接種だが、日本は主要国の中で唯一、ワクチンの承認にさえ至っていない。日本は1970年代、ワクチン開発や製造で世界トップクラスだった。例えば水疱瘡の原因となる水痘ワクチンは日本で発明され、現在も世界中で使用されている。80年代に入るといくつかのワクチンの副反応で健康被害が相次いで社会問題化した。各地で集団訴訟が起き、国がその責任や補償をめぐり争った。はしか・おたふく風邪・風疹のMMRワクチンは1989年の開始後、髄膜炎の副反応で4年で接種が中止になった。1994年の「予防接種改正法」でそれまでは法律で義務とされていた予防接種が努力義務に緩和された。ワクチンの使用や開発に対する国の姿勢は徐々に消極的となりその需要も減少した結果、日本の製薬大手は事業から撤退した。日本の予防接種制度は世界的にみても世界最低レベルとなっている。
2021/02/07 TBSテレビ[サンデーモーニング]
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