【あの一言】
北朝鮮・米国・中国・国際情勢を読み解く
早稲田大学教授・中林美恵子 パワー、理念というものを乗り越えるのはなかなか難しい。それを網羅して国際的な秩序を作るためにはまずは、国際組織というものがあるはず。かつては米国を中心とした西側諸国が国際組織を国連の下や別枠で作ってきたが、こうした組織がみるみるうちに瓦解しようとしている。特に米国トランプ政権はWTO、WHOなど我々をまとめてきたものを崩そうと動いてしまった。
2020/06/28 NHK総合[日曜討論]
慶応義塾大学教授・西野純也 米中対立の深さが国際秩序の分断につながっていく可能性が高いのではないかと心配している。第2波にむけて国際協調は非常に重要であり、秋のG7は重要。
2020/06/28 NHK総合[日曜討論]
東京都立大学教授・詫摩佳代 米中の対立をそのまま放置すればおそらく分断と分散化というものが国際秩序を襲ってくる。様々な局面において、欧州とか豪州とかアジアとかで複数の枠組みができているが、その枠組み同士の競合とか、事業の重複が出てくる。コロナの収束、ワクチンの開発、世界経済の回復などグローバルな課題に向けて米国と中国以外の国々が連帯することによって既存の枠組みを強化・補強することが求められる。
2020/06/28 NHK総合[日曜討論]
早稲田大学教授・中林美恵子 米中対立がほとんどワシントンのコンセンサス。香港人権法案はほとんど全会一致で通り、ウイグルに関する人権法案も通っている。政権が変わっても続くであろう大きなうねりになっている。
2020/06/28 NHK総合[日曜討論]
早稲田大学教授・中林美恵子 コロナの影響は大きかった。2月まではこのままいけばトランプ大統領の勝利だろうと言われていた。しかし3月になって失業率が20%にいくかもしれないとの声が出ると、これは落選ではないかという悲観の声が出てきた。政権にとっても米国経済にとっても不安要素がかなり生じてしまっている状況。
2020/06/28 NHK総合[日曜討論]
早稲田大学教授・中林美恵子 コロナの影響で共和党の保守層の中にもトランプ大統領がコロナをうまく乗り切る対処をしたのかということについて疑問を持ち始めた時に、ボルトン氏の本を読んで背中を押され、やはりトランプ大統領のままではまずいかもしれないと思わせる力になる可能性はある。
2020/06/28 NHK総合[日曜討論]
早稲田大学教授・中林美恵子 (北朝鮮の)軍事行動が激しく出てくるとトランプ大統領もリアクションを起こさなければならなくなる。そこが非常に心配な部分。6月17日にはポンペイオ国務長官と楊潔チがハワイで会談している。臆測だが、何らかの形で中国にストップをかけるようにという話があったかもわからない。あるいは北朝鮮の中で経済が良くないので、韓国に対する過度な挑発に不満が出たのかもしれない。米国としてはこれ以上、大きくなってほしくないというのが本音。
2020/06/28 NHK総合[日曜討論]
防衛大学校長・国分良成 日中の貿易は5%位しか減っていないし、米中の貿易も15%位なのに1月から4月までの間に中国と北朝鮮の貿易は約67%ダウンしている。お互いにロックダウンしており、最近は北朝鮮に物資がほとんど入っていない状況が続いている。中国にとって北朝鮮の問題は、米国との関係をどうするかにおいては重要だが、北朝鮮そのものを本当に考えているのかという部分がある。
2020/06/28 NHK総合[日曜討論]
茂木敏充外務大臣 今まで以上に国際協調の必要性が高まっている。一方で米中が対立しており。国際機関として主導的な役割を担わなければいけないはずのWHOに対しても様々な疑念が持たれている。ポストコロナの様々な国際ルール、国際システムを作り直していく段階にこれから入る。
2020/06/28 NHK総合[日曜討論]
東京都立大学教授・詫摩佳代 感染症は公衆衛生という閉じられた領域の課題ではなく、政治、経済、生活と他局面に影響を及ぼすグローバルな危機になってきた。各国も保健省だけでなく複数の省庁が対応に関与している。トランプ大統領を見ても秋の大統領選挙を意識した対応になっている。そのため中国に責任を転嫁する動きが見られる。中国もマスク外交を展開して影響力の拡大を進めようとしている。世界経済の回復、途上国における感染管理、次なるパンデミックに備えるというグローバルな課題が次々と吹き出ている中で、必要な連帯が見られない。
2020/06/28 NHK総合[日曜討論]
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