米西部ワシントン州や東部ニューヨーク州などの8州と首都ワシントンは30日、3Dプリンターでプラスチック製の拳銃を製造する権利を認めたトランプ政権の決定の差し止めを求め、ワシントン州シアトルの連邦裁判所に訴訟を提起した。
訴訟を提起したのは、コネチカット、メリーランド、マサチューセッツ、ニュージャージー、ニューヨーク、ペンシルベニア、オレゴン、ワシントンの8州と、首都ワシントンD.C.の民主党出身の司法長官だ。当局の管理が困難な銃器がテロリストや犯罪者の手に渡りやすくなり、公共の安全の脅威になるとして、トランプ政権の決定が、州の銃器を規制する権利を侵害すると主張している。
この動きとは別に、21州の司法長官が、30日にマイク・ポンペオ国務長官とジェフ・セッションズ司法長官に対し、決定は「公共の安全に切迫したリスクをもたらす」として、その撤回を要求した。...
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訴訟を提起したのは、コネチカット、メリーランド、マサチューセッツ、ニュージャージー、ニューヨーク、ペンシルベニア、オレゴン、ワシントンの8州と、首都ワシントンD.C.の民主党出身の司法長官だ。当局の管理が困難な銃器がテロリストや犯罪者の手に渡りやすくなり、公共の安全の脅威になるとして、トランプ政権の決定が、州の銃器を規制する権利を侵害すると主張している。
この動きとは別に、21州の司法長官が、30日にマイク・ポンペオ国務長官とジェフ・セッションズ司法長官に対し、決定は「公共の安全に切迫したリスクをもたらす」として、その撤回を要求した。
長い法廷闘争の後、米政府は6月、テキサス州で銃の保有の権利を提唱する活動家コーディー・ウィルソン氏の主張を認め、同氏が経営する会社に対し、ダウンロード可能な3Dプリンター製の銃のイメージを、インターネット上で公開することを許可した。同氏は、合衆国憲法修正第2条は、米国民に対し銃を保有する権利を保障しているが、銃を自宅で製造する権利にも拡大すべきであると訴えていた。
今回提訴を主導したワシントン州のボブ・ファーガソン司法長官は、「この決定は違憲で違法だ。率直に言って恐怖を感じるものだ。」として、「この前例のない動きは、公共の安全にとって破滅的なだけでなく、銃器が危険な人物の手に渡らないように規制する我々の州法の効果を損なうものだ。」と述べた。
3Dプリンターは2,000ドル(約22万円)程度で入手でき、殆ど全ての形状の物体を製造するようプログラムできる。3Dプリンターさえあれば、誰でもすぐにプラスチック製の銃の製造を自宅で始められる。コストも1丁あたり数百ドル(数万円)しかかからない。
しかしそうした銃には製造番号もなく、当局の管理下には置かれない。さらにプラスチック製の銃は、公共の建物や空港で使用される金属探知機では検知しにくいと、安全対策の専門家らは危惧している。民主党議員らは、政府の決定を非難し、説明を求めた。
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