【あの一言】
最新分析・北朝鮮問題の行方は
東京大学教授・小原雅博 北朝鮮の問題、同時にイランの問題がある。あるいはパキスタンとインドの衝突もある。もう少し大きな視点からこの問題を眺めていくと、日本が一生懸命やってきた核不拡散、核軍縮の取り組みをもっとやっていくということで、国際社会の結束を働きかけていくことが大事。
2019/03/17 NHK総合[日曜討論]
龍谷大学教授・李相哲 制裁は確実に効いている。2017年の12月の制裁が非常に厳しくて、それ意向、金正恩委員長が対話に出てきている。
2019/03/17 NHK総合[日曜討論]
東京大学教授・小原雅博 朝鮮半島の非核化の定義、中身は何かいうこととこれをどう進めていくのかということが問題になる。非核化の定義が朝鮮半島だという話になってくると、在韓米軍の問題だとか核の傘の問題という議論までいってしまう。さらに言えば、非核化が先なのか、中国やロシアが言っている平和体制の構築も同時平行で行くのかという、進め方の違い。非核化の中身という話になってくると、新年の辞でも金正恩委員長が言っている中には、今持っている核兵器、ミサイル、関連施設に言及がない。こういう点をしっかりと協議で詰めていかない限りは、同じような過ちを繰り返すことになる。
2019/03/17 NHK総合[日曜討論]
龍谷大学教授・李相哲 北朝鮮と米国の間では、非核化は何かという概念の整理が根本的にできていない。ポンペイオ国務長官は「金正恩委員長は6回も非核化を約束した」と言っているが、それが北朝鮮の非核化なのか朝鮮半島の非核化なのかハッキリしない。北朝鮮が取りうる選択肢は2つ。1つは挑発し続ける。もう1つは全てを投げかけて米国にもう1度、近寄るかということ。もう1つの選択肢として、韓国とか中国から何らかの支援を得つつ、今の状態をだらだらと持っていくこと。
2019/03/17 NHK総合[日曜討論]
早稲田大学教授・中林美恵子 今回の米朝首脳会談では、米朝首脳会談という最も大事な日に下院でロシアゲートの公聴会を開くということを議会はやってのけた。これを考えると、今後も外交に対してもトランプ大統領にとって足かせになるようなことを議会がぶつけてくる可能性は十分ある。メキシコとの壁の予算も議会で非常事態宣言はだめだと言ってみたり、サウジアラビアとの関係、イエメンと仲良くしすぎるので議会がそれを止めさせようという決議までしている。これから外交問題においても、議会とトランプ大統領のスタンスは難しいものになってくるだろう。
2019/03/17 NHK総合[日曜討論]
元国連北朝鮮制裁専門家パネル委員・古川勝久 そもそも北朝鮮に対して原子力と宇宙の平和利用の権利を認めるのかどうか。これ次第で非核化に必要なリソース、廃棄しなければいけない施設が大きく変わってくる。ここをしっかりと詰めていく必要がある。
2019/03/17 NHK総合[日曜討論]
元駐米大使・中曽根平和研究所理事長・藤崎一郎 米中交渉もある。壁の予算の話もある。トランプ大統領にとってこれは1つの問題に過ぎない。そのあたり金正恩委員長とバランスが違う。だからこそトランプ大統領は今回、不十分な合意をして国際世論からも非難を受けたくなかった。韓国、中国との関係も大事だと言ったのはそういう意味。
2019/03/17 NHK総合[日曜討論]
慶應義塾大学准教授・礒崎敦仁 問題は、米国側がどこまで本気で北朝鮮に完全な非核化を粘って促し続けることができるかということ。
2019/03/17 NHK総合[日曜討論]
早稲田大学教授・中林美恵子 北朝鮮が核放棄を最後の最後まで諦めないだろうという見込みは、かなり広く浸透している。ただトランプ大統領からしてみたら、そこで立ち止まってしまっては歴史的な自分の金字塔を打ち立てることが不可能になってしまう。どこかで妥協していかなければいけない。それがどのポイントにあるかは実務者協議をしっかり積み重ねていかないとわからない状況にある。
2019/03/17 NHK総合[日曜討論]
元駐米大使・中曽根平和研究所理事長・藤崎一郎 北朝鮮の政権維持にとって核ミサイルはなかなか手放せないもので、本当に核を全部やめるということは簡単ではない。北朝鮮は、経済制裁解除のためにディールをしようとしたがうまくいかなかった。
2019/03/17 NHK総合[日曜討論]
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