【Globali】
米国の連邦準備制度理事会(FED)は公定歩合の利上げをしばらく差し控える模様である(2018/07/31)
米国の中央銀行に相当するFEDは、米国経済が過熱気味になるのを警戒して、8月1日から予定された公定歩合2.0%からの利上げを据え置く模様である。
なお、これまでの統計では、第2四半期で4.1%のGDP成長を示し、失業率も4%以下に抑えられ、エネルギー、食糧の価格上昇も2%に止まっている。この状況下でも、FEDとしては、なおも景気の過熱やインフレーションの危険があるとみている。FEDのパウエル議長は7月中旬には公定歩合の利上げに関して慎重論を述べており、失業率が4%であることが単純に経済成長に直結するものでないとしている。
なお、FEDは今年末までに、2段階に分けて公定歩合の利上げを行いたい意向で9月には最初の利上げを計画している。...
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なお、これまでの統計では、第2四半期で4.1%のGDP成長を示し、失業率も4%以下に抑えられ、エネルギー、食糧の価格上昇も2%に止まっている。この状況下でも、FEDとしては、なおも景気の過熱やインフレーションの危険があるとみている。FEDのパウエル議長は7月中旬には公定歩合の利上げに関して慎重論を述べており、失業率が4%であることが単純に経済成長に直結するものでないとしている。
なお、FEDは今年末までに、2段階に分けて公定歩合の利上げを行いたい意向で9月には最初の利上げを計画している。 FEDは、中立的な金融政策を狙っており、その政策が経済成長を極端に助長したり、減退させたりさせないことを目指している。
トランプ大統領は、7月20日のCNBCチャンネルのインタビューでは、FEDが勝手に公定歩合の利上げを計画する金融政策に対し、怒りを露わにしている。
米国大統領が、FEDの金融政策に口をはさむことは前代未聞のことであるが、ここで一つの疑問が残る。すなわちトランプ大統領の経済政策により経済成長するために公定歩合の利上げは必要ないのかという点である。
Natixis投資会社のエコノミスト、トーマス・ジュリアン氏によれば、トランプ大統領の政策は一種の「賭け」で、経済成長を雇用率の増加と生産性の向上のみで(公定歩合の利上げをせずに)達成しようとしているとのことである。
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