世界保健機関(WHO)によると、現在、世界中でコビッド19対応のワクチン85種類以上が臨床試験中であり、約190種類が臨床試験前の開発段階にあるという。
その中でRNAメッセンジャー型のワクチンが最も科学的に評価が高く、ワクチン競争で優位に立っている。ファイザー社とバイオNテックが共同開発したワクチンとスタートアップ企業モデルナのワクチンで世界に先駆けてRNAメッセンジャー技術を使用している。...
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世界保健機関(WHO)によると、現在、世界中でコビッド19対応のワクチン85種類以上が臨床試験中であり、約190種類が臨床試験前の開発段階にあるという。
その中でRNAメッセンジャー型のワクチンが最も科学的に評価が高く、ワクチン競争で優位に立っている。ファイザー社とバイオNテックが共同開発したワクチンとスタートアップ企業モデルナのワクチンで世界に先駆けてRNAメッセンジャー技術を使用している。ウイルスのRNAメッセンジャーを含む液を接種することで体内の細胞に抗体となる物質を形成させようとする原理によっている。
ファイザー社とモデルナ社のワクチンは双方とも95%感染症を抑制し、副作用の症例も少ないと報告されている。最近の米国での調査結果では、ワクチン接種により感染を防止することも確認されている。 2つのワクチンの唯一の欠点は、ワクチン接種前までは極低温で保存する必要があり、ロジステイック上の制限となる。
RNAメッセンジャー型の他のワクチンとして今後、世界に市場に出るのはドイツの「キュアバック」で、欧州医薬品庁の試験検査手順に従いこれから試験が開始される。
ウイルスベクターによるワクチンは今日最も多く使用されている。不活性化したSARS-COV2ウイルス遺伝子組換えベクターが使用され、体内に抗体を作るたんぱく質が誘発される。 オックスフォード・アストラゼネカ社のワクチンがその例で、世界で最も多く使用されている。インドではこのワクチンが技術移転でコビシールドの名前で製造され、値段が安いことと保存に極低温の必要がないことで重宝されている。
しかし副作用として血栓疾患が報告されているため、デンマークやスウェーデンで使用が中止されている。さらに南アフリカ型変異ウイルスに薬効が劣るとの症例があるため南アフリカはアストラゼネカ社のワクチンを他の国に売却しているという。
ジョンソンエンドジョンソンのワクチンもウイルスバスター型のワクチンであるが、副作用として、同様に血栓疾患が報告されているため、米国や南アフリカで使用が中断されている。
ロシアのガマレイア研究所の開発したスプ―トニックVは2020年8月に世界の約50か国に認可されたワクチンで医薬誌ランセットによると、91.6%の対症性があるという。EUの3か国ではすでに認可して使用中で、ドイツも4月初めから承認手続きに関してロシアと協議に入っている。
死活化したウイルスを使用する従来型ワクチンとしては中国の「シノファーム」と「シノバック」が相当する。WHOで効果は認められているものの、実際の対症性については「シノバック」ワクチンを使用しているチリで疑問視されている。
最近、中国の保健衛生責任者も薬効の低さを認めている。インドで独自に開発した「コバクシン」も従来型ワクチンと推定されている。
抗体反応を誘発するたんぱく質を含むワクチンタイプで、これから市場に出ると予想されているワクチンとして、米国のノババックス社のワクチンがあるが、89.3%の対症性があると発表されており、米国、英国およびEUの医薬品庁に迅速な認可を要請している。仏のサノフィ―研究所は英国のGSK社と共同で同様のタイプのワクチンを開発している。
さて、日本の製薬会社からのコビッド19対策ワクチンは、いつになれば市場に出回るのかやきもきされる。
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