【あの一言】
あさって開催・どうなる米朝首脳会談
南山大学教授・平岩俊司 これまでの経緯で考えると、北朝鮮は拉致問題は解決済みであるという立場。日本側はそれを受け入れられない。最初の真相究明の部分をどうしていくのかというところからスタートしていかなければいけない。米国、韓国、中国から後押しをしてもらって、日本側が受け入れ可能な形での再調査、真相究明を最初の入り口にするしか仕方がない。
2018/06/10 NHK総合[日曜討論]
慶應義塾大学教授・渡辺靖 米国は人質3人を北朝鮮から取り戻した。どちらかというと人権問題でもって北朝鮮を責めにくい構図ができている。メッセージは伝えるが、あくまでそれは日朝への道筋をつけるという辺りまでしかできないのではないか。日朝首脳会談は、どのタイミングで開催するかということが難しい。
2018/06/10 NHK総合[日曜討論]
早稲田大学教授・中林美恵子 トランプ大統領は元々、アメリカファーストを実現し今までの国際秩序を壊すと言って出てきた大統領。米軍が縮小されてもトランプ大統領にとってはたいした問題ではない。しかし安全保障の専門家、軍人たちはこの問題がいかに大きいかをよく知っている。将来的には北朝鮮だけなく中国の軍国化、大国化にも目を向けなければいけない。その点でも在韓米軍の果たす役割は大きいのだが、トランプ大統領はそこまで思いを至らすことができていない。
2018/06/10 NHK総合[日曜討論]
慶應義塾大学教授・渡辺靖 終戦宣言そのものはさほど難しい話ではない。ただ、それを平和協定に置き換えるとなると中国の存在が不可欠になる。その時に中国が、在韓米軍の縮小だとかTHAADを撤去することを北朝鮮を通じて求めてきた場合は、結構難しい問題となる。同時に日本にとっても、北東アジア全体の安全保障の軍事バランスにも影響を及ぼすので、ここはかなり時間をかけて議論する必要がある。
2018/06/10 NHK総合[日曜討論]
元外務事務次官・立命館大学客員教授・薮中三十二 第1回の首脳会談では大きな原則合意が必要。非核化と言った時に、北朝鮮の持っている核兵器、ミサイルの廃棄が大きな目標だということを最低限、確認するべき。あとは実際には閣僚レベルで作業計画が進むと思うが、そこには絶対に日本が当事国として入るべき。
2018/06/10 NHK総合[日曜討論]
龍谷大学教授・李相哲 南北板門店宣言の文言の中で北朝鮮が一番やりたかったのは朝鮮戦争終戦宣言。この後は平和協定を結べば韓半島で米軍がいる必要はなくなる。仮に北朝鮮が要求しないとしても、韓国の国民の世論が「もう平和になったから米軍はいらない」となり、北朝鮮が長年、目標にしていた米軍を追い出すことが達成できるという絵を描いている。
2018/06/10 NHK総合[日曜討論]
早稲田大学教授・中林美恵子 期限はいつまでにし、次の中間選挙までにどこまで進めるのか。または大統領選挙までにどこまで終えているのかという点がもぎ取れてこないと、成功とは言えない。ホワイトハウスの中でも懐疑的な人はかなり多く、少なくともこの会議が終わった後、様々な議論が噴出する可能性がある。
2018/06/10 NHK総合[日曜討論]
慶應義塾大学教授・渡辺靖 12日の会談では全てが詰まるとは思えない。米朝双方が一応成功したと説明できるような玉虫色の内容になる。落とし所としてはいくつかあり、人質を取り返すということは実現した。さらに朝鮮戦争終結宣言には歴史に名を残すという意味がある。非核化に関しては、現実的な落とし所として「核ミサイルの即時実験停止」、「関連施設の凍結」までやっておけば米国にとっての喫緊のリスクは取り除くことができ、とりあえずの成功となる。
2018/06/10 NHK総合[日曜討論]
南山大学教授・平岩俊司 おそらく北朝鮮の立場からするとかなり自分たちのペースでやってきているという思いがある。リビアモデルのようにまずは非核化でというような所から言えばトランプ大統領の発言はトーンダウンしてきている。ラブロフ外相との会見の中で、金正恩委員長が「米国の覇権に抵抗する貴国の姿勢を評価する」と発言したこと自体、かなり米国に対して強気に出てきている。
2018/06/10 NHK総合[日曜討論]
龍谷大学教授・李相哲 北朝鮮の国内事情が逼迫していて、2月から餓死者が出ているという話もある。国内からの忠誠心が低下する可能性があるため、9月9日の建国70周年をきっかけに北朝鮮は二度と人民が飢えずに済むという状況を作りたい。米国と話し合ってそういう雰囲気を作っていけば、韓国からも中国からもある程度の支援を受けることが可能になるし、米国の攻撃の可能性を少なくすることもできる。
2018/06/10 NHK総合[日曜討論]
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