【あの一言】
これからの日韓関係の行方
早稲田大学大学院教授・李鍾元 中国の台頭にどのように対応するかは日韓が共に抱える最大の課題。これまで韓国は経済関係や北朝鮮問題という観点から中国との関係強化に力を入れてきたが、中国の軍事的な影響力の拡大は韓国の安全保障にとっても不安定要因であり、米国や日本との協力を踏まえ総合的な対応を迫られている。経済の地域的な枠組み、北朝鮮問題、中国の台頭などについて日韓の利害は必ずしも一致しないところがあり、仮に慰安婦問題に集約される歴史問題に一定の妥結があった後も新たな争点が浮上する可能性がある。今後、それぞれ異なる利害を踏まえた上で大局的な協力のあり方が問われることになる。安全保障の面では米国との関係を土台にしつつも経済の面では中国をも組み入れた地域の枠組みを模索しなければならないという点では日韓の立場には共通するところがある。今回、日中韓サミットの定例化、3か国協力の強化などにも合意があった。
2015/11/20 NHK総合[視点・論点]
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