【あの一言】
展望・2020年の経済・世界は・日本は
日本総合研究所理事長・翁百合 これだけ大きく環境が変化してきたから、企業が自前主義でやっていくだけでは対応できなくなってきている。もっとオープンイノベーションを進めて、企業の連携とかベンチャー企業と大企業が組んでやるとか、そういった形でビジネスモデル改革を進めていくことが非常に重要。一方でイノベーションを支える人材を育成していくというのも非常に重要な課題。
2019/12/22 NHK総合[日曜討論]
経営共創基盤代表取締役CEO・冨山和彦 根本問題は会社の中においても外においても新陳代謝が全然進んでいないこと。日本の会社の形で新卒一括採用でずっと同じメンバーでやってきて、経営陣を見たら日本人の中高年の男の人しかいないという極めて同質的で固定的な社会で戦ってきた。これでは労働生産性が上がるわけがない。会社の数の多さも異常に数が多い。産業構造が変わっていない。問題は新陳代謝、多少の痛みを堪えて進めなければだめ。
2019/12/22 NHK総合[日曜討論]
法政大学教授・水野和夫 恐らくすでに今年の夏ぐらいから不況に入っている。日銀短観などでは予測値よりも実績値の方が下振れるという傾向が出てきているし、利益も減益見通しとなってきている。これまでの景気回復というのはほとんど企業部門の動きで景気が良いか悪いかが決まっていた。景気が回復しているというのは企業部門が輸出を中心に支えていた。今後は米中貿易戦争が長引くことを考えると、そんなに輸出主導ということには期待できない。
2019/12/22 NHK総合[日曜討論]
早稲田大学ビジネスファイナンス研究センター顧問・野口悠紀雄 来年はマネーの世界で大きな変化が起こる可能性がある。具体的には中国がデジタル人民元、中央銀行の通貨をデジタル化するということが起こりうる。仮にそういうことが起こると、世界経済に対する非常に大きな衝撃になる。問題は日本がこういう変化に対応できていないこと。中国が完全なキャッシュレス社会になるが、それだけではなく中国の外で人民元が使われるようになる可能性がある。まずは一帯一路の地域。日本も例外ではないかもしれない。中国の電子マネーは日本でも使える。仮想通貨だと海外、国外で使うことはもっと簡単になる。そうすると世界の通貨主権を中国が握ってしまう危険性がなくはない。
2019/12/22 NHK総合[日曜討論]
日本経済研究センター理事長・岩田一政 これからは今年以上にますます自然災害が酷くなる。その抜本的なメスを入れることが必要で、そのためにはインフラ投資、グリーン投資が必要だし、単に投資だけではなくてもっとCO2の排出を抑えるような政策。特にカーボンタックスが重要。そういった議論が来年しっかりと行われることが重要だ。
2019/12/22 NHK総合[日曜討論]
日本総合研究所理事長・翁百合 これからデジタルトランスフォーメーションが進んでいく。日本もデジタルトランスフォーメーションに向けて色んな政策を打っているが、米中の動きなどは非常に早いし、東南アジアもレガシーが少ない分、非常に早くスピーディに移行が進んでいる。こういった形で恐らく世界的にあらゆる分野でのデジタル化が進んでいく。デジタル化というのは単なるデジタル化だけではなく、製造業も例えばMaaSと呼ばれるように自動車をシェアリングしたりとか、そういうような形でビジネスモデル自体が大きく変化していく。自動車産業も今、色んな構造転換に直面している。そういう意味で全ての産業において、デジタル化、データ利活用といったことによってビジネスモデルを見直していく動きになってきている。
2019/12/22 NHK総合[日曜討論]
早稲田大学ビジネスファイナンス研究センター顧問・野口悠紀雄 今、日本の生産性が低下している。就業者1人あたりの実質GDPを見ると低下を始めている。このために賃金が上がらない。賃金が上がらないと優秀な人材を日本に留めおけない。実際、高度専門家の分野ではすでに中国のハイテク企業の方が日本より高いというような状況になっている。そうすると生産性が低下し賃金も上がらないという悪循環になる。
2019/12/22 NHK総合[日曜討論]
|