【Globali】
国際競争力、米国が10年ぶりに首位(2018/10/19)
「ダボス会議」の主催で知られるスイスのシンクタンク「世界経済フォーラム」は17日、2018年の国際競争力ランキングを発表した。インフラ、マクロ経済の安定性、イノベーション能力など98の異なる指標を評価し算出した「国際競争力指数」(GCI)でランク付けしている。
首位は米国(前年2位)で、最も競争力があり革新的な経済を持っていると評価された。2位はシンガポール(同3位)、3位はドイツ(同5位)、4位スイス(同1位)と続く。今年の報告書は、新しいテクノロジーが引き起こす「第4次産業革命」によって世界経済が大きく変容している点を重視し、起業文化、開放性などを評価対象に含めるなど、評価方法を刷新した。その結果、昨年まで9年連続で1位だったスイスが140カ国・地域中4位に順位を落とした。...
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首位は米国(前年2位)で、最も競争力があり革新的な経済を持っていると評価された。2位はシンガポール(同3位)、3位はドイツ(同5位)、4位スイス(同1位)と続く。今年の報告書は、新しいテクノロジーが引き起こす「第4次産業革命」によって世界経済が大きく変容している点を重視し、起業文化、開放性などを評価対象に含めるなど、評価方法を刷新した。その結果、昨年まで9年連続で1位だったスイスが140カ国・地域中4位に順位を落とした。
10年ぶりに1位の座に返り咲いた米国は100点中85.点を獲得。ビジネス・ダイナミズム、労働市場、財政制度や、イノベーションの推進力といった項目が高い評価を受けた。一方で、評価が低かったのは社会構造と安全保障の項目。殺人事件の発生件数は先進国平均の5倍になるなど、安全保障の項目は56位と過去最低だった。平均寿命も、先進国平均よりも3歳、シンガポールや日本と比べると6歳低い67.7歳(46位)だった。
エリア別の平均値で見ると、「ヨーロッパ・北米」がもっとも高く、「東アジア・太平洋地域」がすぐ後に続く。日本は昨年から順位を四つ上げ過去最高の5位。香港が7位、韓国15位、中国は28位。最も低かったのは「サブサハラアフリカ」で、50以下だった。
「世界経済フォーラム」の創設者で会長のクラウス・シュワブ氏は「第4次産業革命の活用は、競争力を決定する要素だ」と述べ、「世界は『革新的な変化を理解する国』と『理解しない国』に分断されるだろう。第4次産業革命の重要性を理解する国だけがその国民の機会を拡大することができるだろう」と指摘した。
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