【あの一言】
新型コロナ感染拡大 危機打開の道は
日本感染症学会理事長・東邦大学教授・舘田一博 2002年のSARS、2009年の新型インフルエンザ、2012年のMERS、今回の新型コロナウイルス。10年振り返っただけでもこれだけたくさんの感染症に遭遇している。そういう意味では次のパンデミック感染症に必ず遭遇するという意識を共有すること。それに強い社会を作り上げていくこと。有事の時に言っていても平時に戻ると忘れてしまうことを繰り返していた。今度はこれをしっかりと我々の経験、教訓として感染症に強い社会を作り上げるべき。それはコアキャパシティとサージキャパシティ(※)で、それがうまく移行するような社会をどういうふうに作り上げていくのかということが重要になる。待ったなしで感染者数は抑えなければならない、いまやらなかったら大変なことになるという意識を共有することが重要。
※めったに起きないパンデミックに対して、常時備えておくのがコアキャパシティ、非常時にだけ起動するのがサージキャパシティ 2020/12/20 NHK総合・東京[日曜討論]
三菱ケミカルホールディングス会長・経済同友会前代表幹事・小林喜光 科学と政治が相互作用を必要とする時代がきている。AIだとかロボティクス、IoT、バ-チャル空間、ネット空間が巨大な増幅をしている。日本の第一部上場企業の3800社全ての時価総額は700兆円あるかないかだが、マイクロソフト、Google、アップルなどのネット系企業はたった5社で時価総額が750兆円ある。5社で日本の3800社を追い抜いている。それぐらいバーチャル空間の経済価値が上がっている。こういう中で日本がどういう方向性を持っていくかを考えればIT、デジタル、バーチャル空間、もうひとつはサスティナビリティ地球環境になる。グリーンイノベーションで日本が主導的にしていかない限り相対的には非常に比較劣位になってしまう。こういう時代にあるとの認識をすべての国民は持っておく必要がある。この30年間、日本のGDPはまったくあがっていない。500兆円から550兆円までせっかくいったのにこのパンデミックで500兆円を切ってしまう。ものすごく苦しい状況に日本はあるが、この停滞を脱却するためにも新しいテクノロジーを取り入れて日本を変えていくべき。
2020/12/20 NHK総合[日曜討論]
聖路加国際病院感染管理室マネージャー・坂本史衣 政治あるいは経済といったところから完全に独立し、純粋に科学的に今なにが起きていて、これからどういうことが起きるかを予測して科学的な対策を提言する独立した第三者機関としての感染症の現状分析予測の場所が必要。政策として決まったことを国民一人一人にわかりやすく伝えていく組織をしっかりと確立をして迷う人が少ない体制を作っていくべき。
2020/12/20 NHK総合[日曜討論]
三菱ケミカルホールディングス会長・経済同友会前代表幹事・小林喜光 もともとコロナが始まる前からコモデティ系とか医療系は中国、アジアに6割7割を依存していたが、経産省中心に官民に動き始め、マスクの国内生産もはじめた。サプライチェーンの変更は大きなテーマになっている。
2020/12/20 NHK総合[日曜討論]
三菱ケミカルホールディングス会長・経済同友会前代表幹事・小林喜光 欧米から比べれば100分の1と少なかった。その要因がファクターXだの、BCGだの交差免疫だの、いろいろ言われた。日本の文化としての同調圧力という感性も働いて泥縄であったがなんとか結果オーライで来ていた。それが、ここに来てジャパンモデルというよりユニバーサルモデルに近づいてしまった。ここでどういうアクションを取るかが重要。アナウンスメント効果としてはGoToの停止、これ以上進めば緊急事態宣言、あるいは最終的には特措法の改訂などを早くやるという対応をとるべき。
2020/12/20 NHK総合[日曜討論]
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