【あの一言】
世界の感染増鈍化で…感染症対策?経済優先?
寺島実郎 世界全体の原油の需要というのは、1日1億バレルと言われている。それが今回のコロナの騒ぎで経済がものすごく冷却してきて、需要が約3000万バレルぐらいは少なくとも減る可能性がある。供給側も供給削減ということで、OPECプラスで970万バレルを供給削減することで合意した。米国自身は削減に踏み込まず、そのことで価格が軟化している。今19ドルぐらいになっているが、8月までに30ドルに戻らないと、米国のシェールガスプロジェクトにものすごく破綻が起きてくる。破綻だけではすまない。日本にも「米国のシェールガスブームで一儲けしませんか」という形でハイイールド債というハイリスクハイリターンで投資家を誘いこんでいるが、そのプロジェクトが破綻してくると日本経済にも大きなインパクトがある。つまり原油価格が金融危機の引き金を引く可能性がある。その文脈で30ドルに戻るかどうか。ものすごく微妙なところに来ている。
2020/05/03 TBSテレビ[サンデーモーニング]
寺島実郎 今、世界には金融をジャブジャブにしてコロナ危機を乗り切ろうということで中央銀行が格付けの低い債券だとか社債まで買い込んで支えようとしているが、そのことによってバックファイヤーを抱え込むことになる。どうやってこの事態を制御していくかの大きな構想が必要な段階に来ている。
2020/05/03 TBSテレビ[サンデーモーニング]
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