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スペシャル あの一言
2024年11月18日(月)
最新TV速報
【あの一言】
最新分析・北朝鮮・貿易問題の行方は
みずほ総研・欧米調査部長・安井明彦
関税が大きく上がっていなくても、着実にじわじわと(貿易摩擦の)影響が出てきている。将来が不透明になってくるので、企業の投資行動などがだんだん萎縮している。米中に限らず幅広く影響が出てきつつある。グローバルにサプライチェーンは広がっているので、世界的に影響が広がっている。1番気をつけなければいけないのは、貿易摩擦の影響は経済の弱いところからまず出てくるということ。米国経済は好調なのですぐに悪い影響は出てこないかもしれないが、例えば中国経済は減速局面にある。中国に輸出しているアジアの国々、EUはどうなのか。新興国を中心に通貨不安なども出始めている。そういったところと貿易摩擦の影響がリンクした時に、複合的なショックになるリスクがある。
2018/09/30 NHK総合[日曜討論]

早稲田大学教授・中林美恵子
北東アジアの安全保障、米国の核の傘、こういった大きな図柄をある意味考えないまま、1国1国の利益で綱引きが始まってしまっている。文在寅政権においても南北の間を通す鉄道とか道路とか、そういうものを建設しようという話にまで先走っている。そうすると制裁が緩んだり南側の北に対する柔らかい態度などを含めて物事が先に進んでしまい北朝鮮に対する圧力が弱まるのは間違いない。限りなく金正恩委員長の思惑通りになる。金委員長の思惑というのは、トランプ大統領は1つのチャンスであると。トランプ大統領であれば何らかの形で色んなことを聞いてくれるし、リスクを取ってくれるのではないかと見込んでいる。ここが今の北東アジアの安全保障で気がかりな部分。
2018/09/30 NHK総合[日曜討論]

マサチューセッツ工科大学シニアフェロー・岡本行夫
(緊張緩和は続いているが交渉は進んでいないという現状は)金正恩委員長の思惑通り。今、彼は嬉しくてしょうがないだろう。米国から攻撃される心配を何もすることなく、引き続き核兵器の開発を現在も進めている。技術的に未完成な部分を1年か2年くらいで完成させ、堂々たる本物の核武装国家として世界に登場することができる。その時に米国との交渉は性格が一変する。今は「核兵器開発をするな」という米国からの一方的な圧力だが、今度は核兵器削減交渉となる。彼らにしてみればインドやパキスタン、多分イスラエルも核を持っており国際法の枠外で違法に取得しているではないかということで、どうして我々だけ責めるのかという話になる。それが彼らの目指しているところ。核兵器がなかったら北朝鮮というのはアフリカ・ガボンや赤道ギニアと同じくらいの規模の国家になってしまう。それが今、世界に堂々たる政治家として米国の大統領と並んで君臨している。金正恩委員長がやすやすと核を手放すはずはない。
2018/09/30 NHK総合[日曜討論]

元中国大使・宮本アジア研究所代表・宮本雄二
米朝が話し合って朝鮮半島の状況を決められるというのは中国にとっては最悪。自分の発言権を確保し、なおかつ米中はこういう関係だから、その中でできるだけトランプ政権がやりにくいという方向に北に指示している。表面的には北朝鮮に対してプラスになることを言っているように見えるが、机の下で何を言っているかは別の問題。
2018/09/30 NHK総合[日曜討論]

東京大学大学院教授・久保文明
水爆実験までして他国を脅すようなことがなくなっているのは明らかな前進で、昨年の状況より米朝関係はいい状態になっている。他方で北朝鮮、米国双方にそれなりの過ちを犯す危険性もある。北朝鮮が駆け引きで強気に出てしまっているため、米国の政策がまた元の鷹派的なものに戻ってしまう可能性もある。本来はシンガポールの米朝首脳会談以降、もう少し協議が進んでいるべきだったが、あまり進んでいない。より大きな危険は、トランプ大統領の脇が甘い部分。成果を求めるあまりに必ずしも詰められていない案で妥協してしまう可能性がある。
2018/09/30 NHK総合[日曜討論]

元中国大使・宮本アジア研究所代表・宮本雄二
法の支配や、多国間主義、自由民主主義等を体現しているのが国連を中心とした戦後の国際システム。この中でグローバリズムは大きな発展をした。それを米国の大統領が否定することになると、我々としては驚く他ない。
2018/09/30 NHK総合[日曜討論]

マサチューセッツ工科大学シニアフェロー・岡本行夫
国連総会で象徴的だったのは米国の大統領が「われわれはグローバリズムを拒絶する」と言ったこと。グローバリズムはいいこともたくさんあったが、格差を拡大し、国境を低めることによって大量の難民、移民の波を作り出して、それに反発する人々をポピュリズムの方向に押しやった。人々はグループ化して社会が分断状況にある。こういう背景が習近平国家主席、プーチン大統領、トランプ大統領のような人々に自由度を与えている。世界はグローバリズムの揺り戻しの中にあり、これからも世界は自由とか民主主義といった普遍的な価値や開かれた国際秩序といったものが弱まる方向に行く。
2018/09/30 NHK総合[日曜討論]

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